105 S-Day 3

1時限目と2時限目は教室での授業だったので、牛塚らしき姿はどこにも見当たらなかった。教室に下級生が来たら目立つからなぁ、さすがにそれは出来ないらしい。メイが来た時も目立ってたし。
3時限目は水泳の授業で、もし仮に水泳以外の体育の授業でグラウンドだとしたら牛塚が教室から見ている、という可能性があったが、水泳の授業だとそれは多分ないだろう。教室を抜けだして温水プールの建屋まで移動しなきゃいけないからな。後はプールが広いので合同で授業する可能性があるだけで…。
「って合同で授業するのォ?!」
俺は水着に着替えた後、プールサイドに向かった時に反対側に集まっている1年の生徒を見てそう驚かざる得なかった。
「なに?なんなのよ?あぁ、ストーカーにストーキングされてるんだっけ(ニヤニヤ)本当に人気者は辛いわねぇ!」
とペシッと俺の腕を叩くユウカ。
こいつ、ヒトゴトだと思って…。
俺はこの距離なら目が会うことはないだろうと過信してしまい、ついついストーキング女が俺のほうを見ているかどうか、1年の女子が体育座りで先生の説明を聞いているところを眺めた。じつに素晴らしいエロい女子高生のスク水姿が目に入っ…。
「ひッ」
思わず俺は目を逸らした。
目が会ってしまった…。
いたよ、いたよ!!先生の話なんて全然聞かずに俺のほうをジッと見つめている女が!牛塚以外の何者でもなかった。しかし、そんな牛塚を鬼の形相で睨んでいる女もいる。あれは…メイだな。
「で?その牛塚って子はどこにいるのよ?」
とニヤニヤしながらユウカが聞いてくる。
おい、やめろ…。
やめろ!!
それは遥か遠くから見てたら「それで?キミカが胸をトキメカせてる1年の可愛い女の子ってどこにいるのォ?」に勘違いされるから!俺は胸をトキメカせてないから!!!
「あーもう、うるさい、じゃま。胸がデカすぎ」
「ちょっ、なんで胸の話になるのよ?!」
「美乳じゃないから男にはうんざりされるタイプの胸だよ」
「だから胸の話はしてないっツゥの!!」
「えい!」
俺は右手、左手の人差し指をそれぞれユウカのおっぱいの下乳に押し付けてそのまま押し上げてさしあげた。
「ちょっ!!何すんのよバカ!」
とにかくうるさいビッチユウカとの会話はこれで回避。
「キミカちゃん!!」
また暑いのが来た…。
「ボクがキミカちゃんを全力で守るから!奴がプールの授業中にキミカちゃんに性的な暴力を振るおうものならボクのエントロピーコントロールでプールの水を蒸発させて、」
「あ〜うん…」
「と、とにかく、ボクの側を離れないでね!」
そう言ってマコトは俺の腰に手を回してぴったりとくっついて、
「(ゴクリ…)」
と生唾を飲み込む音を立たせた。
いや、だから、これもマズイってば…奴が…あのストーキング野郎が変な嫉妬心を燃やしたらどうするんだよ!!!俺はヤバくないけどマコトがターゲットにされるかもしれない!
うわ、さっそく睨まれてる…マコト、あのストーキング野郎に睨まれて、なおかつメイにも睨まれてるよ!!!
「マコト、離れたほうがいいよ…ヤバイって、」
「え、そんなことないよ…あ、キミカちゃんの肌がちょっと汗ばんで」
「ヤバイってば!睨まれてる睨まれてる!!」
そうこうしてるうちに授業は始まり、まずは自由に25メートルプールを泳ぐ事になったのだ。ちなみに25メートルプールの半分を1年、2年の俺達はもう半分を使う事になる。
俺はとにかく1年に近い方のコースは使わず、一番離れたコースを使って平泳ぎや背泳ぎを楽しんでいた。
綺麗にターンなんぞをして50メートル泳ぎなどをキメてみようと思った時、何かが手に引っかかったのだ。
「あら、帽子が」
水泳で頭にかぶるアレだった。
「誰か帽子を落としt」
と俺は誰が落とした帽子なのか名札の部分を見ようとした時、固まってしまった。1年…牛づ…うわぁぁぁぁぁぁ!!!
「ひッ!」
思わず帽子を手放す俺。
「キミカ先輩!あ、あの、それあたしの帽子です」
なんでコイツが2年のコースで泳いでんねん!!こっち端っこだぞおい!お前らが泳いでるところから一番離れたところだぞ!!
「泳いでるうちにこっちまで来ちゃったみたい」
はい、ウソですねー。
「帽子拾ってくださったんですね!先輩!ありがとう!」
拾ってから驚いて投げ捨てたけどね。
牛塚はその投げ捨てられた帽子を特に気にするわけでもなく手にとって、しかもなぜかぎゅっと握っている、目をぎらつかせながら。
その時だ、
俺の水着の脇のところから思いっきり冷たい手が入ってきておっぱいを後ろからダイレクトにガシっと握ってくる奴がいる。
思わず身体をビクつかせる俺。
「ぷはぁッ!あら、キミカお姉様ではありませんの?!」
あら、じゃないよ!!お前もなんでこんなところまで泳いできてるんだよ!どんだけ方向間違ってるんだよ!!っていうか今思いっきりコースに対して垂直に泳いできただろう!!あと話ながら俺のおっぱいで谷間つくって遊んだりするのヤメテ!!!
「こっち、1年のコースじゃないんだけど…」
と俺はジト目でメイを睨む。
「あら、そうでしたわ!でも1年のコースじゃないところに、どうして1年の牛塚さんがいらっしゃるのかしらねぇ…(ジト目」
「あたしはキミカ先輩に帽子を拾って貰ったんです」
とプイッとメイから視線を外して牛塚ははさっさとプールサイドへと上がっていった。その間もずっとメイは俺のおっぱいを揉み続け、しまいには俺の肩のほうから顔を出したかと思うと牛塚に向かって「ベーッ!」と舌を出して敵対の合図。
「メイ!あの牛塚ってストーカー(小声)なんで2年のコースにいるんだよ!!こっちに帽子投げてきたの?!」
「牛塚さん…1年と2年の境目のコースのところをずっと泳いでいましたわ!!それでわざと帽子をそこで脱ぎ捨てて、水の微妙な流れで2年のコースまで帽子が侵入したのを確認してから、今度は自分が2年のコースに侵入していったのですわ!狡猾な奴!!」
「そこまでして2年のコースで泳ぎたい何かが…」
「ンもう!おねぇさま!おふざけしてる場合ではありませんの!どんどん近づいていってる気がしますわ!ストーカーの本能でそろそろ本格的に仕掛けないと駄目だって気付いたんですわ!きっと!」
と言ってる間もメイは俺のおっぱいを揉み続けた。
「あぁぁ!!!」
「ど、どしたの?」
「いま…牛塚が…お姉様に拾ってもらった帽子…お姉様の手が触れた部分をペロって舐めましたわ…」
「またまたごじょうだんを」
「本当ですの!!見ましたの!!」
「ナメた真似を」
「ンもう!おねぇさま冗談を言ってる場合じゃありませんの!こうなったら対抗してわたくしはおねぇ様のおっぱいを舐めますわ!」
「おいおいおい…」
しかし、それにしてもどんどん狂気の度合いが増していくような気がしてる。あの牛塚って女…。
メイは普段からこんな感じだから気にはならないけど。と、俺は後ろから抱きつくメイが俺の肩にチュチュチュチュとキスをしてくるのを我慢しながら物思いにふけっていた。