2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

106 愛なんてなかった 2

昼休み。 俺はキミカ親衛隊が作った騎馬に乗り1年のクラスがある廊下を闊歩した。周囲の一年達は何事かと目を白黒させながらキミカ親衛隊の騎馬をよけながら歩く。そうだ!どけどけ!俺様が通る…。 牛塚がいる教室の前で、 「姫!ここが奴がいるところです……

106 愛なんてなかった 1

結局、警察の狙撃が行われるわけでもなく、その日の夜は納得の行かないまま眠りについた。ちなみにさすがに不眠不休でケイスケの家の周囲にいるわけではなかったようで、朝になれば姿を消していた。 それでもバスの時間には目を赤く張らせた牛塚が待っていた…

105 S-Day 9

落ち着いているのは庭までだった。 「いるよォォォォォ!!!外にいるよォォォ!!!」 にぃぁの手綱を持ってにぃぁを引き摺りながら家に上がり込んだ。そして俺は叫んだ。力の続く限りひたすら叫んだ。 そして食事をしていたナツコ、マコト、ケイスケにこと…

105 S-Day 8

「ただいまにゃーん」 20時ぐらいにケイスケが帰ってきた。 俺はすかさずナツコとマコトにしたのと同じ質問をケイスケにする。 「ストーカーいなかった?」 「ストーカーァ?」 そうか、ケイスケはこの話は知らないんだった。 俺は嫌々ながらにもケータイ(a…

105 S-Day 7

放課後、帰宅部の練習の為、早々に下駄箱へと向かう。 それにしても…改めて考えてみるとあのストーカー女「牛塚」はずーっと前から俺の近くに居たのかもしれない。人は視界に入っているもので認識出来るものは限られてて、ちょうどエロゲの、立ち絵である2次…

105 S-Day 6

学食での一件のあと、カフェテリアを騒がせたストーカー女が消え去って俺は安心し、いつもの食後の歯磨きをしていた。 教室の前には手洗い場などが並んでいたりもしてトイレまで足を運ばずとも歯磨きなどはそこで出来るようになっている。ただトイレと違って…

105 S-Day 5

牛塚は他の生徒と違ってバイキング料理を運んできてはいない。 手に持っているのは自前のお弁当だろうか…。学食はタダなんだからそれを食べればいいのに、っていうか学食は『学食を食べる人しか来てはならない』ってルールがあるのに学食食べないで自前の弁…

105 S-Day 4

給食の時間。 アンダルシア学園食堂。 俺は周囲に特別な警戒を払いながら野菜ばかりのバイキング料理の行列の後ろへと並んだ。確かメイの話だと牛塚ってストーカーは俺が取った料理と同じものを選んで盛り付けも合わせるらしい。 しかしその姿は見えない。 …

105 S-Day 3

1時限目と2時限目は教室での授業だったので、牛塚らしき姿はどこにも見当たらなかった。教室に下級生が来たら目立つからなぁ、さすがにそれは出来ないらしい。メイが来た時も目立ってたし。 3時限目は水泳の授業で、もし仮に水泳以外の体育の授業でグラウン…

105 S-Day 2

メイに牛塚あけみの写真をもらった。 クラス写真の一つだ。 特に何か変なところはない、制服姿の同じアンダルシア学園のクラスメート達と何処かの公園で椿の木の前で並んで撮られた写真だ。これだけ見ればまさかこの女の子がストーカーだとは誰も思うまい。 …

105 S-Day 1

ある日の事、教室で授業と授業の合間の休み時間にユウカ、ナノカと寛いでいたところ、ユウカが教室の外へと目をやった。 「あら、メイ何してるのかしら」 メイ? 2年の教室に何をしに来たのかな? と廊下の方を見てみると、そこには禍々しい妖気を漂わせて俺…

104 母と子 4

「それで?あなたの目的は果たせたの?」と、俺とコーネリアに向かってイカサマ霊能者である高倉のオバちゃんは言った。 「Yes!」 そうコーネリアは言った。 確かにあの後、コーネリアは今までと違って「物質変換」の対象の構造を予めすべて把握しなくても…

104 母と子 3

何もない空間に向かって話すコーネリア。 「アナタノ子供ハドコニイルノデスカ?」 学校のバッグの中から授業用のノートをグラビティコントロールで取り出し、コーネリアはそれらを一つ一つ写真に物質変換していく。 その写真には2から3歳ぐらいの子供の写真…

104 母と子 2

コーネリアの口調はとてもゆっくりと、そして重々しかった。 一言一言を発するたびにその頃の記憶が蘇ってくるのだろうか、原稿をそのまま読むような感覚をなんとか厳守しようとした彼女だったが、人というものはそれほどに上手く出来てはいないものだ。彼女…

104 母と子 1

住職に言われた言葉をどう受け取ったのか俺にはわからなかったが、コーネリアはさっきからずっと黙り込んでいた。 マコトは幽霊が怖いからという理由で、メイリンは幽霊が馬鹿馬鹿しいからという理由でそれぞれが家に帰った。 俺も帰ろうとは思ったのだがソ…

103 魂の在り処 5

ソラがキサラとの話で紹介した「専門家」 意外にも地元の寺の住職だった。 住宅街の中に隠れるようにして存在している寺。 寺は車が1台通れるかどうかの細いアスファルトの道を進むと現れ、境内には粗末な石灯籠の風化したような痕跡が残る。6畳あるかないか…

103 魂の在り処 4

到着は俺達のほうが早かったようだ。 そしてセッティングも完了。 どうやら頭につける検査機器は「ヘッドギア」と呼ぶらしい。どこかで見たことあったと俺の記憶の中とのマッチング検索をかけていたんだがそういえば前にユウカの頭に幽霊的な何かがついた時…

103 魂の在り処 3

俺達はソラと一緒に島根まで移動する。 とある精神病院に運び込まれて現在は部屋で寝ているという話はキサラが聞いていた。しかし彼女はそれでも同伴まではしなかった。それほどに出会いたくない事情があるらしい…。 ちなみにケイスケにも同伴を頼んだらしい…

103 魂の在り処 2

放課後、全校放送で連絡があった。 普段なら特に注意して聞くわけでもない全校呼び出しだったが、あるキーワードが伝えられた事で、もしやと思わせたのだ。 「16:00時よりデブの皆様は旧校舎デブ部室へ集まってください」 デブ…? 放送を聴いていた他のクラ…

103 魂の在り処 1

インチキ霊能者高倉の信者達の集まりで色々とやらかした俺達だったが代理教祖(メイリン)とその配下の者(俺、コーネリア、マコト)が儲けた金はたいした額にはならなかった。 それでもメイリンは更衣室で巫女さんコスチュームから制服へと着替える時に儲け…

102 教祖誕生 7

グラビティコントロールによって宙に身体を浮かせるのは1回1500円。そのうち俺の取り分は500円だ。用意されたお布施用のザルには1000円札が2枚、500円玉が2枚入っていた。 会場の天井には穴が2つあいていた。 俺がグラビティコントロールによって天井に信者…

102 教祖誕生 6

今日は高倉のオバちゃんの身体の調子が悪いようで、その代わりとして教祖様を演じる事になった。 安っぽい台本が既に用意されており信者の前でそれを読むだけで1人当たり参加費用3000円で50人居るから15万円…え?マジで?台本通りに読めば15万円も貰えるの?…

102 教祖誕生 5

山口から島根に飛んで飛んで、出雲大社上空。 「凄いね!あの神社がその霊能者さんのいるところ?うわぁ!観光客でいっぱいだ!!やっぱり霊能力があるからみんなお祓いに来てるのかな?!うわぁぁぁっ!!!凄い!出雲ソバの店もあるね!」 「そっちは出雲…

102 教祖誕生 4

翌日。 の、放課後。 教室にて。 「HeHeHeHe…」 ニヤニヤとしながらコーネリアは、 「Hey、キミカ。今日モ行キマショウ」 と言っている。 あの高倉って人のところにか? 行くのはいいけどドロイドバスターに変身してから空の散歩をしてようやく辿り着くんだ…

102 教祖誕生 3

一仕事終えてからご満悦な表情の高倉。 ご満悦って何にご満悦かっていうと、そりゃ2束積み上げられてるおそらく合計200万円ぐらいの札束が目の前にあるからだ。 「で?私に何を教えてもらいたいの?なんだか柏田さんところのご紹介だかなんだか知らないけど…

102 教祖誕生 2

何故か俺はコーネリアと共に、霊媒師である『高倉玲子(たかくら・れいこ)』という女性に会うことになった。 キサラの言葉が俺に言ったことを要約せずに言えば、 「んじゃキミカ!部員1号として初任務よ!(任務ってなんだよ…っていうか、いつから部員にな…

102 教祖誕生 1

ソラは先程のまとめに続いて、言う。 「俺にはカルマそのものがどういうものなのかは分からないが、カルマ云々という難しい言葉を使わなくても別に言い方はある。おそらくは生まれてきて色々な経験を得るうちに自分がどういう属性になるのかを人それぞれ選択…

101 アカーシャクロニクル・ライブラリ 4

「AkashaChronicleLibrary?」 コーネリアの頭にはハテナマークが出ている。 「アカシック・レコードノ事デスカァ?」 「そうとも言うわね…。人類の、いえ、全ての生命の英知が集結しているものだと言われているわ。『アカーシャクロニクル』の全貌はあたし…

101 アカーシャクロニクル・ライブラリ 3

そういえばさっきから様子がおかしかったんだ。コーネリアの。 突然だがコーネリアは地面に頭をつけた。そのまま後頭部を床につけて空高くにケツをあげた。当然ながらスカートはめくりあがりパンティが丸見えになった。とても恥ずかしい格好である。俺はこの…

101 アカーシャクロニクル・ライブラリ 2

放課後。 俺は帰宅部の大会を控えているため、大急ぎで練習(帰宅)をしようとしていた。最後の授業終了まであと1分…よし、もうすぐチャイムが鳴る、5秒、4秒、3、2、 「はーい!部活よ!部活の時間よ!」 な、なんだ…と? バーンと教室の扉を開けてキサラが…