7 学園見学ツアー 8

そういえばいつの間にか学園見学ツアーが体験入部に変わっているのは気にしないでもない。
着替え終わった俺はコートに出てくると、すぐさまさっきのリア充先輩が駆け寄ってきた。来るなり「おぉ〜!似合う!可愛い!いいね!入部しない?男子のほうに!マネージャが居なくってさ」とか。こいつは他にも色々と女に可愛いって連呼してそうだな。
「もう、先輩。ちゃんと教えてあげてよ」とビッチ。
「手とり足とり…教えてあげるよ!」
などと言う。
それから1分後、俺もドン引きするほどにこのクソリア充野郎は手とり足とりぴったりと俺に密着してフォームの練習をさせていやがる。
「ん、こう、なんていうかね、ずーん、っていう感じで」と手を持ってラケットを斜め上に上げる。「そんで、腰はもうちょっと引いてね、こう」と俺の腰を両手で掴んでバック体位で股間をお尻の穴にくっつけるような事をする。「胸はもうちょっと、あれだよ、おっぱいの谷間を作るような感じでさ」と、腕を回してくる。
「あの、先輩…」
「ん?何かな?」
「お尻にちんちんくっつけるのやめて下さい」
「や、ちょっ、くっつけてないよーマジだよー。そんな破廉恥な事俺がするわけないよー」なとど言ってる。切殺してやろうか。
しかしまぁ、ビッチにお似合いな感じのビッチな先輩じゃねーか。どおりで二人は仲がいいはずだよ。でもこの先輩、色んな女子と仲はよくなるけど、広く浅くの人間関係って感じだなぁ。こんなのが彼氏になったら大変だろうに。あぁ、俺としたことがビッチの心配をしてしまっている。こいつがどこで何をしようと俺には関係ないんだった。
「ちょっと!高崎先輩。何そんなにくっついてんの!セクハラでしょ!」と顔を真赤にしてビッチが怒っている。なんだそんなに必死になりやがって。さっき水泳部の時に逆セクハラした時には見てただけの癖に。
「まぁまぁそんなに怒るなよ、ジェラシーを感じるぜ?それより、キミカちゃんだっけ!凄いな!完璧なプロポーションじゃないか!キミカちゃんの彼氏は羨ましいな!あー羨ましい…。俺もこんな女の子とセックスしてぇ〜」
こいつ殺していいかな。
「んじゃ、基本は覚えたでしょ」とビッチ。
ん?基本は覚えた?この高崎ビッチ先輩の口説きテクニックの基本?こりゃダメだよ、ナンパビデオに出てくるダメな男の口説きテクニックじゃねーか。
「試合するの!試合!どれだけ出来るのか見てあげる」とあの葬式の時に見せたようなライバルを見る目付きになってるビッチ。クソ。自分の得意分野で勝負するって事か。ほんと、勝つか負けるかっていう体育会系思考しかできねーんだからな、クソビッチめ。