7 学園見学ツアー 5

「ねぇ、よく考えたら」
と俺と菜々香、ビッチはプールサイドへと向かう廊下にいたわけだが、
菜々香のほうがあたしよりも背が高くて身体も大きいわけだからさ、菜々香の水着を着たらフィットしなくてやばいんじゃないかな」という俺の純粋な疑問を問いかけたのである。
「水着はフィットするから大丈夫。フリーサイズなんだよ」
「え、本当?本当かなぁ…」
冷たくて動きづらい。
でもこの苦痛を超えた先にはプールサイドが、女子高生が、ポロリが待っている。今の俺の行動力はすべてその欲望だけの為に存在していると言っても過言ではない。室内プールらしき巨大ウィンドウガラスから木漏れ日が入ってくるフロアが俺の目の前に。どこだ?どこにいる?どこに女子高生が…?!
いな…い…。
「いない!」
思わず俺は叫んでしまった。
「ごめん、今日は筋トレの日だった」
なにぃぃぃ!!!
「男子しかいないや」
ぎゃああああ!!!
俺はジト目でペチャパイ女を睨んだ。
「も、もう、そんな目でみないのー!」
という俺とペチャパイ菜々香のやり取りを見て、
「藤崎さんも…レズビアンなんだ…」
とビッチが言う。まぁ、普通の男なのです。はい…。
「お、(幽霊部員の)菅原さんじゃないか」
男の声だ。ぬぅぅ…。男しか居ないプールに用事はねぇ。
「かっこはいりませんよ…」
菜々香はその声の主のほうを見ないで言った。俺が振り返るとそこには実に水泳部員っぽいマッチョな感じの男がいる。顔もまぁ、それほど悪いわけじゃあ無いけど、いかんせんマッチョが玉にきず。いや、俺は男だからさ、同じ男でも中性的な奴を好むんだよ。マッチョとか体育会系っぽい奴はダメなんだ。あ、目があってしまった。
「…」
男は固まっている。俺のほうを見て固まっている。
「ちょっ…先輩どうしたんですか?なに固まってるんですか?あ、キミカっちのことを見て固まってるという事は一目惚れ?ダメですよ!キミカっちは渡さないんだから!」という菜々香の冗談半分の(若干本気の)言葉も頭真っ白になってるのか、その男には届いていないみたいだ。
「あぁ、あ。(はっとして)…あ、あ、俺、水口明と言います。あ、よろしければ、お、お名前を」
と俺に向かって手を差し伸べて、握手しろっていうのか。
「藤崎…紀美香です」
先輩というからには俺よりも年上なのだろう。敬意を示して俺は若干角度を出してぺこりとお辞儀をしながら握手をした。しかし何故かそのお辞儀の後、水口先輩は俺に背中を向けて、「も、もし水泳部に入るのなら歓迎するよ!マネージャ募集してるんだ、男子の部のほうだけどね」と言う。なんだツンデレ
「先輩、ちゃんとキミカっちのほうを見てから話なよ」
と言う菜々香。タメ口とは、情けなく扱われてるな。
「先輩〜?もしかして恥ずかしいのかなぁ?」と言う菜々香
俺はもしかしてこいつ泣いてんじゃねーのか?とか思いながら、ぜひ泣き顔の水口先輩を見てみたいと思ったわけだ。女に出会って感動のあまり無いてる男なんて見てみたいじゃないか。男の前では見せないナヨってる男って奴をさ。
俺は素早くステップを踏んで水口先輩の正面へと回りこんで顔を、
「な、いてない」
泣いてないじゃん。顔真っ赤にしてるだけか。つまんないn…え?
「ちんちん立ってる…」
立ってる。勃起してる。男根が空を向いてる。興奮して硬直している。
「いやぁぁぁぁぁ!!!変態ッ!キミカっちの水着姿で興奮してる!!変態!変態!」「先輩…さすがの私もヒクわ…」と二人は散々水口先輩を避難する。俺は男なので気持ちはわからないでもないから何も言うまい。でも見てからすぐ勃起とかするものなのか?
「ちょっ…立ってねーっつの!立つかよ!」
勃起したチンコを見えないように手でカバーして必死の反撃をする水口先輩。それだけいきり立ってて立ってねーよはないでしょ。
「キミカっち、ポーズ、ポーズして、色っぽいポーズ」
「こう?」
俺は水口先輩の前で両手でおっぱいを鷲掴みにして胸の谷間を強調するポーズを取る。そしたら「お、お、お!!!」と絶えきれなくなったのか水口先輩はそのままプールに飛び込んだのだった。