2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

21 タイガー・ランペイジ 7

アニメショップ(俺が隠れていた店)の壁を突き破り、スカーレットの野郎が登場した。衝撃でCDやらDVD、データディスクやらのパッケージが吹き飛んでその場に散らかる。 「どこへ逃げようっていうの?子猫ちゃん」 クソ、滅茶苦茶調子に乗ってやがる。そりゃ…

21 タイガー・ランペイジ 6

俺は隙をみてタイガー戦車のセンサー範囲外と思われる距離まで逃げた。 今の俺の一撃でスカーレットのプラズマシールドは削り取れたはずだ。追い打ちを掛ければ殺れたかもしれない。だが、深追いは危険だ。俺のプラズマシールドも今は削り取られているし…。 …

21 タイガー・ランペイジ 5

そろそろ視認できる範囲にタイガー戦車とスカーレットが現れる頃だった。 周囲には警察や軍が送り込んだと思われるドロイドの残骸が転がっている。そしてドロイドは霧雨AIに対して座行情報を送信したのだろう、霧雨AIからの艦砲射撃の跡もいくつかある。だが…

21 タイガー・ランペイジ 4

高架橋の上から飛び立って俺はタイガーが暴れている近くに着陸した。 さっそく武器リストを開いてからプラズマライフルを取り出して長距離射撃をやろうと思った…んだけど、あれ?武器リストにはグラビティブレードしかないよ?あれ? 「ないないない!!!な…

21 タイガー・ランペイジ 3

街が見える高架橋の上で車が停まった。 ビルの間からタイガー戦車の巨体が見える。大戦中は別名『歩く要塞』と呼ばれていて今でも子供から大人まで兵器マニアの間では人気のあるタイガー戦車、その実物が眼下にいる。確か…発電所みたいなのが中にあって、そ…

21 タイガー・ランペイジ 2

今俺はミサトさんと一緒に黒スーツの軍関係者2名が運転する車の後部座席にいる。そして後部座席のホログラムモニタから説明を受けているのだ。 「おなかすいた」 「ちょっと、聞いてるのかしら?」 「いや、聞いてない」 「大変な事になってるんだからちょっ…

21 タイガー・ランペイジ 1

俺が学校から帰宅すると家には誰も居なかった。 そういえばケイスケは学校の帰りにエロゲを買ってから帰ります、との事だったな。ケイスケの部屋に入ってまじまじと本棚やらを見たことがないけども、あのペースで買っていたら相当な広い本棚を用意して置かな…

15 正義 2

行き交う人々の流れの中に芝川の姿があった。 書店の隅にある週刊誌のコーナーに目が止まる。 『ヒーロー現る』 その週刊誌にある題字の一つを見て、解り切っていながらも広げる。島根の男性連続殺人の一件についてだった。 「ヒーローか…」 芝川は一度は広…

15 正義 1

電脳街の路上に行き交う人々の流れ。 まるで透明な壁でもあるかのように、電脳街の中にある全てのものが、その外の街とは異質な風貌を見せている。 多くの人はドロイドを召使いとして側に添わせて、買い物が終わるとその重い電化製品を運ぶドロイドの姿がち…

14 餌 2

真っ暗な住宅街をゆっくりと進む車内から路上を映した映像。そのカメラのレンズは一人の女性の捕らえ、車が止まる。車から数人の男が飛び出して女性の口を覆う。そのまま女性は車に抱え込まれた。そして車の中で恥辱を受ける女性の姿が延々とビデオの映像に…

14 餌 1

「警察の者ですが、太一君はいらっしゃいますか?」 堀江はドアから半分ほど玄関に身体を侵入させ、ドアが閉まらないようにしている。 「え…ええ、いますが…太一が何か?」 「少しだけ太一君にお伺いしたいことがありましてね」 「は、はい…」 太一の母親は…

13 お魚天国 3

リビングの窓ガラスが割られた。 黒い物体が部屋に飛び込んできたのだ。 「ひゃっ!」 テレビを見ていた女性はその物体に驚き、すくんだ足でガラス片から逃げた。突然の物音に、2階から柳川太一は降りてくる。 「なんだよるっせーな!…どうしたんだよ?!こ…

13 お魚天国 2

ネオンはその隙間に届いている。だが、表の地下道からは中まで見えない。完全に行き交う人々から見えないのを確認すると若者は、みのりのブラウスのボタンに手を掛けた。 「待って」 みのりがそれを制止する。 「これで私を撮って欲しいの」 みのりがバッグ…

13 お魚天国 1

車道を基本とした都市開発で、歩道が生き残る先は地下へと変わる。 地下道と地下駐車場。地下の歩行者の行き来が盛んになれば、自然と市場も地下へと移動する。歩行者用の地下道を中心に、地下の商店街が展開された。市民の多くが利用する地下スーパー、そこ…

25 サイト・ログ 6

「見つけましたよ」 数時間が経過してようやく、小山内はバックアップデータの中から陸風会に関するものを抽出したようだった。 「どうれ、みようかね」 重い腰を上げて東屋がディスプレイを見る。 「結局見つかったのはここだけですね。陸風会のメンバーの…

25 サイト・ログ 5

助手席にはいつものように東屋が座り、運転席は開いている。エンジンは掛けっぱなし。停車中だった。 急いで駆けこんでくる小山内は何やら様々な電子機器を持っていてそれを無造作に助手席後ろの後部座席へと放り込む。その様子を「そんな乱暴に扱っていいの…

25 サイト・ログ 4

メールや電話でのやり取りを重ねた後、小山内の端末は検索サイトのバックアップデバイスへのアクセスが出来る状態となった。警察特権である。 眠たい目を擦りながら小山内は先ほどから繰り返してきた同じ事を、バックアップデバイスへ接続された端末から行う…

25 サイト・ログ 3

東屋の乗るタクシーが到着したのは一つの小さな街の警察署だった。 見窄らしい駐車場はアスファルトの劣化が激しく、以前はその駐車場に多くの車が行き来していた事を物語っている。今はといえば、警察のパトカーが数台ほど止まるのみ。合併でその警察署は警…

25 サイト・ログ 2

「はぁ…」 深夜の1時を過ぎた頃、小山内はそろそろ帰ろうと腰を上げた。そこで初めて残っているのは自分だけという状況を知る。それが一気に疲れを呼ぶという一つのアクションでもある。 いくつかの掲示板に「陸風会を潰そうとした人がいるのではないか?」…

25 サイト・ログ 1

「いいよなぁ、お前はずっとネットして遊んでて、それが仕事なんだもんなぁ」とコーヒーの香りと共に通り過ぎる影がある。通り過ぎざまに挨拶がわりに皮肉を言うのは小山内の同僚である。それが毎日の日課になっていたし、小山内も皮肉を言われる事が日課の…

終末論シリーズを私なりに解釈してみました - 4 - 「ハロー、プラネット」

人や生物が居なくなった世界。そこにいるのはいつしか壊れるのを待つだけのアンドロイドやロボットばかりでした。そして、今回の主人公も前回と同様に人そんな機械の中の一つでした。 この歌詞中には「オハヨーハヨー」という挨拶ともとれるものがありますが…

終末論シリーズを私なりに解釈してみました - 3 - 「ワンダーラスト」

いよいよ終末が訪れます。 ところで、この歌は発表の時系列だと最初だったんですね。この歌が考えられた時から既に他のストーリーも考えられていたとは、スターウォーズを彷彿とさせます…。 前回の僕らの16bit戦争では人々は争っていました。 おそらくどこか…

終末論シリーズを私なりに解釈してみました - 2 - 「僕らの16bit戦争」

前回に引き続き、終末論シリーズの解釈です。 ところで、しゅうまつがやってくるのPVでは最後に少女が書いた手紙を拾う人がいますよね。そう、「僕らの16bit戦争」の「僕ら」は前作の少女の意志を引き継いだのです。 僕らの16bit戦争 戦争が始まった 人々は…

終末論シリーズを私なりに解釈してみました - 1 - 「しゅうまつがやってくる!」

前回のよりもちょっと簡単な終末論シリーズを解釈してみました。 他にも色々と解釈があると思いますが、こんな解釈もあるよって感じでPVを見るのがまた楽しくなってもらえたらと思います。 しゅうまつがやってくる! 少女は最期まで何が大切なのかを訴え続け…

20 キミカ・ファンクラブ 7

にぃぁの一件から数日経ったある日。 教室に入った後、ユウカやナノカのいる席に向かうと机の上に写真が沢山広げられている。なんとなくアイドルについて語り合っていそうな普通の女子高生的な雰囲気だった。 写真を見てみる。 ん? 俺の写真じゃん! いや、…

20 キミカ・ファンクラブ 6

にぃぁを捕まえるのは容易ではない。というのは普通の人間の感想である。だが人は高速に移動する物体を捕まえる捕まえない以前に、頭脳があるのだ。そう、にぃぁは高速で移動する以前に、猫である。あ、猫っていうのは俺の予測ね。なんとなく鳴き声とか耳と…

20 キミカ・ファンクラブ 5

それから俺とナノカは思う存分にユウカから逃げまわった。凄い形相で追い掛け回してくる。けれど俺もナノカも水泳のセンスがあるのか捕まることはなかった。っていうか、泳いで追い掛けても捕まえることができないのだ。魚じゃないんだからさ。 「はぁ、はぁ…

20 キミカ・ファンクラブ 4

「久しぶりにナノカの水着を着るわね…」 ナノカの水着は共用水着なのか…。 また乾いてないアレな水着をユウカが着ている。 「うわわわ…キモチ悪い…うぅ…胸のところがきつい」 あぁ、それは俺も思った。ナノカぺちゃぱいだからなー。 「もう、文句言わないで…

20 キミカ・ファンクラブ 3

結局、あの新聞が貼ってあった廊下で休み時間が終わるまで待っていたけど誰も貼りに来なかった。っていうか、貼りには来なかったけど、あの新聞が廊下から無くなっているのを通りすがる男子や先生が悲しそうな顔で見ていた。まるで今日の楽しみがひとつ奪わ…

20 キミカ・ファンクラブ 2

「それでどうするんだよ」 と俺は廊下を歩きながらユウカに聞く。 この新聞部を潰そうっていうのかな。 「この新聞部を潰すわ…」 「ぅゎぁ…」 そのまんまですか。 「だいたい学園で一番可愛い女の子を投票で決めようとか、去年の文化祭でそういうのもやって…