12 ショックウェーブ 4

シャオメイの蹴りで粉砕された岩石の一部を宙に浮かべる雄輝。くるくると回転させてみる。岩石は炎を上げていて一部が熱で液体化している。
「これもテレキネシスの能力ですか?」
テレキネシスの応用というか、別のパターンだな。普通は雄輝のように物体を手を触れずに動かす能力だが、物体を構成する分子そのものを細かく振動させる事で熱を産み出し液化させている。私の蹴りは衝撃波と、この『熱を与える』特性を持っている」
「俺…自信が無くなってきたんですが」
「雄輝、サイキックの能力は一種類ではない。多種にわたるそれらの能力は人によって得意・不得意がある。お前にはお前の蹴りがある。私と同じ事が出来ないからと私よりも弱いと決め付けるのはおかしい。私はお前が私よりも強いと思ったから勧誘したのだからな」
「え…マジですか。マグマキックなんて出せないけど、別の凄いのを出せるようになるのかな」
「…出せるようになるのかもしれないし、蹴りそのものは弱いのかも知れない。おそらく後者だと思うが」
「やっぱり弱いんですか…何が得意なのかな、俺は」
「まだはっきりとは言えないが、お前はヘッドレスの能力が高い。私よりも素早く、正確な動きが出来るだろう。その果てに何があるのかは私もよく分らない。とりあえず、今のお前の与えられた課題はライフル弾を力を使って止める事だ。私の様に火が出るような蹴りをしろというわけではない。力が弱いのならそれを制御して、一点に一瞬だけ集中させればいい」
「一点に一瞬だけ…か」
(何かかなりでかいヒントのような気がするぞ)