21 タイガー・ランペイジ 7

アニメショップ(俺が隠れていた店)の壁を突き破り、スカーレットの野郎が登場した。衝撃でCDやらDVD、データディスクやらのパッケージが吹き飛んでその場に散らかる。
「どこへ逃げようっていうの?子猫ちゃん」
クソ、滅茶苦茶調子に乗ってやがる。そりゃそうだ。奴には超強力なバックアップがついているからな。アクションゲームで言うのならHPとMPが回復するフィールドの中で敵と戦うっていうことだ。もう勝つか負けるかっていうより、如何にして効率的にぶっ殺すかってなっちゃう。
「卑怯もの!」
「あはははは!面白いわね。戦いに卑怯もクソもないでしょうに。あなたは子供なの?」
「あぁそうだよ、子供だよ!」
「子供なら子供らしく、家でママのおっぱいでもちゅちゅちゅしてなさい!」
「そういう年齢の子供じゃないけど、おっぱいには興味が出ている年頃の子供だから、あなたさえよければちゅちゅちゅちゅさせて貰ってもいいかな?」
「え、ちょっ、レズビアン?やめてよ、そういう趣味無いんだからッ!」
と言いながら、スカーレットの蹴りが俺に飛んでくる。今直撃すれば回復したバリアが台なしになる。力押しじゃ負ける。俺は身体をのぞけって交わした。そのまま蹴りは抱き枕に命中してアニメキャラの胴体を真っ二つにした。ケイスケが見たら泣いて葬式までするであろう光景だ。
『うわァァァ!キミカちゃん、なんてとこで戦ってるんだぉ!!』
あぁ、うるせー…。
『なんてとこでって?男達の欲望が集う場所だよ』
『そんな抽象的な表現はいいですお!』
「くぅぉ!」
スカーレットのパンチが俺の頬をかすめる。
危うく顔面に喰らうところだった。そのパンチは18禁同人誌の棚をぶち壊してその場に薄い本をまき散らした。
「殺す気か!」
「殺す気よ?」
今度はコスプレ衣装が飾ってあるマネキンを俺がグラビティコントロールで奴の背後に持ってきてやった。へへ、背後からの敵襲だぜぇ!
だが奴は気づきやがった。振り返りざまに回転蹴りをマネキンに食らわせる。胴体が真っ二つになった。だが、俺は奴の視線が俺から外れるのを待っていたのだ。
俺は正面にグラビティディフレクターを作動させて、そのままタックルを食らわせた。
「ぐぅッ!」
スカーレットの身体はエロゲとアニメ週刊誌、DVD棚とポスター棚を突き破って店の外に吹き飛んだ。一か八か…!俺はそこでスカーレットの飛んでいきそうな場所に霧雨AIの速射砲の着弾点にマーキング。着弾点のマーキングというよりもターゲットのマーキングになった。スカーレットの身体が四角のボックスで囲まれて、次の瞬間。
速射砲の衝撃波だろう、スカーレットの身体は吹き飛んだ。
『うわぁぁぁ!!外で戦ってくださいですぉぉぉ!!』
『今、外に吹き飛ばしたよ』
『ちゃんと普通に店の外に出ていって欲しいですぉぉ!!うわぁぁぁぁ!!お気に入りの店だったのに…』
『通販で買いなYo!』
おふぅ。こんな事言ってる場合じゃないや。
タイガー戦車をぶっ壊そう。そうすりゃスカーレットのバリアも切れる。