40 劇団水泳部のトップスター 3

新生男ナノカ(女)を引き連れた水泳部は先ほどと同じ様に、勧誘を行っていた校門近辺へとやってきた。今回は、ナノカに対して心をときめく美少女として俺を置くことになり、他の部員は少し離れて様子を観察する事になった。
ちなみにどうしてナノカ一人ではなくナノカに心をときめかせる女子(俺)をそこに置くのかというと、どうも女子という生き物はライバルが多い男を狙う傾向にある。らしい。哀しいかな男性にはちょっと理解し難いものだ。たいしてかっこよくなくてもそれを狙うライバルが多いとかっこよく見えるらしい。まぁ、ナノカの男装は男の俺でもカッコイイと思ってしまうぐらいだし、あまりそういった小細工は必要ないとは思ったけど。
「っていうか、あたしがまだスク水姿なのが気に入らない。そろそろ服着てもいいんじゃないの…」
「ふふふ…それは、こうするためさ!」
ナノカはさっきのように俺の背後にまわると耳たぶを軽く噛んで、腕を俺の股間に伸ばす。俺はそのまま力なくナノカの身体に寄りかかると、ナノカも校門の立て看板に背中を預けて、俺の体重もささえる。そして股間に伸ばしたナノカの指先が俺のアソコを刺激する。
「あぁ、ダメ、人が見てる前で…」
と俺が吐息混じりに言うと、
「君たち。この子はボクの物だ。去りたまへ!!」
とナノカが威嚇する。
君たち?おぉ、いつのまにやら俺の周囲には男子達の群れが出来ていたが、ナノカの一言で男達が「ちっ」とか言いながら去っていくぞ。
「すげぇ…」
「ふッ…これがボクの力さ。疲れたかい?あそこのベンチに腰掛けよう、子猫ちゃん」
ナノカがベンチに腰掛ける。
子猫ちゃんはその横に。
「キミカっち、台本どおりにね」
「え?!台本なんてあったの?!」
「あったあった」
えーっと、台本、台本…。
俺はナノカの太ももに俺の太ももを挟むとナノカのシャツのボタンを唇で咥えてはずそうとしたり、はずさなかったりを繰り返す。
「あぁぁ、キミカっち、マジ気持ちいい…」
「こひょんなかんひぃ?(こんな感じ?)」
「うんうん、そうそう、なんかちょっと違うけど凄く気持ちいいからOKだよハニー」
誰かが通りかかったようだ。
俺はそっちのほうを見る。
いかにもお嬢様という感じの女子(新入生)がこちらを見て、潤んだ瞳でワナワナと震えている。これはひどい
「おや、子猫ちゃん…。どうしたのかな?迷子になったのかな?」
「な、な、何をしているのですかぁぁ!」
その子猫ちゃん(新入生)はナノカを見て言う。
「何って…勧誘さ」
「か、か、か、か、勧誘?!」
「そう、水泳部のね」
「だだだ、だって、そっちの女の子と今…」
「この子猫ちゃんはボクが勧誘した子だよ。君も水泳部員になるかい?ボクのビューチフルな姿をいつでも見ることができるよ?そしてこの子猫ちゃんみたいに、いつも幸せな気持ちになれるのさ、ねぇ?」
とナノカが俺にふるので、
「にゃーん」
と俺は答えておく。
その女子は顔を赤らめて、
「ひ、卑猥です!」
「君に任せるよ。ボクは無理強いはしない。でも、君はもう高校生だろ?君がしたいようにすればいいんじゃないかな?常識や親が与えたルールにとらわれずに。それが大人になるっていうことだよ?」と言ったあと、ナノカはヒソヒソ声で「(キミカっちも何か話して)」
って、何を話せばいいんだよ…えーっと、えーーーーっと。
「貴様も水泳部員にしてやろうか!!」
「(いや違うよ!全然違うよ!!)」
「やります」
「え?」
「私も、水泳部員になります…」
え、何故に?!