2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

133 たからのちず 2

次の日の朝。 aiOSのバージョンアップ後に迎えた朝。 日曜日の朝だったが憂鬱だった。 昨日からマスコミ関係者が『パチンコガンダム駅』ネタで俺の家の周りをうろついているらしいのだ。Mapple系の雑誌やマスコミなら別にかまわないのだけれど、たいていうろ…

133 たからのちず 1

つい先日、俺にとって、いや、Mappleにとっての悲報があった。 Mappleに内蔵されているOSであるaiOS最新版にアップデートしたのだ。それだけ見れば別に何ら悲報要素は無く、おめでたいニュースであるし、俺もMappleが進化することに疑問は何も持っていない。…

132 孤高のヒーロー 12

俺の意見を聞いて、スカーレットは決して笑いも困りもしなかった。 あれだけ俺をぼっちだと罵ってたくせに。 でも、あれは本気じゃなかったんだろう。スカーレットの持つ『平凡』のテンプレートから逸脱している俺を避難するのには『ぼっち』が一番有用な攻…

132 孤高のヒーロー 11

スカーレットと中国人強盗団による最後の襲撃。 それは土砂降りの雨の中だった。 俺が姿を表すとさっそうと中国人強盗団どもは散り散りになって逃げた。 そいつらが目的ではない俺はスカーレットの姿を探した。すると、ビルの上から散り散りに逃げ惑う部下の…

132 孤高のヒーロー 10

スカーレットを倒すのにブレードも弾丸もいらない。 拳があればそれでいい。 今までスカーレットに受けたストレスを全て拳に変換して叩き込んでやる!! 俺がぼっちだと?! 俺はいつも孤独で戦ってるだと?! だからなんだ!それでお前が俺よりも強くなれる…

132 孤高のヒーロー 9

今回の襲撃ポイントは博多。 九州・山口銀行の本店の前だ。 しかし度重なる襲撃に備えて銀行側も警備を厳しくしているらしく、シャッターは簡単には開かないようになっている。シャッターの側には開けようと試みた形跡(弾痕や爆発痕)があるからそれがよく…

132 孤高のヒーロー 8

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」 そう叫び声をあげたのはマコトだった。 マコトはテレビを見ながらモニターをガシっと掴むと今にも壊しそうな勢いでガタガタ震わせていたのだ。 「マコトォ、見えないよ…」 「キミカちゃんはコイツの顔は見なくていいよォ…(白目…

132 孤高のヒーロー 7

このMなんとかという男。 ドロイドバスターでしかもスカーレットの手先だとゥ? だったら俺の敵以外の何者でもないじゃないか!! 「がるるるるるるるるるるるるるるるるる…」 俺は威嚇のために唸り声をあげた。 スカーレットはビルの上からジャンプして、地…

132 孤高のヒーロー 6

関門海峡を超えたあたりで電脳通信に着信がある。 『キミカちゃん、今どのあたり?』 『日本と修羅の国の境界線あたり』 『小倉駅に向かって』 またかよ。 『小倉ァ?もう壊すものがないんじゃないの?』 『あなたは壊しに行ってるの?悪者をとっちめに行っ…

132 孤高のヒーロー 5

昼過ぎにコーネリアが学校へと戻ってきた。 戻ってくるなり俺のもとへと近寄ってきて、俺は何が起きるのか察知して机から立ち上がって逃げる。そしてそれを追うコーネリア。 授業中の教室で2人鬼ごっこが始まる。 コーネリアが「Fuuuuuccccckkk!!!」と叫…

132 孤高のヒーロー 4

翌日。 学校で朝のホームルームが終わったぐらいの時間。 突然コーネリアが俺の席にやってきて「ドウイウ事ナンデスカァ!!」と言いながら俺の席をグラビティコントロールでガタガタと揺らし始めたのだ。手を触れずに机が揺れる様はまさにポルターガイスト…

132 孤高のヒーロー 3

ハリーは顎を触って思案した後、 「既にネットに出回っている写真ではダメだろうな。非公開の警察や軍が撮影した写真なら『他で見た』を避けれるのではないか」 「そんな画像が保存されてるフォルダはアクセスする以前にハッキングしなきゃいけないにゃん!…

132 孤高のヒーロー 2

一旦は会議は解散。 司令室に残ったのは主要メンバーであるマダオ、ケイスケ、ミサトさん、ハリー、そして俺の5人。それらがホログラムディスプレイに表示されている2chのスレッドを見ているという違和感を覚える光景。 「とりあえずスレッドを立てますにぃ…

132 孤高のヒーロー 1

ここ数日、頻繁にスカーレットは銀行を襲撃していた。 主に九州の銀行だったが、その魔の手は南首都(博多)から遠く離れた鹿児島にも、そして時として関門海峡を渡って山口にも及んだ。 軍は対応を追われた。 通常の強盗団であれば警察が出動すれば済む話だ…

131 スカーレット星人 4

『キミカ君…大丈夫かね…凄まじい爆発があったようだが…』 俺の電脳通信にはマダオの声がする。 『大丈夫…じゃない…よォ…』 『敵の新兵器か?』 『味方の…新…兵器…』 瓦礫をなんとかグラビティコントロールでどける。 俺の目の前には黒い玉の周囲に集まるバカ…

131 スカーレット星人 3

くっそぉ…。 コーネリアもメイリンもマコトも何やってんだよ! 俺が攻撃受けてるのに点数稼ぎに必死なのかぁ?! 「オラオラオラオラオラオラオラ!!!」 心眼道の受け流しによる力点ずらしでスカーレットの攻撃エネルギーを横へずらしているものの、それで…

131 スカーレット星人 2

黒い玉のメッセージの後、俺達の目の前でさっきまでマンションだかアパートの一室だった部屋の壁が燃えて消え去っていく。 なんという特殊効果だ。 ゲームにしたら滅茶苦茶カッコいいだろうな、なんて思っていると壁の向こうの景色が…静まり返った街が現れた…

131 スカーレット星人 1

俺達は黒い玉の前で「財布がない」「財布がない」と大騒ぎをしていた。この部屋に来るまではあったのに。 「ドウイウコトデスカァ!!」 そう叫んでコーネリアはケータイを取り出してどこかへ電話いている。英語でペラペラ話すので何を言ってるのかはよくわ…

130 新しい朝がきた。希望の朝が 7

キサラの作戦はこうだった。 「あんた、メイリンとコーネリアとマコト3人で下校しなさい。ま、そこにソンヒが居ればなおGoodだけど、そのあたりはなんとかなると思うわ!で、そこで占い師さんがいるから話し掛けなさい」 そのとおりにした。 その日はマコト…

130 新しい朝がきた。希望の朝が 6

「というわけなんだよ〜」 と俺は今までの経緯をキサラに話していた。まるでドラえもんにのび太が話すかのように。 これまでの経緯として… 疲れて授業を途中で抜け出して部室でグーグーと寝ていたのだ。 するといつの間にかキサラとソラがやってきて、俺は、…

130 新しい朝が来た。希望の朝が 5

俺は言う。 「ふっふっふ…今日は2匹の狂犬を解き放ちに来たよ。スカーレット。あなたは今あたしに屈服するしか無いと本当は理解しているはずだよ?まだ抵抗する気なの?」 とドヤ顔で。 側で2匹の狂犬のうち1匹のソンヒは、 「ワンッ!」と吠え、もう1匹のメ…

130 新しい朝が来た。希望の朝が 4

スカーレットのラリアットは喰らい慣れている。 柔道で受け身を最初に教えるのと同様にラリアットを喰らいまくった俺はその受け身も完全に体得しているのであっさりと身体を斜め上にそらしてパワーそのものを逸らす。すると逸らされたパワーは俺の身体の斜め…

130 新しい朝が来た。希望の朝が 3

北九州の小倉。 駅上空。 ターミナルの2キロぐらい手前のトンネル付近で電車はストップ。そこから先はテロが発生しているため(法律上)進めない。 夜の綺羅びやかな繁華街にチカチカと花火が咲いたがそれがドロイドのプラズマディフレクターが作動している…

130 新しい朝が来た。希望の朝が 2

秋の夜長のプログラミングは実に筆(キーボード)が進む。 俺は自慢のMBAを広げて鈴虫の声を聞きながらプログラミングに勤しんでいた。最初はドヤリングに格好をつける為に始めたプログラミングだったけど、だんだんとのめり込んできた。 特にこのjavaという…

130 新しい朝が来た。希望の朝が 1

「どうしたのよ?最近、元気がないじゃないの?」 そう俺に聞いてきたのはユウカだった。 そう、最近、元気が無い。 俺もマコトも疲れているのだ。 しかし何故疲れているのかを思い出すとまた怒りで疲れてくるのであまり思い出したくはない。 「ん?…んん〜……

129 21グラム 3

「知りたいっていのは、その、スカートの中を知りたいとかそういうアレとか、その、スカートの中とかを知らせてくれるとかなの?」 「意味がわからない」 「ごめんなさい…」 慌てて俺は自分の質問を撤回しようと誤魔化したが冗談は通じないようだった。至っ…

129 21グラム 2

俺は生唾を飲み込んでいた。 それは女の子の部屋に招待されて今にもセックスをするような雰囲気になっていたからではない。何かとんでもない事実を知りそうな、そんなギリギリの境界線に立たされている事が肌でわかるからだ。 もし俺が『普通の人間』であっ…

129 21グラム 1

キリカの部屋には様々な中二病臭いものが陳列されている。 これからダンボールの中身をさらに解放するとのことだから、この空間はさらにこれからもっとカオスに満ちてくるわけか。 壁にはどっかの南米の部族のお面、日本の鬼の面、古代の人々の生活を描いた…

128 真・初デート 4

結局、ゲームセンターからの帰りも送って帰って欲しいとキリカにせがまれて俺は渋々彼女を家まで送ることにした。 市内のマンションに一人で住んでいるらしい。 まだ引っ越して間もないので部屋は散らかっているとのこと。って、俺を部屋に上げるところまで…

128 真・初デート 3

市内にあるゲームセンターはメイリンとコーネリアの3人で来た以来だなぁ。まさかこんなカタチで女の子と来ることになるとは。 ちなみに解説しておくとゲームセンターはテレビゲームやらが進化したものやらパチンコや賭博として行われていたブラック・ジャッ…