2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

9 初デート 2

俺が住んでいるところは3番目の首都で首都に指定されてから凄い速度で大きくなった街だ。あ、ちなみに、日本は大戦中に首都機能を複数に分割するようになった。もし攻撃を受けて首都が首都として機能しなくなったらヤバイからっていうのが理由だったと思う。…

9 初デート 1

結局俺は部活に入ることは今は保留にしておいた。 ビッチのあのギラギラした目で(本人にギラギラした目をしているよ?と言っても絶対にうんとは言わないだろうけど、俺にはそう見える)部活で勝負をかけられるのも面倒臭い。これは逃げているわけじゃないよ…

8 動く大殺戮兵器 4

そういえば。 俺はまだ紹介されていない武器があったことに気付いた。 「ねぇ、プロトンビーム砲は?」 俺、このBFGがそれだと思ったんだけどな。 「えっと、プロトンビーム砲は…。実はキミカちゃんのある箇所から発射されます。さてそれはどこでしょう。こ…

8 動く大殺戮兵器 3

とりあえず名前は見ないで全部の武器を引っ張り出してみた。机の上には今から戦争にでも出かけるのかっていうぐらいに物騒なものが並んでいる。どれも見たことがないようなデザインの銃だ。 「よーし。一つ一つ説明していってよ」 俺はまず一つを取り出す。…

8 動く大殺戮兵器 2

家に帰ってからシャワーを浴びている最中にふと気付いた。さっきの話で俺はデブに聞かなきゃいけないことが山ほどあるって事に気付いた。 変身前でも使える力、変身後にしか使えない力についてだ。さっそく俺はリビングに行ってからデブにその事を聞いてみた…

8 動く大殺戮兵器 1

その日、学校からはデブの車に乗って帰った。 教師と生徒が一緒の車で帰ったりするのが下校途中の色々な人にバレてしまってなんだか嫌な気分だった。これは俺とデブが付き合っているという風に受け止める奴がまさかいるとは思わないけど、少なくともただの教…

7 学園見学ツアー 11

「ふんっ!」 と俺の威勢も、自分の中にある恐怖心もすべてをその「ふんっ!」って一言で吹き飛ばして、ビッチはサーブの構えをした。殺る気だな。ならば手加減はもうしない。 ビッチのサーブは相変わらず俺の居ないところへと狙ってくるだろう、と思って俺…

7 学園見学ツアー 10

ビッチはしたり顔で「私、遠くにあるりんごを弾き飛ばすぐらいに、テニスボールの射撃がうまいの」と言いやがった。野郎…っざけやがって…。 「こらこらこら!ダメじゃないか!」とさっきのリア充先輩が割り込んでくる。「ほら、ふたりとも、仲良くやろうよ。…

7 学園見学ツアー 9

「やり方はまぁわかったけど、ルールがわかんないよ」 ビッチはそれを聞いて「はぁ」とため息をついたあと(ルール知らないのはしょうがないじゃん。生まれた瞬間から知ってて当然って顔しやがって、マジでぶん殴ってやろうかと思った)、「最初はサーブで打…

7 学園見学ツアー 8

そういえばいつの間にか学園見学ツアーが体験入部に変わっているのは気にしないでもない。 着替え終わった俺はコートに出てくると、すぐさまさっきのリア充先輩が駆け寄ってきた。来るなり「おぉ〜!似合う!可愛い!いいね!入部しない?男子のほうに!マネ…

7 学園見学ツアー 7

プールの次に俺達が向かったのはテニスコートだった。 「ねぇ、裕香ぁ。もしかしてキミカっちをテニス部に引きこもうとしてるの?」 「そ、そうねぇ。実力があるんだったらいいんじゃないの?」 いや、まずヤル気があるかだろうが。俺はそもそも運動は嫌いだ…

7 学園見学ツアー 6

「水口逃げた!あははは!逃げた!」 もう菜々香は水口先輩などという敬意を示して呼ぶ呼び方もしなくなった。なんか珍しい動物でも追いかけまわすような目の輝きをしながら菜々香は「そっち逃げた!キミカちゃん、反対側から挟んで!!」とか言ってる。なん…

7 学園見学ツアー 5

「ねぇ、よく考えたら」 と俺と菜々香、ビッチはプールサイドへと向かう廊下にいたわけだが、 「菜々香のほうがあたしよりも背が高くて身体も大きいわけだからさ、菜々香の水着を着たらフィットしなくてやばいんじゃないかな」という俺の純粋な疑問を問いか…

7 学園見学ツアー 4

俺の想像する更衣室はいわばコンクリートの小さな小屋で辛うじて前は隠せる程度の木の板で仕切られた個室が絶対に人数分ないだろって感じで並んでて、結局クーラーもない部屋だからクソ暑いので外で着替えちゃったりする男子水泳部更衣室というものだったの…

7 学園見学ツアー 3

「ねぇ、藤崎さん!待ってってば」 俺はグラウンドから離れていった。後を付いてくるのはビッチと菜々香。 「どうやったの?人間業じゃなかったよ!凄いじゃん!」 どうやったのって自分でもわかんないよ。変身前からあの力が出せるとは思いもしなかった。い…

7 学園見学ツアー 2

なんだかこのガタイのいい女、意外と策士だぞ。俺に恥じかかせようとしてるわけだな。そりゃ走り高跳びしらない奴が今から初めてそれをやるんだよ、失敗率高いだろうが。さすがにこの成行きはビッチも疑問を思ったみたいで、 「先輩、藤原さん運動得意かどう…

7 学園見学ツアー 1

放課後。 俺はビッチに校内を案内してもらう約束だったのだ。 俺の席のもとにビッチとお昼一緒にご飯食べてた菅原菜乃香が来てくれた。菜乃香は頭を掻きむしったような痕跡が残っていてあのショートカットがぐしゃぐしゃになっていた。 「その頭どうしたの……

6 気になる転校生 10

一通り昼食を食べ終えて、菜乃香がケーキが食べきれないとか言うので仕方なく、俺は甘いモノはそれほど好きってわけじゃないのだけれど、菜乃香が持ってきてケーキを食べてあげた。 「そういえばさ」 と、ビッチは菜乃香に何か聞きたい事があるようだ。 「さ…

6 気になる転校生 9

カフェテラスは…カフェテラスって呼ぶのが恥ずかしくなるぐらいに巨大なレストランだった。これが学食っていうなら俺のいた高校の学食はなんだろう。あれか、犬の飯喰い場っていうのが正しい言い方になるのか。 学生証を見せたら後は好きなものをとって食べ…

6 気になる転校生 8

お昼休み。 俺はあの巨大なカフェテラスでどんなものが食べれるのかとワクワクしながら一人そこへ向かおうとしていた。ってところをビッチに止められて、 「一緒にご飯食べない?」と言われた。続いて、「あ、誰かとご飯食べる予定があるなら別にいいわよ」…

6 気になる転校生 7

目を血走らせて教室に入ってきたなんちゃって担任のデブは、一通り俺の紹介を済ませると俺を席に座らせてそして、「クラスの委員長は誰ですかぉ?」と言った。 さっきの女の子、さっきデブに前の担任はどうなったのか、とか言っていた女の子が「早見さんでー…

6 気になる転校生 6

静まり返った教室で、「あ!」って声がする。「あ!」っていう声の主は立ち上がって俺のほうを指さしている。いやいや、今一番やばい人は俺じゃなくてこの隣にいるキチガイ先生でしょ。 「あ、あんたは…!」 ん?げ…早見裕香!なんでここにいるんだよ! 「ビ…

6 気になる転校生 5

デブの家から車で10分もしないような場所、街路樹が並んだその先には市内でもっとも大きな公園がある。その手前に俺が今まで公園の駐車場、と思ってた場所、そこに聖なんたら学園があった。聖なんたらという名前に負けないぐらいに高尚な作りをした歩道や道…

6 気になる転校生 4

「朝だぉ朝だぉ!朝ですぉぉ!」 ああ、朝なのか。朝だから朝なんですよって言わないくてもいいよ。時計みたら分かるよ。っていうかなんで起こしにくるんだよ。 「えぇ?何?なんだよ…」 俺は目を擦りながら布団から上半身だけ覗かせた。ちなみに俺は寝ると…

6 気になる転校生 3

デブが拘っていたのは学校の名前だとかどういう学科があるかとかじゃなかった。 少しは制服だとかにも目を向けて自分好みがないかとかこれはあのエロゲに登場した奴だとかなんてブツブツと怪しげなつぶやきをしたりもしたけど、本当に重要なのは共学か女子高…

6 気になる転校生 2

「と、とにかくダメだよ!虫も寄ってくるし」 「むし?」 「キミカは、ぼ、僕が考えうる限りの最高の美少女にしたんだよ…。絶対にイケメンヤリチン野郎に出会った瞬間5秒以内に強姦されてしまうぉ…」 「エロゲのやりすぎ」 「と、とにかくダメなものはダメな…

6 気になる転校生 1

葛城公佳改め、藤崎紀美香は高校生だった。 「だった」というのはとどのつまるところ、今はどこの高校にも通っていない。とある事故で俺は全身に大火傷を負い、いったんは死に、そして再生した。その再生した後の姿がとどのつまるところ女の子の姿であって、…

22 自由から不自由へ 5

ロイドは船の中にいた。 ジッタの飛空艇の中だ。 一行はキエフまで来て飛空艇のメンテナンスをしたあと、女王と側近、それから風雅達とジニアスを乗せてアルタザールの首都ティリスの側の湖に着水する事となっていた。空中を経由しての移動の提案はジニアス…

22 自由から不自由へ 4

「息子は助かるんでしょうか?」 「助かる…というのは?」 「手足が…その、義足か義手かなにか」 「サイボーグの技術はまだ発展途上なのです。しかも日本ではまだ認可がおりない。普通の生活を送ることはまだ不可能でしょう。ただ、いつまでも当院に措置を施…

22 自由から不自由へ 3

尊はその日、事故にあった。 人生で最初で最後の事故となったのだろうか。 彼の乗ったバイクは転倒し、炎上した。 彼を巻き込んで。 意識は飛んだ。燃え盛る炎の中で。 そして…真っ暗闇の中から声がした。 「最も命を脅かす火傷による損傷ですが、なんとか処…