2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧
「この辺りかな」 aiPhoneの地図機能で検索する限りはオカ研会長ことケンジの家はこの辺りってことになる。周囲には工場地帯が広がっていて出稼ぎ労働者用の住居が沢山並んでいる中にあるマンションの一室、それがケンジの家だ。 もうそろそろ夕暮れ時なのに…
放課後に部室へと向かう俺とキリカ。 話題については勿論のことだが、例のナタを持った『誰か』である。決して農作業を終えて返ってきたおじいさんじゃない。何故なら生首を持っていたからだ。 あの時、道路へと逃げるように俺達は向かったが誰一人として出…
「一体何をやってたんですかォォ!!!」 と白板を叩きながら怒鳴るのはケイスケだ。 翌日の朝の会は担任のケイスケの怒鳴り声で始まった。 クラスメートの1人が答える。 「だって、オカ研の会長がァ…」 「オカケン?岡本太郎研究会?」 「違うって。オカル…
7つの家の手前にはもともとラブホテルがあった。 そのラブホテルは今でこそ企業の産業廃棄物の一時的な廃棄場所になっているわけだが、表向きの造りは寂れた田舎の市境にあるようなモーテルのソレだった。キリカはそれを見て「雰囲気を味わいたい」などと言…
クラスメートの面々を後ろにしてキリカは疲れた顔をしている。 「なんで連れてきたんだよォ!!」 と俺はキリカに言うと、 「尾行(つけら)れていた」 と悔しそうな顔で言う。 尾行してきたのはナノカを始めとしてオカルトに興味がありそうなクラスの女子と…
週末の日曜日、島田駅前で待ち合わせ。 駅前は小さなロータリーを時々家族連れのワゴンが周回し、乗り降りを繰り返したりバスが顔を覗かせるぐらいで殆ど人はいない。海水浴場として有名な虹ヶ浜がある光駅とは随分と対称的に田舎の場所である…けれども、田…
放課後には真っ直ぐに家に帰るのが俺の帰宅部部員としての日課だったが、その日はキリカが俺にスタバに寄って帰らないかと『誘ってくる』ので、俺は男としてそれを断れるわけもなく同席した。 店内の一番奥のテーブル席に飲み物を持って座る俺とキリカ。 「…
あの後、警察は来るは救急車は来るはレスキュー隊(消防車)は来るわの大騒ぎになって、その騒ぎに乗じて俺達はその場から逃げ出したのだ。 あの状態で助かるはずがない…そして心霊スポット巡りをした翌日の月曜日、新聞欄を見ているのはキリカだ。 教室で俺…
工事関係者によって雑草を取り除かれた道を歩く。 そこはかつて家があり、門があり、玄関までの石畳があり、そして玄関があった。今は石畳を邪魔と避けるように雑草や苔が埋め尽くされて、わずかにその証拠が残るのみだ。 カビ臭い匂いが立ち込めている廊下…
山口市駅から光市駅、そしてそれを通りすぎて岩田駅へ到着する。 特に観光スポットがあるわけでもないのに心霊スポットまで行くのに何ら交通的な不便を感じさせないのは入念な下調べをオカ研の会長がやっているからだ。 住んでる場所が首都認定されてるから…
遥か昔から山口大学前には学生達が消費をするということで人が集まり、巨大なショッピング街が出来上がっていった。 オープンテラスメインの喫茶店のテーブル席を陣取って軽い昼食を取る俺達。一番年上のイサゴが奢ってくれた。 俺が注文したのはパサパサし…
「ん〜…やっぱり映らないなぁ」 ケンジはやめとけばいいのに何度も何度もシャッターを切る。 「やめときなよ、取り憑かれるよ」 と俺は言う。 「キリカ君に見えているんだ、僕も同じものが見たいし、キミカ君も見たいだろう?」などと聞いてくる。 「見たい…
次に向かったのは山口市の県庁隣の道から山奥へとあがる道路の先にある『21世紀の森』というアミューズメントパークだった。 その途中に俺は先程の電話ボックスでの体験談をキリカとケンジの二人に話していた。この3人の中では俺は一番オカルトを信じてない…
お昼の県道沿い電話ボックス、そこに俺は居た。 本来なら、電話ボックスに入れば、当然ながら扉は締り、周囲の音や空気の流れを遮って閉塞された空間となる。それが俺にとっては何故か恐怖だった。少なくともこの場所では…だから俺はケンジのバッグを借りて…
山口市ではなく防府市駅で待ち合わせ。 俺達が住んでいる街に引き続いて人口が増えビルが立ちながらぶ場所…しかし、元々は天満宮などのある歴史情緒溢れる街なので街の至る所には都会化を免れた路地やら店の名残が多くある。 俺とキリカが市駅を降りると待ち…
旧校舎の一番奥の部屋、そこがオカ研こと『オカルト研究会』部室だった。 ただでさえ陰鬱な雰囲気の旧校舎で一番奥の部屋、そこは開かずの間のように、中に収まりきれないカオスが部屋の外へと零れて都市伝説として勝手に一人歩きしたあげくにテレビでも放送…
「オカケン?!」 俺は昨日は深夜…と言っても早朝まで面白くてたまらなかったjavaプログラミング言語で遊んでいたので眠気まなこで白目を剥きながらそう言った。 話しかけてきたのは俺の眼の前にいる眼帯美少女『キリカ』 「そう、オカケン…岡本太郎研究会」…
帰宅後。 俺は発狂した。 文字通り発狂した。 白ネコヤマトの車がケイスケの家の前に停まっていたからだ。これを見て発狂せずに何を見て発狂するのだろうかというぐらいである。…つまり俺がさきほど購入したMap Book AirとMap Proが家に届いたのだ。多分。 …
ったく、警察は何してんだよォ? 俺は空高くに飛び上がったまま、強盗団の姿を探していた。 見つけた。 警察を…。 パトカーが渋滞にハマってる。 違法駐車している車が沢山いて渋滞が発生しているのだ。パトは進めないからとドロイドを展開してその蜘蛛型の…
モールを出てからその側にあるバス停に行くところ。 突然の警報が鳴り響いた。 モールと道路を挟んで向かい側にある店…宝石店のように見える…そこから火事が起きた時のあの警報が鳴っているのだ。そして数名の覆面姿の男達がバッグを抱えて逃げている。 「ご…
モールのご休憩エリアのような場所でソファにぐったりと寝転がっているデブ(ケイスケ)を横に俺はスムージーヨーグルト・マロンマロンを飲んでいた。 よくよく考えてみると俺は男だった頃は喫茶店なんてのは恥ずかしくて滅多に入ることすらできなかった。 …
それから服を購入した。 と、言っても選んだのはケイスケだ。 服のセンスには定評があるケイスケ、俺が選んだとしてもジャージの上下ぐらいしか選ばないし、実際にジャージの上下でえぇやんって言った際には、ケイスケの巨大な手で、140センチの身長しか無い…
平日の開店前モールは人はそれほどいない。 休日なら待ち行列がわずかにあるし、イベントでも行われようものならモール前には大行列が出来る。 到着してから数分で開店時刻となった。 出迎えるのはアンドロイドの店員。 もう少し、例えばMappleストアみたい…
翌日。 何曜日なのかも感覚がない。 あの事故が起きたのが昨日で今日はその次の日、で、その際に俺は男から女へと性別が変わってヒーローっぽいものに変身することも出来るようになってしまった。まだそれらの特別イベントは続行しているようにも思える。 し…
「まず、キメ台詞がないにゃん!!」 ケイスケ(デブ)はビシッと俺を指差してからそう叫んだ。 ホワイトボードには汚らしい字で『キメ台詞』と書いている。 「キメ台詞ゥ?!」 何がキメ台詞だよ、テレビの観過ぎだっつゥの! 「そう!キメ台詞!」 「だい…
デブが作る食事っていうのを想像するとどうしてもチャンコナベしか想像できない。それなりに美味しくて、やたらと量が多く、それでいて値段もそれほど高いわけでもない炭水化物と肉の塊…。 この前テレビでやってたけど普通パスタって鍋で作るときには1家族分…
ケイスケの家に到着。 ボロい軽自動車は到着と共にプスンプスンと音を立ててエンジンを着る前に自らが停止した。最近の車は非常に高性能である。 さっき車の中でも話をしたんだけれども、俺はケイスケの家に住む事になった。 自宅に帰ろうとも思ったけど、今…
最初の俺の戦いは俺の勝利で終わった。 もし俺の負けで終わる戦いがあれば、それはきっと俺が死ぬ事を意味してるのだろう…それもヒーローの宿命なのか…なんちって、嘘だよーん。自分が死ぬ可能性がある戦いになんてわざわざ出向かない!それが素人ヒーローォ…
「泣いても許してやんねぇぞぉぉこらぁぁぁぁぁ!!!」 俺は叫んだ。 フルパワーで俺の超能力をアスファルトに流し込む。 さっき土のうと塹壕を作ったレベルとか非ではないぐらいの力を叩きこむ。 すると、メキメキ・ミシミシと音を立ててアスファルトが変…
『だ、大丈夫ですかぉ?』 『大丈夫なわけねーだろ!』 開口一番に俺が言ったセリフはこれ。 クソッタレが!勝てるわけねぇだろうが! 『一応、ある程度の攻撃ならバリアが展開されて防げますにぃ。ただし再びバリアが展開されるようになるにはインターバル…