2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

30 リア充記念日 5

「それは先生の話でしょ」 ユウカのその言葉をかわきりにして、ケイスケの寂しい学生時代の話に同意するどころか、クラスではさらにケイスケの意思、意向に反発する雰囲気がヒートアップしていった。 「違います。何故ならスクールカーストはどんなところに…

30 リア充記念日 4

女子高という特殊なエリアでは、今でこそ共学になったものの友チョコというのがベースにあるようだ。とどのつまりはクラスでチョコを渡し合うという光景があるわけであって、ユウカが言うような女子が好きな男子にチョコを渡すという行為を見かけることは無…

30 リア充記念日 3

教室に入るとすぐさまナノカと目があった。 「あ!キミカっち!」 駆け寄ってきて俺に手渡すのは正方形の青の梱包とリボンがしてある物体。どう考えてもチョコだった。 「はい、これぇ!」 「あ、ありがとう!」 やっぱり今日はハッピーデイだ!妄想モードの…

30 リア充記念日 2

登校中に女子高生2名が突然抱き合っているという光景は周囲の目にも止まるが、誰もその2名の空間を壊そうとする者はおらず、ただただ、関わり合いになりたくないという顔で通りすぎていく。 そんな中で俺の頭にバンッと衝撃が走る。 「朝から何やってんのよ…

30 リア充記念日 1

2月も中頃、とある寒い冬の平日。その平日の登校ではちょっとしたピリピリとしたムードが明らかに男達の周囲に蔓延していた。まるでその日初めて学校に登校したかのような、新入生かのようにキョロキョロとしたりして、それでいてそれを指摘されれば「なんだ…

29 如月流心眼道と金剛流居合術 9

「飲み込みが早いな」 毎日のように剣道場に通い、アスマの教える居合術を体得するのを見てのアスマの評価だった。 俺には武道の経験はない。スポーツの経験も実は無くて、この女の身体になって高校に通い始めてから初めてスポーツや武道をしたことになる。…

29 如月流心眼道と金剛流居合術 8

「居合術とは抜刀から納刀までの一連の動きを一つの攻撃・防御としている」とアスマは言いながら腰に添えた木刀を抜いて斬り、再び納める、という動作を俺に解りやすくスローでやってみせた。そして、「抜いて納めるまでの動きは相手に見抜かれないように高…

29 如月流心眼道と金剛流居合術 7

剣道の練習が終わって誰も居なくなった練習場に向かうと、さっきの男が一人座って俺を待っていた。 やっぱり違和感があるな。こんな不健康そうな人が武術をするのかな? 「自己紹介がまだだったね」 「あ、えっと、キミカです。藤崎紀美香」 「僕は金剛遊馬…

29 如月流心眼道と金剛流居合術 6

心眼道っていう武術に興味を持った俺は、その一方で他の武術にも興味を持っていた。俺が戦闘で使えそうなものは手足を使ったもの以外に、刀を使ったものがあるからだ。 というわけで剣道場に立ち寄って俺はその様子を窓から見ていた。 だけど、やっぱり剣道…

29 如月流心眼道と金剛流居合術 5

それから俺の修行が始まった。 心眼道には明確な最初の構えがなく、相手の攻撃に合わせて構えが変わる。それら全ての構えが攻撃を無効化、またはダメージの軽減を狙ったもの。「相手の攻撃を受け止める」という考え方がない。そして、攻撃を無効化、または軽…

29 如月流心眼道と金剛流居合術 4

メタボ先輩の名前は「海堂篤史(かいどうあつし)」というらしい。 空手部のキャプテン。そして如月流心眼道の継承者だ。最初、親に道場を継いでくれと言われたが断ったらしい。それから親が死に、金に苦労した時、自分の身に起きたこと、起きること、周囲の…

29 如月流心眼道と金剛流居合術 3

ちょっと力を認めさせればいい。 ドロイドバスターに変身した後は超怪力だけども、変身前は普通の女の子レベルの力だ。これでパンチしたとしても対してインパクトはない。で、こういう時にどうするかというと、グラビティコントロールを使ってうまい具合にパ…

29 如月流心眼道と金剛流居合術 2

顧問の先生はどこかへと消えてしまい、一人メタボな高校生が残っている。多分先輩だろう。このまま部室へと向かう気配がする。だから俺は彼が練習場から出るところで待ち構えて、 「あ、あのすいません」 と呼びかけた。 「ん?なんでござるか?」 ご…ござる…

29 如月流心眼道と金剛流居合術 1

その日俺は久しぶりに水泳部の見物…いや、目の疲れを癒しに女子高生達の泳ぐ様を見に行くことにした。何故か俺は途中で柔道部だか空手部だかの練習場の窓から覗いている事態となった。ところで俺はホモではない。そりゃはたからみたらカッコイイ先輩の姿を見…

28 正義の意味は 3

司令室を出てからケイスケと一緒に家に帰る。 途中で俺の頭のなかにはぐるぐると色々な記憶が回っていた。 マダオに説明を受けた内容も、不知火との戦闘も。そして戦闘中に忍者野郎が放った言葉…『貴様の正義なんぞここでは戯言だ』。 戯言…。 あの不知火と…

28 正義の意味は 2

マダオはマダオのくせにクソ面倒臭そうに、「いいか、私は歴史の先生じゃないから、復習は別のところでやるんだ。何度もいわんぞ」という。 「あーはいはい」 「日本は…いや、アメリカ、日本、インド、台湾、インドネシアにマレーシア、それからロシア、中国…

28 正義の意味は 1

南軍司令部に帰ってきた。 返ってくるなりケイスケのサバ折り…いや、愛のこもった抱き締めを食らい、反射神経で刀で首を切ろうとしてしまったりしたけど、俺の事を心配してくれる人がいるっていうのは嬉しいことだ。 「あれはなんなの?なんなんだよ?」 マ…

27 日本海の死闘 9

ミサトさんの話していたとおり、船は戦線から離脱すると連中は追ってこなくなった。狙いは不審船…つまり難民の乗った船だけだったようだ。 俺が巡視艇の甲板に空から着陸すると、船員達は俺に向かって敬礼をした。そんなのされても俺はどう返せばいいかわか…

27 日本海の死闘 8

『キミカちゃん!』 今度はケイスケの声じゃん…俺は今忙しいんだよ…。 侍野郎は相変わらず執拗に俺を狙ってくる。見えてないんだ。奴の目には俺の腕を切り落としたという勝利などはない。ただ目の前にある物体を切って動かなくさせる、ただそれだけの目的だ…

27 日本海の死闘 7

俺は刀を構えていない侍野郎の前で刀を構える。 こいつはさっきの忍者野郎とは違って変な術は使わない代わりに、すごい剣術が凄いぞ…。 まるで時代劇のように、侍野郎は俺との間合いを足で計算している。足で…?こいつ、ずっと目を瞑っているぞ?まさか、見…

27 日本海の死闘 6

俺は静かに目を閉じて、お腹の辺りに黒い塊をイメージする。 そうだ。…この至近距離でグラビトロン砲を喰らったらどうなるかな? 奴が気付く前に…発射準備を終えてくれ! 奴は俺を掴んでいる自分の手にプラズマシールドによる邪魔が入っているのに最初は注視…

27 日本海の死闘 5

忍者野郎の攻撃を避けるために背後に下がる俺。それを追いつめていく忍者野郎。背後には土遁のなんとかっていう術?のようなもので氷の壁を作られて自由に動けない。 このやり取りの間、俺はバリアの回復だけを待っていた。もう一撃、忍者野郎の術を喰らった…

27 日本海の死闘 4

「水遁!水包丁!」 な…なにぃぃ!!! どこから聞こえたか、その声の後、雪の間を細い白い何かが、空へ飛び立った俺に向かって下から上へとまるでビームのように動いた。身体は交わせた。けれどもショックカノンはすっぱりと切れた。鉄の塊が切断されたのだ…

27 日本海の死闘 3

「なんなんだよ…これ…」 俺が現地に駆けつけて開口一番で放ったセリフはそれだった。 海面が凍ってる。その凍った上に雪が降り積もっていて、南極だか北極だかの分厚い流氷にいるようだ。その氷をかき分けて巡視艇が不審船に近づこうとしている。不審船に乗…

27 日本海の死闘 2

この年は雪が沢山降る。 とくに日本海側はひどい物だった。海の上にも積もるんじゃないかっていうぐらいに大きな雪の塊が空から降り注いで視界を塞いでいる。 俺は今、アサルトシップから降下された後の日本海海上に浮いている。 そんなところに浮かんでいて…

27 日本海の死闘 1

その日は普通に学校に行って普通に午前中の授業を終わらせた。お昼ごはんを食べに食堂に向かう途中でケイスケが慌てて走ってきた。そして俺を友達から引き剥がしてから、テロリストがまた出た、云々の話をする。 それはとても寒い日だった。 俺が住んでると…

26 蓮宝議員 4

「毎回こんな感じなの?」 とニュースを見ながら俺が質問する。 「そうですわね。蓮宝議員に限らず日本には他にも様々な左翼系の…リベラル系の議員はいますわ」 「左翼系…?そういえば前にもそんなキーワード聞いたことがあるような」 「まぁ、本来の意味で…

26 蓮宝議員 3

話の中心にある蓮宝議員が参加している国会中継の内容は凄まじいものだったのだ。蓮宝議員が何か言う、集中攻撃を食らう、という繰り返しだ。 「必要なんですかァァ?!」 と叫ぶ蓮宝議員。 「必要に決まってるだろ!」「どこに軍隊を持たない国がある?!」…