9 就職 6

車で向かった先は浄水場だった。
雄輝が友達と一緒に登ったパイプラインもすぐそこだ。
普段は関係者以外立ち入り禁止の柵が設けてある浄水場の門が開いていて、車はそのまま中へと進む。そして整地された広い場所へと止まる。その下には何かしらの設備があるのだろう、設備の一部が同じ感覚で地下から出ているのがわかる。
「ここ?」
まるでお姫様でもエスコートするように、手を引かれて案内される雄輝。
暫くすると反重力コイルのヘリ音が聞こえる。小型のアサルトシップだ。
「すっげぇ。これで移動するんだ」
『迎え』はそこまでだったらしく、後はヘリのパイロットと数名の兵士と共に、雄輝は軍病院へとヘリでの移動となった。