12 ごまかし 2

「どうも匂うだろ?"大ボス"が捜査に直接こまかい指示を出している件も。そして、補導履歴の入力忘れ。な〜んか、おっかしいと思わねぇか?そんで、極め付けはこれだ」
堀江は金下から渡された印刷物の内一つをテーブルに叩き付けるように置いた。
「この男?誰っすか?」
「名前見てみろ、名前」
「柳川…」
「大ボスと同じ苗字だ。調べてみたら案の定って事だ」
「あ?あぁ!…堀江さん滅茶苦茶カン鋭いッスね」
「だろ?だろ?息子の罪を隠す為に、色々と根回ししてんだろう。と、俺は推理したワケだ。島根県警の大ボスの息子が、補導暦があるって時点で俺の中ではスキャンダラスなんだがな…」
「事実隠蔽が日常的に行われていた可能性があるスね。そんで今回の件も同じようにやれば…ってことで」
「で、俺達の登場ってワケだ。まぁ、まだ決まったわけじゃないからな。それより俺って探偵とかやったほうがイイんじゃねぇ?イケてるか?」
「イケてるッスよ!マジで!」
「だろ?!」
二人の声は店内に大きく響いていた。だが興奮した二人はそれにはまったく気付かなかった。