2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

44 メモリー・パッチ 5

「ふぅ…。と、とりあえず、キミカちゃんの全ての記憶を抽出完了ですぉ…」 ケイスケはぐったりしている。 俺は全然幽霊を見てないのに、何が映ってたのか気になるのに、モニターが見れない。モニターを見たクラスメート達とケイスケは「幽霊?あぁもういいよ…

44 メモリー・パッチ 4

今度は俺が手術台みたいな椅子に寝かされて頭にヘッドギアを装着させられる。そしてケイスケや他のクラスメートたちはモニターのほうを見ている。 「ビッチさん達と一緒にパーティをしたのはいつごろですかにぃ?」 「昨日の夜頃かなぁ?」 「では昨日の夜頃…

44 メモリー・パッチ 3

俺は昨日に引き続いて警察を呼ぶハメになった。 廃病院の周囲にはまた警察の車両が並ぶことになり、そして地下室に警察が本格的に調査をするために足を踏み入れる事になった。光学スキャンだけではなく実際にライトアップされたその部屋を俺は見る事になった…

44 メモリー・パッチ 2

廃病院の地下。 瀬戸内海へ飛び出る半島に作られた断崖絶壁にある廃病院の地下はどこからか海に通じる小さな穴でもあるのだろうか、磯の香りがそこら中に漂っている。ここが作られた当時はそうでもなかったのだろう。階段を降りた先には元々は白だったと思わ…

44 メモリー・パッチ 1

事は急を要する。 というわけで俺はドロイドバスターへと変身して廃病院へと向った。ところで何故廃病院かって?それは最初に俺達が廃病院へ行ったとき、そこで複数の人間が自殺していたからだ。彼らはナノカとナツコが道順を知っていて無意識に向かうところ…

43 ミッシング・ニューラルリンク 8

それにしても一つだけ疑問がある。 俺だ。 廃病院に行ったのに、どうして俺には何も起きてない? 「あたしも廃病院に行ったんだけど何も起きてないのは何故?」 と、疑問をぶつけてみる。 『それはキミカちゃんが人間ではなく、改造人間だからですぉ!』と俺…

43 ミッシング・ニューラルリンク 7

俺は昨日の経緯を話した。 ユウカ、ナノカ、メイ、そえから俺、ナツコの5人でパーティをして余興で心霊スポットに向ったこと。そこで死体を見つけてしまった事。などなど。俺も俺で普通に話せばいいものをどうせなら楽しんで貰おうと思って稲川淳二ばりに驚…

43 ミッシング・ニューラルリンク 6

担任のケイスケとクラスメート達でぞろぞろと向かった先は市内にある病院だ。看板には「西本医院」と書かれてあるだけで、そこが個人の病院だという事だけは分かるが、そもそもどういう病気が専門だとかがどこにも表記が無い。 相変わらずそわそわと周囲を見…

43 ミッシング・ニューラルリンク 5

「先生、菅原さんどうしちゃったの?」 不安そうにクラスメートの一人が聞く。 ケイスケは、「チミには高校の担任である僕チンが医者か何かにでも見えるのですかぉ?」とかドヤ顔で言ってる。それに対して「チッ…」と普段のような反応を見えるクラスメートの…

43 ミッシング・ニューラルリンク 4

結局、登校中に俺がナツコに話し掛けるも全部無視された。 無視っていうより、聞こえてないっていうのが正しいのかもしれない。 ナツコはボサボサの黒い髪を前にも後ろにも垂らしててその状態で前は見えないはずなのに、ちゃんと歩いている。 俺は途中で障害…

43 ミッシング・ニューラルリンク 3

翌朝。 俺がケイスケの作った朝食をもぐもぐと食べていると、気配がする。 その時一瞬テレビにノイズが入りニュースが途切れる。 「ぐぬぬ…このクソボロテレビですぉ!!うきー!」 ケイスケが短い足をテレビに向けて蹴ろうとするもギリギリで届かない。 「…

43 ミッシング・ニューラルリンク 2

俺とナツコはケイスケの運転する小さな車で、後部座席にナツコ、助手席に俺が座って家まで送って行ってもらった。 いつもは安全運転のケイスケだが、その日は深夜にアニメがあるからと猛スピードで家に直行していった。それから「落ち着いてアニメを見ようと…

43 ミッシング・ニューラルリンク 1

結局あの後は色々と大変な事になった。 日々、軍や警察の人と一緒に事件を解決したり、テロリストやら犯罪者と戦っている俺の中では大変ではなかったけど、今回は非番の中でそういう事が起きたからとにかく面倒臭いのなんのって。 あの診察室の中で誰かが首…

42 音無・春の余興祭り 5

「この先が診察室ですわ」 ナツコの案内した部屋の前には12診察室と書かれてある札がある。 「ん…」 と、先を歩いていたナツコは部屋の前で手で口を塞ぐ。 そしてゆっくりと後ずさる。 何があったのかとみんなナツコのほうへと意識を集中させる。後ずさるナ…

42 音無・春の余興祭り 4

廊下にぽつぽつと明かりが複数現れる。 それが俺達の照らす電灯の光だった。 潮風が入ってくるからか、どこも磯の独特の香りがしている。そして時々、カサカサとカニなのかフナムシなのかわからない何かが動いている。最初こそそういう小さな動くものに毎回…

42 音無・春の余興祭り 3

病院の入口には草木が生い茂っていた。 雑草というレベルではなく既に立派に木になっているものもある。心霊スポットではとても有名な場所である筈なのに人が踏み入った形跡が殆ど見られない。そして風は草木を擦り合わせてさらに存在を誇張する。まるでそれ…

42 音無・春の余興祭り 2

ナツコが案内した心霊スポット、そこは瀬戸内海の沿岸にあるとある港から少し離れた場所にある建物だった。 生まれてからずっとそこにあった建物というのは背景に馴染んでしまっていつのまにかそれが何なのかという疑問すらも持たなくなってしまう。ちょうど…

42 音無・春の余興祭り 1

ゴールデンウィークも終わる頃。 どこへ行っても人、人、人という状況に飽き飽きしたし、ケイスケもナツコも持病のパニック症候群が発病してしまうからという理由で人混みが多いところへは足を運ばないようにしてるらしく、俺はずーっと家で過ごしていた。 …

41 妄想の証明 6

夕暮れ時だった。 春の夕方の涼し気な風が戦車の上にいる俺と武井にも吹いてくる。 警察の車両なども博物館の周囲に集まりはじめた。 「事件は解決?」 俺はそう聞いてみる。 武井は俯いたままだった。 「何がしたかったんだろう…」 そしてそう、ぽつりと呟…

41 妄想の証明 5

もう戦車は街中を進んでいた。 街頭では警察の関係者が市民に道を歩かないようにと封鎖している。 子供は初めて肉眼で見る戦車に驚き、そしてカッコイイなどと叫んでみたり、警察や親の制止を降りきって走りだし戦車と並走してみたりする。大人はこれから何…

41 妄想の証明 4

「そういう反応を女の子にされるのが嫌だから僕は最初に言ったんじゃないか!」と、俺の「うわぁ…」の後の台詞に対する反発をする武井。 「まぁまぁ、落ち着きなさいよ」 「もうちょっと解析したら何をプレイしていたのか判るんだ…そうすれば…」 「何をって……

41 妄想の証明 3

ヘリは戦車の先へと進み、トンネルの上空で待機した。 最終的な目的地は分かっていないが、今の進路だと戦車はここを通り過ぎる予定なのだ。 「もう少し上空がいいわね。戦車の射程距離外へ上昇して」 ミサカさんのボサボサの髪が風に煽られてさらにボサボサ…

41 妄想の証明 2

「今から36分前、柏田重工筑紫野工場の第12演習棟にて実弾演習を行っていた多脚戦車『飛影214-D12』が突然暴走し、演習施設のバリアを破壊して逃亡した」 ハラマキの説明を聞きながら、演習施設に設置してあるカメラが録画していた映像を見る。 戦車は設置し…

41 妄想の証明 1

その日は朝からとある県にある工場まで足を運んでいた。 ミサカさんの案内である。 ミサカさんはミサトさんの双子の妹。ミサトさんは一応はルックスなどを意識してて素材もいいからか男にもモテそうな感じだけど、ミサカさんは双子というのは似ているという…

40 劇団水泳部のトップスター 4

新入部員達の自己紹介も終わり先輩方も威厳を見せたところで本日の部活動は終了となった。 結局、ナノカの口説きのテクが実ってか、部員は5人ほど確保する事が出来た。それ以外にも水泳部に普通に入りたい男子が5人ほど。 ちなみに部活動が終了するまでの間…

40 劇団水泳部のトップスター 3

新生男ナノカ(女)を引き連れた水泳部は先ほどと同じ様に、勧誘を行っていた校門近辺へとやってきた。今回は、ナノカに対して心をときめく美少女として俺を置くことになり、他の部員は少し離れて様子を観察する事になった。 ちなみにどうしてナノカ一人では…

40 劇団水泳部のトップスター 2

女子部員達の協力の元、更衣室でナノカ変身が行われていた。 面白そうなので俺も見に行く。 背格好が同じぐらいの男子から借りた制服を着て(もちろん、胸に何かを巻いておっぱいを無くす事など不要で)シャツをそのまま上に着て、ネクタイを締め、ズボンを…

40 劇団水泳部のトップスター 1

「あのー、一つアイデアがあるんだけど」 一斉に部員達の目が俺を見る。 キャプテン水口が俺に向かって「ん?何だ?」と問う。 「えっと…ようはさ、美男子がいなけりゃ美男子を作ればいいんじゃん。美男子っていうのは美形だったら例え中身が女でもいいし」 …

39 勧誘せよ24時 8

新入部員(予定)だった連中は顧問のケイスケによって強制退部させれた。これで結局はフリダシに戻った事になる。 「あーもうどうするんだよー。女子部員なんて集まるわけ無いじゃん…。一番男っぽいキャプテンでも釣れなかったんだしさ。キミカちゃんが出て…

39 勧誘せよ24時 7

プールに新入部員(予定)を連れて行く。 そこには何故かいつもの練習風景があった。ていうより、みんな真面目な顔をしていつもならやらないようなハードな練習風景を「演じて」いた。これが先輩のプライドという奴か…!! 「ここはちょっと背筋を伸ばすよう…