2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

146 怒涛のマスカレーダー 6

チナツさんの依頼はこうだ。 ある男がこれから冤罪で逮捕されるだろう。たまたま俺が今仕事をしている署内で一連の逮捕劇があると予測される。今時点では対策は特に無く、警察の出方次第だが、なんとかこの男を救い出してくれ。 無茶なお願いだ。 俺は警察の…

146 怒涛のマスカレーダー 5

ホテルに到着。チェックイン後に自室に向かってそれから軽くシャワーを浴び、部屋を出て最上階にあるバーに向かう。 神戸の夜景を望める場所。 このバーの価値はお酒ではなくこの景色と雰囲気にある。 ストレスに覆われた空気にさらされた企業戦士達の休息の…

146 怒涛のマスカレーダー 4

居酒屋にて不幸にも知り合いに出会ってしまった俺は、今までの事件の経緯をマスコミである『久万田えるな(くまた・えるな)』に話していた。 「凄いです!!大スクープです!!今日はいい日だなぁ…キミカさんにも出会えるしキミカさんの写真も撮れるしスク…

146 怒涛のマスカレーダー 3

門田家の前には警察やら鑑識やらの車両、それから野次馬が大集合していた。殺人事件が起きたのだ。正確には俺が殺したんだけども…。 「なんてことしてくれるんだ!」 と怒鳴り散らしているのは年配刑事の中でももっともエラそうにしていた淀川っていう刑事だ…

146 怒涛のマスカレーダー 2

玄関まで出たところで、後ろから走って追いかけてくる音が聞こえる。 さっきの新人っぽい刑事だ。 「藤崎さん!」 「行かないんじゃなかったの?」 「足がないでしょう?」 やれやれ…最初から素直に行きたいと言えばいいのに。 さっきの新人の痩せたほうと、…

146 怒涛のマスカレーダー 1

今日は神戸・兵庫県警に来ていた。 警察官がドロイドに狙われるというテロが兵庫県で起きており、テロ対策課のミサカさんのご依頼で俺は数日間、兵庫県警でお手伝いをすることとなったのだ。じゃあミサカさんも来るんじゃないのかって? それは俺が聞きたい…

145 誕生日プレゼント : 宇宙船 5

「おりゃー!」 キサラの叫び声の後、再び球場には地面から「ズズッ…ズズッ…」と音を立てながらキミカ部屋(異空間)へと吸い込む予定の宇宙船が起き上がってくる。 素晴らしい…スターウォーズに登場したんじゃねーの?っていう感じに流線型のデザインの宇宙…

145 誕生日プレゼント : 宇宙船 4

キサラは『後で戻すから』という約束でケイスケの車をワゴン車へ、物質変換の能力を用いて改造して、俺達はそれに乗って市民球場へと向かった。 車内でキサラに何を作って欲しいのか説明する。 ひと通り聞いた後、 「ほんっ…とにつまんないものを要求すんの…

145 誕生日プレゼント : 宇宙船 3

ケイスケの車で市内の繁華街へと向かう。 立体駐車場に車を停めてから、その足で繁華街を歩く。 「どう考えてもここは大人の夜を過ごす場所のように思えるのですが…キミカちゃん、これは一体どういう事なんですかぉ?」 「どういうことって、会いたい人がこ…

145 誕生日プレゼント : 宇宙船 2

夕食が出来た。 ケイスケは「いただきます」を言う俺達よりも先にガツガツと食い始める。 俺はケイスケに質問があったんだよ。 そう、先ほどの…『疾風』についての。 「ケイスケェ」 「なんですかぉ?誕生日のプレゼントならないですにぃ」 「おい」 ないの…

145 誕生日プレゼント : 宇宙船 1

高校生のキミカこと俺は、まだ根に持っていた。 何を根に持っていたかと言うと、俺の誕生日を祝ってくれる人が誕生日前では3人しか居なかったからである。加えて言うと、後で「やっぱりキミカに悪い事をしたなぁ」と改心して俺に誕生日プレゼントをくれるな…

144 キミカのお誕生日会 8

結局、俺の誕生日会に来たのは俺の彼女であるキリカと熱心な俺のファンであり、誕生日会を企画してくれたマコトと、それから後でチナツさんが何故か誕生日のプレゼントを持ってきて来てくれた。これだけだ。 というかチナツさんなんて告知してないのに来てく…

144 キミカのお誕生日会 7

コーネリア宅の隣は米軍基地に所属する軍人達用のスポーツ施設である運動場があったはずだったが、その日だけはコーネリアの誕生日会場となっていた。 会場前には鬼の面をかぶり、マントで身体を覆った俺が立っている。 英語で書いてあって最初は読めなかっ…

144 キミカのお誕生日会 6

「うわぁぁああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!」 俺はキレてキレて、もうリビングに飾ってあった『お誕生日おめでとうキミカちゃん』の額縁っていうかアレを思いっき…

144 キミカのお誕生日会 5

いよいよ俺の誕生日会、開催当日となった。 会場はケイスケの家。 リビングにはマコトが準備した飾りや料理、ケーキなどがある。 俺は少し緊張した面持ちでリビングへと向かう。会場にはまだ誰も来ていないのでそれはそれで安心した。一体どんな顔して誕生日…

144 キミカのお誕生日会 4

女になる前の俺の誕生日…。 それをふと考えると思えばパーティらしきことはしていなかった気がする。俺の親も誕生日会とかやってたのは小学生までで、それでも俺は高学年ぐらいからはこっ恥ずかしいのでやらないって話をしちゃったよ。今考えれば、親が居な…

144 キミカのお誕生日会 3

お昼休み。 俺は学食でいつものように肉やら野菜やらをお皿に盛り付けて箸でモグモグと食べていた。正面にはスープ皿にパンを付けてそれを囓るキリカがいる。 キリカはジト目で俺を睨んだ後、 「2月24日…」 とボソリと言ったのだ! 「げぇほォ!!ゴホッ!ゴ…

144 キミカのお誕生日会 2

次の授業は家庭科だった。 しかし、この授業は殆どあっても無いようなもので、普段から女子どもは自由時間の如くお戯れになっている。頑張っているのは男子だけだ。 かくいう俺もこんな身体(女の子の身体)だけれど中身は男の子なので先生の話を聞きながら…

144 キミカのお誕生日会 1

冬の朝。 しんしんと降り積もる雪を見ながら、暖房を効かせた部屋でMapProを起動して俺はプログラミングに精を出していた。決して精液を出していたわけではない。そんなものは残念ながらこの女の子の身体からは出ない。 ともかくこのjavaという言語は素晴ら…

143 嫌煙ウイルス 9

それからヘビースモーカー達は1人、また1人と嫌煙ウイルスとの戦いに敗れていった。これまで挑んだスモーカー達は全員、ゲロを吐き、クソを垂らした。 そして、いよいよ最後の1人となったのだ。 小説家『菅井康隆』だ。 この人ならは一度、俺のテロに耐えて…

143 嫌煙ウイルス 8

警察署に護送車が到着した。 降りてきたのは札付きの『ヘビースモーカー』。 警備をしていた玄関前の警察官が突然目や鼻に苦痛を訴えて早退を願いでた。原因は何故か本人にもわからないらしいが、俺が本人の代弁してやると『タバコのヤニにやられた』である…

143 嫌煙ウイルス 7

今度は警察の面々を引き連れてのドトォールである。 外から見ても既にドトォール店内がすべて喫煙席となっているぐらいの白い煙に包まれている。そして、その店内から出てきた客は呆れた顔をして、 「最ッ悪ッ!」 と自らの服を摘んで匂いを嗅いで、それが予…

143 嫌煙ウイルス 6

翌日。 ミサカさんは待ち合わせ場所を市内の警察署にした。 もうこれだけで俺は既に犯罪者が出頭するような気分になってキョロキョロしながら周囲を警戒して警察に出頭…じゃなかった、警察署に入る。 1階のオフィスは受付口が並んでいる。 その奥のほうの殺…

143 嫌煙ウイルス 5

家に帰ってからはまず服を脱いでクリーニングへ出した。 下着ももちろんクリーニングへ出した。 汚染されたものはきっちり洗ってもらわなければならない。そして、俺はシャワーを浴びて念入りに身体中を洗った。 それから夕食。 テーブルで家族で食事をする…

143 嫌煙ウイルス 4

さて。 最後のシメに行くか。 少し嫌だが、俺はバッグを持ったまま喫煙所の中へと入った。 主悪の権化…ブタバコ(喫煙所)へと。 「すいませぇ〜っん…この辺りに、タバコ忘れてなかったかな?」などと俺は喫煙所の中へと顔を突っ込んだ。ついでにバッグも突…

143 嫌煙ウイルス 3

数日後。 俺は学校の帰りにドトォールに寄ることにした。 何故かって? 届いた嫌煙ウイルスを使ってみるんだよォォ!! いちおうナツコから注意事項として。 「嫌煙ウイルスは一時流行しましたから、喫煙厨によってはどうやって飛散されてるのか覚えている人…

143 嫌煙ウイルス 2

俺はイライラしながら家路についた。 ケイスケの家に帰ってから、リビングに入った後もタバコ臭いのだ。 服に染み付いたタバコの臭いが消えてないのだ。 「はぁッ!くぅッ…さぁァァァ!!!」 俺はキチガイのように消えていたジャンバーを脱ぎ捨てた。 「ど…

143 嫌煙ウイルス 1

スタバでドヤリングをしようと思って向かったが店の前には長蛇の列が出来ていた。もちろん既に店の中も人が一杯で…見れば、普段スタバに来そうにない家族連れだとかが並んでいる。 えぇっと…『新春初売り』だとぅ? 普段なら豆だとかタンブラー、マグカップ…