2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

115 ロード・オブ・シャングリラ 2

LOSゲーム内の街の広場はリアルの街の広場とはちょっと違う。 リアル世界の街の広場っていうのは節度ある人間が多い、というより、節度を持った行動をしなければ警察に補導されて前科がつくことになるのだ。つまり、俺が言わなくてもわかるとは思うけど…リア…

115 ロード・オブ・シャングリラ 1

「危ないキミカちゃん!」 その声と共に俺の前には純白の甲冑に身を包んだナイトが現れて敵のボーン・ナイトの攻撃を盾でブロックした。 「キミカちゃんはボクが守る!」 するとナイトは盾でボーン・ナイトを打ち引き剥がして、相手が怯んだところを自慢のロ…

114 夏休みは蒸し暑さと共に 6

「マコト!」 俺が叫ぶ。 俺は水中でドロイドバスターに変身。 マコトも俺の呼びかけに応じてドロイドバスターに変身している。 一瞬でナツコとマコトを空中まで引っ張りあげた。 バーベキューセットのほうも引っ張り上げようと思ったけど既に濁流の中に飲み…

114 夏休みは蒸し暑さと共に 5

それから一瞬だった。 本当に一瞬の出来事だったのだ。 俺とマコトとナツコは河の真ん中にある巨大な岩の上でバーベキューを楽しんでいた。 「マコト、その肉焼けてる?」 「駄目だよキミカちゃん、これボクが今育ててるんだから」 「キミカさん、そのイカ要…

114 夏休みは蒸し暑さと共に 4

河の真ん中にある巨大な岩、そこへの道のりはそれほど大変ではなかった。荷物を持っていたら完全に流されてはいたけども、俺もマコトもナツコも服の下には水着を着ていたのでさくさくと服を脱ぎ捨てて水着だけになると、腰まで河に浸かって水の冷たさを味わ…

114 夏休みは蒸し暑さと共に 3

「ボク、台湾に居た頃から家族のみんなで時々、山にキャンプに行ってたんだよぉ〜。バーベキューとかのやり方も習ってるからみんなで今日はバーベキューしようよ!」 と意気込んでいるマコト。 今まで描いていたのは生い茂った葉の勢いが圧迫してくる山々の…

114 夏休みは蒸し暑さと共に 2

ケイスケの話では修理屋さんは呼んではいるのだけど他にもお客さんがいるらしくて、俺達の家に来れるようになるのはまだまだ先の話って事らしい。 毎回毎年、この時期になるとどこもそのような営業体型になるとか。儲かって儲かってしょうがないようにも思え…

114 夏休みは蒸し暑さと共に 1

その日は蒸し暑い朝だった。 当然のことながらベッドの上に転がっていた布団は蹴り落としていて、パジャマだかネグリジェだかなんだかの女の子が寝る時に着るアレなんぞも全部脱ぎ捨ててブラも外してパンツ一枚、つまり俺が男だった頃に寝てた格好と同じにな…

113 レオンパレス 6

真っ暗闇の中を明るく照らすレオンパレス。 燃えていた。 レオンパレスが燃えていた。 俺とコーネリアとメイリンは布団を持って外に出てその炎を見ていた。隣にはソンヒも居て、同じく布団を持ってそれを見ていた。 「も、燃えてるニダァ…」 「燃えてる燃え…

113 レオンパレス 5

夜。 アルコールの分解に身体が水分を欲しているのだろうか、俺は起きて冷蔵庫の中からジュースでも拝借しようかと思って立ち上がった。その時、なんだか凄いにんにく的な臭い臭いが漂ってるのに気づいた。 臭い。 コーネリアの屁とかのレベルじゃないぐらい…

113 レオンパレス 4

メイリンの用意した料理が出来上がる。 彼女が作る中華料理はお世辞じゃなくて美味しいからなー。これで食材がちゃんとしたもの(腐ってない、化学調味料どっさり、寄生虫なし、放射能に汚染されてない)だったらいいんだけどな。 そんな感じで中華料理を楽…

113 レオンパレス 3

「今時ガスタイプのコンロっていうのも珍しいね」 マコトはメイリン宅の台所で珍しそうに鍋、フライパン周りの環境を見ている。確かにコマーシャルで見るレオンパレスの台所とは勝手が違う。これがチャイナクオリティって奴なのか? 「なんだか電源がオカシ…

113 レオンパレス 2

学校からはわりと近かった。 メイリンが住むレオンパレス(川崎)は歩いて15分程度。周囲には真新しいマンションやらアパートが乱立している。そんな中の一つがそれだった。 家賃が安いとは聞いていたけど思ったより造りはしっかりしている。「レオンパレス…

113 レオンパレス 1

学校にて昼食の時間。 韓流ブームだか南朝鮮ブームだか知らないけど学食のビュッフェコーナーの一角に「辛い系料理」のエリアが設けられる事になった。これもマスコミが偽造したブームに乗って「辛い料理=南朝鮮(韓国)」というオバサン思考回路で学食のバ…

112 2年B組キミ八先生 13

ヒロミの話ではやはりあのヤクザビルは本拠地でもなんでもなかった。あくまでフロントの一つという事だ。しかしそれでも本人は嬉しそうに「突破口が開けた」などと言っていたらしい。 つまり俺の予測は当たっていたらしい…。 それはそうとして、 一応はケジ…

112 2年B組キミ八先生 12

俺は瓦礫と中から顔を出した。 あの女は? つい今しがた2丁拳銃持って暴れてたあの女はどこへ行ったのだろうか。グラビティコントロールで瓦礫の山を一つ一つどけて行く。 すると中からマユナとヒロミが出てきた。 「なんだ今のは…地震か?空が落ちてきたか…

112 2年B組キミ八先生 11

惨状を前にして恐れ慄き、柱の後ろに逃げるチンピラを柱ごと斬る俺。逃げようが隠れようが容赦はしない。ヤクザなら一度凄んだら死ぬまで引き下がるべきじゃない…!! しかしそれにしても、支柱の一つを失ってもまだこの地下室は崩れないな。そんな中で、つ…

112 2年B組キミ八先生 10

ヒロミとマユナは「マジキチ・コンビ」の名に恥じないマジキチっぷりで手加減無用でヤクザどもの額に穴を開けていった。 「俺は向こう側、マユナはそっちを頼む!キミカちゃんとマコっちゃんは大暴れして連中の注意を引いてくれ」 一人で大丈夫なのか? 廊下…

112 2年B組キミ八先生 9

俺も生徒達も1階へと降りて校舎横のアスファルトに叩きつけられたその死体の周囲にある人集りの一部になった。 2年の学年主任のババア、市原の死体の周りに集まる人々は口々に「飛び降り自殺だ」と言った。誰がそれを言い始めたのかはわからないが、学校の屋…

112 2年B組キミ八先生 8

ヒロミの話だとそろそろ本体が掴めそうだ、との事だった。 麻薬を売っていたあの3年の不良が言っていたように、確かに岐山高校の学年主任は麻薬の売買に関わっている。が、そのバックには暴力団が関与しているとのこと。ここからはスピードの勝負で、それな…

112 2年B組キミ八先生 7

今日は以前とは違う喫茶店でマトリのコンビと話をすることになった。場所を適度に変えるのも麻薬組織にマーキングされないようにする為のテクニックだとか…それにしても…。 ナクドナルドはないのではないか、ナクドナルドは。 確かに俺はスタバを基準として…

112 2年B組キミ八先生 6

教室の教壇のちょうど前、一番先頭の席に座っている男子生徒は携帯ゲーム機を常日頃からプレイしており、ハチャメチャなクラスの不良共の雰囲気と違って根暗な空気を醸し出していた。 その男子生徒が言うには以前、とある3年の男子生徒(含むその手下)が羽…

112 2年B組キミ八先生 5

とっととこの仕事を終わらせたい俺のとった行動は持ち物検査をすることだった。麻薬の売人なら麻薬を持っているはずだからだ。 以前、ソンヒのパンツを調べた時には中に麻薬が入っていた。それ以後ソンヒは「岐山の勝新」と呼ばれたかどうかは定かではない。…

112 2年B組キミ八先生 4

はぁ…今日は鬱だ。 あのクソ不良どもに今度は俺が教育しなきゃいけない。本当は麻薬の売人の調査をするわけなんだけど、一応は教師としてやらなきゃいけない最低限度の事はしなきゃなぁ。面倒くさいなぁ。なんでまだ学生の俺が学校の先生で不良達の面倒をみ…

112 2年B組キミ八先生 3

翌日、俺とマコトはマトリのヒロミとマユナに合流して喫茶店で話をすることとなった。っていうか突然の呼び出しだった。 「捜査のほうは進展はあったの?」 という俺の問に、 「んー、今のところは特に。なかなか尻尾は出さないなぁ…前に担当だった奴はなか…

112 2年B組キミ八先生 2

そうこうして1日目が終わった。 変なアイデアのかいもあってか担当するクラスメート達は最初の時よりはマコトを先生として認めているようだった。 ただ、本来の目的である『麻薬の売人が誰なのか』についての調査はまったく出来ていない。 これをマトリのヒ…

112 2年B組キミ八先生 1

無法地帯であるこの学校では無許可で生徒が授業中に外へと出ても文句は言われそうにはないが、それを担任が先導しているとなるとまた別の問題が湧いてきそうではある。 今、担任のマコト先生と副担任のキミカ先生(俺)はぞろぞろと不良達を引き連れて校舎か…

111 マトリのガイキチコンビ 5

「てっちゃん」と呼ばれた奴は火傷を負った手でマコト先生の襟首を掴んで持ち上げた。 マコトは俺よりも背は高いものの男子高校生の平均に比べたらはるかに小さい。そんな女の子を片手で持ち上げるなんてのは育ち盛りの男子高校生ならセックスの最中じゃなく…

111 マトリのガイキチコンビ 4

「お二人には2年B組を担当していただきます」 やっと口を開いたと思ったらその一言の後、黙った。 「えっと、どういう生徒がいるんでしょうか?」 マコトが質問する。 「まぁ、普通に高校生ですね」 そりゃそうだろうよ!岐山『高校』なんだから大学生やら小…

111 マトリのガイキチコンビ 3

俺とマコトはスーツに身を包んでタクシーで移動中だった。 こうなった経緯を俺の回想の中で説明しよう。 厚生労働省・麻薬取締部、通称マトリの捜査官であるヒロミ(男)とマユナ(女)は俺に岐山高校へ「教師」として侵入して麻薬売買を行なっている元締め…