11 リージョンサーチ 2

雄輝は始める前から行き詰っていた。
だがシャオメイに会えるチャンスはそうなかったのだ。彼女は軍の別の仕事で忙しいらしく連絡もあまりつかなかった。ある日いつものように軍病院に訪れると普段射撃場にいる兵士の一人が雄輝にシャオメイが今日は来ているという情報を伝えた。
ロビーに向かうとシャオメイが数名の兵士と話をしている。
雄輝は他の兵士にかまわず割り込んで、
「ヒント教えてくださいよ、ヒント」
と言った。
「何か進展はあったのか?」
「まったくなかった。ヒント教えてよ」
「…ヒントよりもまず、お前は自分が出来るとは思っていないだろう?」
「え?」
「出来ると思わないと出来る事も出来ないぞ」
「ん〜…」と暫く考えた後、「一回も出来ていないからできると思うも何も、自信の欠片も持ち合わせてないですよ」と答える雄輝。
シャオメイはため息をついた後、
「テニスでオリンピックに出ろと言われた奴が、テニス未経験だった場合はどうする?何もせずにいきなりオリンピックに出るのか?まずはテニスの練習をするだろう」
「そりゃまぁ…そうですね。この場合は何をするんですか?」
「まずかカードの裏に何が書かれているのか当てるところからか」
「あ、なるほど」