サイバーパンクとしてのメイドインアビス考察

メイドインアビス見ました。 面白かったので漫画版を全巻見てしまいました。 で、考察でも見ようとググったのですがアビスの謎そのものに対する考察はありませんでした。これは放っておいても作者が語るから待ちましょうって意味なのかな?私は待てないので…

15 ニイタカヤマノボレ(リメイク) 4

俺は超重量級戦車に脳を移植されたタチコマ、通称「超重量級タチコマ」の背中に乗り、軽く手を当てていた。意識を集中し、巨大な塊を宙に浮かせる為である。そして、このまま電源が落ちているエレベーターシャフトを上昇し地上へと出る。 この間、戦闘無し。…

15 ニイタカヤマノボレ(リメイク) 3

先程は一時的にもこの格納庫には電源が来ていたみたいだけれども、ナツコのハッキング等に不利になるようにする為か、連中は再び電源を落として真っ暗闇にしていた。 戦車に残っているバッテリーとタチコマのライトだけが頼りだ。 しかし、労せずともすぐに…

15 ニイタカヤマノボレ(リメイク) 2

奴の人工筋肉の腕は俺の(美少女である)か細い首をひっつかんでそのまま壁へと叩きつけた。随分と派手な壁ドンである。一瞬だけ衝撃を検知した俺の物理バリアが自動的に作動し、壁ドンされた美少女の背後にある壁に衝撃と電磁パルスを放ったではないか。 だ…

15 ニイタカヤマノボレ(リメイク) 1

米兵4人分の肉塊の前に俺とタチコマは居た。 たままた逃げていた米兵と出会ったわけじゃなかったわけだ。 彼らはこの場所を『死守せよ』とでも言われていたのかもしれない。それか出口がここだと信じて逃げようとしていたのかもしれない…そう彼らに信じこま…

14 トラ・トラ・トラ(リメイク) 6

周囲には鉄粉が撒い、鉄が焼ける臭いと焦げる臭いが漂う。 鼻奥に鉄粉が吸い込まれれむせ返りながらも、俺は「何も考えず」前へ前へと進んだ。何かを考えようと思わなかった。ただその時はヘトヘトに疲れて鉄粉が舞うその場を離れたかっただけだ。 入り口の…

14 トラ・トラ・トラ(リメイク) 5

メンテナンス用通路はカーゴが斜め45度に地下へと降りるのに添うように側に続いており、その先は真っ暗闇になっていた。しかし、正確には俺達がいる場所は真っ暗ではなく省電力設定になっている電灯の明かりが照らしていた。明かりが照らしきれてないのだ。 …

14 トラ・トラ・トラ(リメイク) 4

砂浜から少し歩いたところにある岩場、俺が日本でよく見る岩場とはことなり、植物や水生生物のソレが一切張り付いていないような独特の丸みを帯びた岩が張り付くように伸びている場所、それがタチコマが指定した合流ポイントだった。 途中で日本人の男性だけ…

14 トラ・トラ・トラ(リメイク) 3

どれだけの時間が経過しただろう。 この潜水艦…いや、人間魚雷型潜水艦は、地球儀で言うところの海の色が激しく濃いところを移動していた。ただ、それは海面から10数メートルのところではないことは確かだ。 大戦時から日本の潜水艦は世界中で『忍者』と揶揄…

14 トラ・トラ・トラ(リメイク) 2

さっきまでエヴァンゲリオンだのオヴァンゲリオンだの言ってたからさぞ凄いものがカーゴにあるのだろうと思って期待していたのだけれど、案内されたのは軍が毎年GWやSWに行っている基地お披露目の時に公開されている戦車や装甲車などが陳列されている場所だ…

14 トラ・トラ・トラ(リメイク) 1

「何故ここにいる?」 俺は思わず拍子抜けした。 高校入試で試験会場を間違えて試験官らしき人に「こっちは来ちゃダメだよ」って言われた時と同じような状況である。あの時は俺はテンパってて試験に遅れることもあって普通はうろつかないような場所をうろつ…

13 囚われの妹(リメイク) 5

司令室には俺と司令官のマダオ、副司令のミサトさんが残されていた。ケイスケのズボンも残されていたから、ケイスケはパンツ一丁で帰ったことになるんだろう…。 だがそれはどうでもいい。 それすらもどうでもいいぐらいに酷い状況だった。 「司令、どうする…

13 囚われの妹(リメイク) 4

妹が米軍に連れ去られた、という情報は普通に考えれば血の繋がった家族に一大事が起きたのだから驚くべきところだし、顔色のひとつも変えるものだ。普通に考えれば。 しかしケイスケは顔色ひとつ変えずに、 「あったり前田のクラッキング講座ですォォ!!」 …

13 囚われの妹(リメイク) 4

俺は髪をタオルで乾かしていた。 先程までシャワーを浴びていたから仕方がない。 今、俺の前にはケイスケの家に置いてあるような大型のホログラム・ビジョンがある。表示されているものは島の形をした何かと、建物の形をした何か。関係者ならわかるはずだ。 …

13 囚われの妹(リメイク) 3

俺とケイスケは家の近くにいた。 じゃあさっさと家に帰れよ、という話ではあるけれども、帰れない事情…つまり先程の続きになり、尾行が理由で帰れない。 ケイスケ曰く、家の周囲は一見すると普段となんの変哲もないけど、軍や警察が張り込んでていつでも帰っ…

13 囚われの妹(リメイク) 2

いつもの場所こと『青空公園』の近くのビルの上に着地する俺。 泥棒団が派手に暴れた場合は都市全体が戒厳令下に置かれて、悠々と青空公園に着地できたのだけれど、今回のような警察のお手伝いをしているレベルだと人目につかないようにビルの屋上からわざわ…

13 囚われの妹(リメイク) 1

それはいつもの戦闘の最中に起きた。 そのまえに「いつもの戦闘」というのを説明しておかなければならない。いつもの戦闘というのは、ケイスケが警察のネットワークをハッキングして事件が起きた場所に警察が駆けつけるよりも先に到着して悪い事をした奴らを…

177 代表代行 6

『スティーブは死んだ、ってどういうことなの?』 再び質問が、今度は俺に向けてだ。 『いや、その…』 俺もしどろもどろになる。 追い打ちをかけるようにジライヤが言う。 『辻褄としては合う。キミカとコーネリア両名が共同して外交官を殺害し、その代役と…

177 代表代行 5

ようやく帰国してから世間を賑わせていたのは、中国のクーデターの話でもなければ日本の参戦でもなく、記者会見の時に登場したアメリカ代表の姿で会場に紛れ込んでいたスパイである。 左翼はこぞってスカーレットこと蓮宝議員にインタービューを行って、誰も…

177 代表代行 4

会議の内容でなくても、コーネリアがそれっぽい話をすればいい、と俺は言ったものの、正直不安になってきた。 コーネリアは本当に関係ない話をしそうだからだ。 スティーブ・アンドロイドの制御は俺からコーネリアへと移った。 スティーブは俺達と話してる時…

177 代表代行 3

ようやく味覚が正常な状態に戻った時、おそらくは吐いてからその状態に至るまでの間、ずっとお世話係のアンドロイド達がテーブルの掃除をしてくれていたのだろう。 もうそこにはあのアメリカ代表のスティーブの姿は無く、乞食のようにがっついて食べてる偽ス…

177 代表代行 2

翌朝。 最終日の朝だ。 つまり、これからはスティーブに誘われて変な建物の変な施設まで護衛しに行かなくてもいいし、スティーブが襲撃に巻き込まれて死んだことを気にするまでもなくなる。 つまり明日から平和になるという未来が見えてきた日。 部屋にはカ…

177 代表代行 1

俺とコーネリアとスティーブそっくりのアンドロイドは香港の街の喧騒の中に紛れ込んでいた。とりあえず、俺達が居た場所から離れたかった。色々と問いただされるとボロが出るからだ。 「イイデスカ?屋台デ一緒ニ食事ヲシテイタンデス」 「わーった。わーっ…

176 深淵を覗く者 5

フロアに飛び回るカラスを撃ちまくる俺。 どれもヘカーテのコントロール下にある、物質変換能力によってそこらに転がっている物が動物に変換されたものだ。なんら虐待ではない。 その一方で重力波を検知した俺はその方向に向けて神経を集中する。こういう時…

176 深淵を覗く者 4

コーネリアがドロイドを生成する前に、俺はロシア製ゴリラ・ドロイドを始末する為に銃撃をブレードで弾き飛ばしながら突撃する。 下から上へと一撃、右から左へと一撃、合計2回の斬撃を1秒内で放ち十字の傷をつける。ドロイドはプスプスと音を立てて前屈みに…

176 深淵を覗く者 3

コーネリアが叫んだ場所に向かって俺は走る。 コーネリアの奴が面白いものだと叫ぶのは大抵、本当にゲスい視点からして面白いものだ。例えばリンクを開くとブラウザいっぱいに交通事故で死亡した人の肉の塊が広がっていて俺は思わず叫び声をあげるような、そ…

176 深淵を覗く者 2

重慶にあるソレと構造がよく似ている。 俺達は廊下の突き当りにある4、5メートルはある巨大な扉を前にしていた。そして電磁ロックが掛かっている事がわかったスティーブはあの重たそうなスーツケースの中から配線をいくらか取り出して電磁ロックの下部へ接続…

176 深淵を覗く者 1

護衛してくれと言っておいて先頭を歩いているのは他ならぬスティーブだった。前日に俺と二人で研究所跡地に言った時に同じく、彼は自身の危険を顧みない性格のようだ。 ただ既にその性格が災いして1回死んでいる…。 …はずなのだけれど、何故かスティーブは今…

175 ビジネスの話をしましょう 4

会合は中国の内戦を日本とアメリカが手伝うという着陸点を目指して進められた。兵器の提供に始まって爆撃の支援、広報…つまり、マスコミに戦争を正当化させるシナリオを流す事、そしてアメリカやその脇で利益を得ていた日本が待ち望んでいる、戦後処理につい…

175 ビジネスの話をしましょう 3

劉老子は長々と中国語で話し始めた。 後追いでアンドロイドが翻訳する。 「世界は平和になったとマスコミが言ってまわる。しかし、戦火は途絶える事をしらない。今、こうしている間にも世界中の様々な場所で戦闘が、戦争が起きている」 さらに続けていう。 …