終末論シリーズを私なりに解釈してみました - 1 - 「しゅうまつがやってくる!」

前回のよりもちょっと簡単な終末論シリーズを解釈してみました。
他にも色々と解釈があると思いますが、こんな解釈もあるよって感じでPVを見るのがまた楽しくなってもらえたらと思います。

しゅうまつがやってくる!

D
少女は最期まで何が大切なのかを訴え続けた

国のエラい人
こぞって机とにらめっこ
何も進展(かわら)ないよ
知ってる現実(こと)だけ知らんぷり

国の偉い大人達は様々な摩擦や紛争を解決するべく話をし合うのだが、お互いが譲歩する事もなくただ時間だけが過ぎていった。
少女は『本当に大切なもの』が何なのか知っている。大人達はそれを無視して無かった事にしている。

今日も曲がり角
偶然だね、とウソをついて
きみのひだり キープ
5分と笑顔が宝物

待ち構えて「偶然だね」と嘘をついて「キミ」の左に寄り添う少女。
大人達が摩擦や紛争など富の分配に目を光らせる中で、少女にとって大切な宝物は「キミ」と一緒にいるたった5分の時間と「キミ」の笑顔だった。

“世界が”どうなっちゃうとか
全然実感わかないよ
ただ君との距離が今、肌と両手に伝わる
幸 福 感

世界がどうなるのか、そんな小難しい事は少女には全然実感がない。
少女にあるのはただ「キミ」との距離が肌と両手に伝わる感覚だけ、それだけだった。

終末がやってくる!
そんなこと別に 興味ないんだ
週末がやってくる!
今度こそ想い 伝えなくちゃ

この週末に「キミ」に思いを伝えようとする。
終末なんて少女にとってどうでもよかった。

世紀末の大予言も
オオハズレ 人類ビックリです
シュウマツロンだって きっと
宇宙人?かなにかのイタズラでしょ?

少女にとって世紀末の大予言や終末論だのの話は宇宙人か何かのイタズラだと思っている。だって、実際に大外れして人類はびっくりしているじゃないか…と。

国のエラい人
こぞって机とにらめっこ
何も進展(かわら)ないよ
知ってる現実(こと)だけ知らんぷり

今だに国の偉い大人達は様々な摩擦や紛争を解決するべく話をし合っている。お互いが譲歩する事もなくただ時間だけが過ぎていくのも相変わらず。
少女は『本当に大切なもの』が何なのか知っているから、大人達はそれを無視しているのがどうしてなのかわからない。

君は 突然さ
『遠く』に行ってしまったんだ
大人たちのヒトコトで
幸福論なんてチリ紙で

そんな中、「キミ」が突然「遠く」へ行ってしまった。実際に遠くに行ったわけではない。ただ、大人達に言い寄られ、どこかで読んだのだろう何かの思想に毒されて。
少女が大切にしているものと、「キミ」が大切にしているものの齟齬が生まれた瞬間だった。

“世界が”なんて知らないよ
「戦争?」「天災?」知らないよ
ただ君との距離が今、肌と両手に伝わる
喪 失 感

少女にとって大切な宝物は「キミ」と一緒にいるたった5分の時間と「キミ」の笑顔だった。お互いがそんな価値観を持っていたと信じていた少女だったが「キミ」にも裏切られたと自覚する。
世界がどうとか、戦争や天災や、そんなものは知らない。
ただ今あるのは「キミ」との距離が離れていく、それが肌と両手に伝わっていく喪失感だけだった。

終末がやってくる!
そんなことホント 興味なかった
週末がやってくる!
どうしよう気持ち 伝えなかった

そんな少女を無視して世界には終末がやってくる。
伝えられなかった自分の気持ちを引きずる少女。

抑えきれない想い
願い 夢 うたをつめこんだ
てがみ 一つじゃ足りないの
どれだけ書いても 伝わんないんだ もう

少女は抑えられない気持ちを手紙に書いた。願いや夢やうたも詰め込んだ。でももうそれを「キミ」に渡しても伝わらないんだと諦める。
人々は暴力に支配されてお互いを信じあっていなかった。どんなに手紙で「キミ」に伝えても、また他の人に言い寄られて連れていかれてしまうのだろうから。

両手じゅう想いのピース
『送る相手?』知らないよ
それならば いっそのこと
世界中にばらまいてしまおうか?

少女は一つの決断をする。
自分の思いを世界中にばらまいてしまって、世界中の人々を幸せにしてしまえば、きっと「キミ」にも少女が大切にしているものの意味を知ってもらえると思ったのだ。
少女の両手いっぱいに抱えた手紙には「ピース」…平和があるだけだった。

しゅうまつがやってくる!
愛のうた ひとつ いかがですか
どこかのだれかがちょっとでも
笑顔になれるよな 世界なら

終末がやってくる。
愛のうたを広めてどこかの誰かが笑顔になれるような世界にしてしまえば、きっと「キミ」も戻ってきてくれる。そう信じて、少女は手紙を広める。

終末がやってくる!
君はもうやってこないのにな
週末がやってくる!
君はもうやってこないのにな

どんなに手紙を広めても少女の気持ちは伝わらなかった。
自分の気持ちを打ち明けるために、待ち焦がれていた「週末」
でももう「キミ」がやってこないのなら、そんなものもどうでもよくなった。

終末がやってきても
もう二度とこないで 大嫌い
週末がやってきても
もう二度とこない だれかの笑顔
しゅうまつがやってくる!…

少女は『本当に大切なもの』を最初から知っていた。
大切な人と一緒にいるたった5分の時間と大切な人の笑顔だった
もし国の偉い大人達がそれを無視しなければいがみ合うこともなかった。世界に終末もこなかった。
だが終末はやってくる。
もうあの人の笑顔は二度とこない。

次回は、「僕らの16bit戦争」です