130 新しい朝が来た。希望の朝が 2

秋の夜長のプログラミングは実に筆(キーボード)が進む。
俺は自慢のMBAを広げて鈴虫の声を聞きながらプログラミングに勤しんでいた。最初はドヤリングに格好をつける為に始めたプログラミングだったけど、だんだんとのめり込んできた。
特にこのjavaという言語の実に美しいこと。
この美しさは他の人にはわからないだろうなぁ。
コードがちょっと長くなるという噂はあるけれど俺にはそういう部分は特に気にはならない。だって小説とかにしても文が長くても折り返して綺麗に読めるじゃないか。折り返せばいいんだよ。折り返せば。そしてコードが折り返されてページのちょうど真ん中辺りにくるのがまた美しい、…さっきからケータイが鳴ってるな。
俺の頭の中で。
『なんだよォォ!!!今いいところなのに!!』
『キミカ君か。出動命令だ』
マダオ何してんの?』
『今日はミサト君が居ないんでな。体調を崩している』
『あのォ…あたしも体調を崩してるんだけど』
『具体的にはどう崩してるんだ?』
『プログラミングが途中で中断されるという崩され方』
『それは体調ではない。で、マコト君も出るんだろうな?さっきから電脳通信が拒否されているようだが』
『でるよ…今、起こすから…』
マコトは疲れて寝てたらしい。
あぁ、そういえば今回はメイリンが参戦してくれるんだっけ?っていうか夜なのに大丈夫なのかな?
…。
俺はメイリンに電話(電脳通信)してみる。
『なんだ?』
お。
出たぞ。
メイリン〜!ご指名だよォ!』
『奴が来たのか!』
『いや、それはまだわからないけど、とりあえず銀行だか宝石店だかは襲われてるらしいよ。あぁ、あたしが迎えに行くから家にいて。前に住んでたところだよね?』
『うむ』
前に住んでたところは確かコーネリアが滅茶苦茶にしてアパートが崩れてるんだっけ?あの後ちゃんとしたのを造ったらしいけど、本当かなぁ?レオンパレスだっけ。
次はマコト、マコトを起こさなきゃ。
「ほら、マコト。お仕事だよ。お仕事」
「んんんん〜…眠いよォ…」
俺はマコトのベッドに腰を下ろして、マコトの身体を持ち上げて太ももの上にお股を挟むように乗っけてから貧乏揺すりをする。
秘技・電マの術。
「あああッ!!アッ!!あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
マコトが可愛い悲鳴を上げる。
「ちょっ、キミカちゃん、やめ、あッ!!!あんッ!」
「朝だよー」
「はぁ…はぁ…はぁ…。ま、まだ夜じゃん…」
「出動であります!」
俺はマコトの前で敬礼する。
「もぅ…またなのォ?」
「はい!股であります!」
「スカーレットが出たからボクを呼んでよォ…」
「おい」
マコトは寝ながらあのドロイドバスターに変身するポーズ…つまり神様に拝むようなポーズをとってドロイドバスターに変身したあと、スースーと寝息を立てて寝る。
仕方ないのでそのまま俺はグラビティコントロールでマコトを引っ張ってメイリンの家に向かう。
小一時間もかからないうちにメイリン宅へ到着。
レオンパレスである。
っていうか、ちゃんと元通りになってるじゃん。
よかったよかった。
そのままメイリンの部屋の前に着地してドアをドンドンと叩く。
「おーい!メイリーン!!迎えに来たよォ!!」
ドアノブをガチャガチャやりながら、
「クソッ…一丁前にカギ掛けてるな…盗られるものなんて無いだろうに!!メイリーン!!!出撃するよォォ!!」
っていうか早く出てこいよ、メイリン。ご近所迷惑だろうが。
(ドタドタドタ)
お、来たか。
(ガチャ)
すると俺の前にはネグリジェ姿の…。
「あら、ごめん、部屋間違えた」
「うるさいニダァァァァ!!!今何時だと思ってるニカ!!」
ソンヒだった。
「めんごめんごー」
謝罪と賠償を要求するニダ!」
遅れてメイリンが反対側の部屋から出てきた。
「あーもう、何やってるんだよメイリンン!ほら、行くよォ」
「うむ。待たせたな」
ドロイドバスターに変身した後のメイリンがいる。相変わらず派手な中華ドレス風戦闘服である。
「み、みんなしてどこにいくニカ?」
そんな俺とメイリンとマコトの姿を見てからソンヒが慌ててる。
「どこって…別にソンヒには関係ないところだよ」
「揃いも揃ってドロイドバスターに変身してどこにいくニカ?それってドロイドバスター共通のイベントじゃないニカ?」
「きょ、共通ゥ?ん〜…どうなんだろう?」
「ウリも行くニダ!」
「はぁ?」
「ウリだけ仲間外れは差別ニダ!!」
「いやいや、ソンヒはまず関係ないから」
いや、待てよ?
戦力にはなるかな。一応ドロイドバスターだし。
「あぁー来ていいよ。まぁ、多いほうが楽しいしね」
「やっぱり遊ぶニカ?!こんな夜に何して遊んでるニカ?!」
「それは来てのお楽しみ」
と俺は暗黒微笑を放ちながら今もなお寝ているマコトをグラビティコントロールで担いだまま、今度は残り2名を同じくグラビティコントロールで担いで現場である北九州市まで移動した。