21 タイガー・ランペイジ 3

街が見える高架橋の上で車が停まった。
ビルの間からタイガー戦車の巨体が見える。大戦中は別名『歩く要塞』と呼ばれていて今でも子供から大人まで兵器マニアの間では人気のあるタイガー戦車、その実物が眼下にいる。確か…発電所みたいなのが中にあって、そこからバリアを発生させるので防御力が半端ないんじゃなかったかな。
俺は『ドロイドバスター』に変身した。
と、同時に脳裏に響く声。
『こんにちわ』
『ん?タチコマ?』
声からするとタチコマみたいだ。
『ん?違いますよ』
『でも声優さんは同じような気がするよ』
『ああ、それはタチコマと基板が同じAIだからではないでしょうか』
『ああ、なるほど。君が艦砲射撃のAIだね』
『正確にはイージス艦「霧雨」の管制コントロールAIですね』
『あたしが位置を指示して、そこに弾をぶち込んでくれるわけだね』
『はい。頭の中で「ここに着弾させる」と思うとこちらから支援砲撃します。砲撃の種類は速射砲と長距離砲の2種類の使用許可が出ています。長距離砲は指示してから着弾まで約4秒、速射砲は着弾までは約0.2秒。速射砲は精密射撃が出来ますが、直線位置に障害物がないことが条件です。分厚い壁があれば貫通出来ません』
おし。では出撃しますかね。