7 学園見学ツアー 7

プールの次に俺達が向かったのはテニスコートだった。
「ねぇ、裕香ぁ。もしかしてキミカっちをテニス部に引きこもうとしてるの?」
「そ、そうねぇ。実力があるんだったらいいんじゃないの?」
いや、まずヤル気があるかだろうが。俺はそもそも運動は嫌いだし、テニス部とか興味ないし、興味あるのはあのスコートって奴だな。あれはエロい。
そして、やっぱり俺が想像していたテニスコートをあっけなく追い抜いた感があるテニスコートがそこにあったのだ。俺が前にいた学校ではテニスコートと言ってもあるときはバレーコートになったり、バスケットコートになったり、一つの場所を色々な用途として使うのだ。だがこの学校は複数の用途で使うものがなに一つない。まるでゲームが発売されたときに「普段使う用」「保管用」「友達用」「布教用」…と複数購入するような感じだ。え?違う?
コートのうち1つは男子が、4つは女子が練習してる。
「よう、早見」
とまた男の声だ。さすがビッチだな、色々なところに『知り合い』の男がいる。そこには小麦色に焼けた肌をした健康的なハンサムボーイがいる。まさにテニスの王子様って感じの野郎だ。イケスかねぇ…。
「あ、高崎先輩」
また先輩かよ。先輩多すぎだろう、この学校。
「ん?その子は?」
さっそく俺に食いついてきやがった。
「あ、今日転校してきた藤崎さん」
「へぇ〜!ほぉ〜!」とか言いながら小麦色のイケメン野郎は俺を見てる。そして、「こんな可愛い子がうちの学校にいたなんて」って言って、ビッチに「だから今日転校してきたって言ったでしょ」と言われてる。
「体験入部しにきたん?いいよ!俺が教えてあげるよ!」
ったくリア充め。デブが一番神経使うタイプの奴だな。
「まずは形から、だなぁ。そうだ、早見のスコートかしてあげろよ」
ってそっちの形かよ。
「ん。まぁいいけど」
なんか今日は色んな女子に着ているものを借りる日だなぁ。
俺はビッチに引っ張られてテニス部の部室へと入っていった。菜々香はそこら中のものを触ったりバッグの中身を見るなど卑猥な事を色々とやっていたがビッチは注意する素振りなぞ見せずに、どうやら俺に渡すスコートを吟味しているようだった。
「ん〜。これがいいかなぁ…小さいし」
というわけで、俺はビッチに渡されたテニスルックに着替え終わった。よく考えるとこれってビッチのじゃないな。サイズが小さい。
「ぎゃあああああ!かああいいいい!」
いつもの調子で今日3度目の胸板抱き締めをやってくる菜乃香。俺もそろそろ慣れてきて抱き締め返した。あー、やっぱりさっき素っ裸で抱きしめあったのがよかったなぁ。
「も〜。着替える都度レズるのやめてよ」