8 動く大殺戮兵器 4

そういえば。
俺はまだ紹介されていない武器があったことに気付いた。
「ねぇ、プロトンビーム砲は?」
俺、このBFGがそれだと思ったんだけどな。
「えっと、プロトンビーム砲は…。実はキミカちゃんのある箇所から発射されます。さてそれはどこでしょう。この問題は点数2倍だにゃん」
どこから発射って…発射っていうぐらいだから普段から色々発射してるお尻の穴とか…いや、こいつの事だから…。「まさか股の間からとかないよね。もしそうなら今すぐここで発射するわ、とりあえず」
「ブッブーッ!違いますにゃん」とデブは豚みたいに鼻息をふごっふごっとして笑いながら、「キミカちゃんはスケベだにぃ」などとほざく。
「別にあたしはそういうので恥ずかしがったりしませんよー。元々シモネタとか許容範囲だしー。それで、どこから出るの?実際は」
「口から」
「口って…どっちの…?」
デブは顔を真赤にしながら「上」と答える。
ゴジラかよ!」
ゴジラっていうより、巨神兵をイメージしたにゃん」
「するな!」
「構造上、変換炉に一番近い場所が口。口から発射しないとお腹から発射することになるんだけど、ちょっとダサいかなと思って」
「いや、手とか指から発射してよ!」
「世の中なんでも思い通りにいくと思ったら大間違いですにゃん」
「間違って気分悪くて吐きそうになった時とか、発声練習してる最中とか、くしゃみした弾みで発射したらどうするんだよーっ!」
「いきなり出るんじゃなくてちょっと時間が掛かるからそれは大丈夫、だにゃん。でも出してしまったら横に向かって撃ったら街が吹き飛んだり、上に向かって撃ったら衛星を撃ち落としたり、下に向かって撃ったら地震を起こしちゃったりするかもだから気をつけるにゃん」
「撃たない。撃たないよ。っていうかそんな超ヤバイ兵器をこんな華奢な身体に収めないでよ」
「ウヒヒ」
さてと、それじゃこの武器たちの試し撃ちに行ってくるかな。
「え、そんな武器持ってどこにいくにゃん?」
「あぁ、ほら、あれだよ。公園で鴨とかカラスを撃ったり、道端歩いてる猫とか撃ったりするんだよ」
「だ、だーーーーーーーんめっ!!ダメだにゃん!ヒーローなのになんて陰湿な事考えてるんだにゃん!?エアガンのお試し射撃じゃないんだから、撃ったら絶対に死んじゃうにゃん…うひぃぃ!キミカちゃんがこんなに悪い子に育ったのは僕の愛が足りなかったのかにぃ…。二人でベッドで愛しあう必要があるのかにぃ…」
「わかったよ、わかーった。撃たないよ。撃たないってば。そこで服脱がないで。それにこんなの持ち歩いてたら職質くらっちゃうじゃんか」
それにしても…。戦車の装甲をぶち破るぐらいの派手な武器がないような…。結局グラビティブレードしか有効な武器がないじゃんか。
あ、そうだ。
「ねぇ、変身した後ってさ、力も滅茶苦茶強いの?」
「うんうん。強いですお」
「ほほぅ。戦車をぶん殴って穴開けたりとか?」
「まぁ、それぐらいなら出来るかも」
「出来るの?!早く言ってよ…」
今度はそれをやってみようかな。