12 ショックウェーブ 3

「手本を見せてやろう」
シャオメイが岩の前に立つ。
「いいか。力というのは出すものではなくコントロールするものだ」
シャオメイが蹴りの構えをする。
「つま先にエネルギーを集中させる感覚で、それを分散させず回転させてターゲットに叩き込む。ただし命中させて終わりではなく、そのままスピンをイメージしながらテレキネシスの射程範囲ギリギリまで放出するように」
シャオメイの蹴りが岩にあと5センチほどで命中しそうになった時、メキッと岩石にヒビが入り、そのヒビは岩から地面、背後の壁や的に一瞬で広がり、ヒビの間からは真っ赤に解けた溶岩状のものが噴出している。この間僅か1秒。次の瞬間、一気に衝撃波が脆くなったそれらの岩石、石、背後の壁、的を駆け巡り、熱せられた箇所に酸素が当たる事で火を吹いた。粉々になったそれらは火山の噴火口のように真っ赤に熱せられながら吹き飛んでいった。
そして、まるで傍で爆弾が炸裂したかのように周囲の空気を吹き飛ばして、呼吸がし辛くなる。
「ちょっ…」
雄輝は唖然としていた。
衝撃波は遥か200メートル向こうの木々も倒したり傾けたりしながら山にぶち当たった。
「また壁を修理しないとならんな」