12 ゲーマー 8

EAI社に再び訪れた東屋。
今度は彼の孫を連れてだった。
たまたま休憩室でコーヒーを飲んでいた青井の前に孫の雄二を紹介する。
「前にゲームに詳しい奴が欲しいと言っとったじゃろう?わしの孫なんじゃが、どうかの?四六時中ゲームばっかりしとる不肖の孫なんじゃが、役に立つと思うんじゃが」
「ええっ?!」
「使ってやってはくれんだろうか」
「いや、まぁ、俺はかまわないんですけどね…上の許可取らないと」
「おう、そうか、とってくれとってくれ。わしの名前出していいから」
青井は『上』に許可を貰いに階下へと降りていった。その間、東屋と彼の孫と、小山内の3人は青井が戻ってくるのを待った。終始無言だった。
その後、階段を駆け足で上がる音が聞こえる。
「貰ってきたぞ」
青井がそう言って、プラスチックのラバーケースに入ったカードを差し出した。それを見て「これは…?」と雄二が言うと「入退室カードだよ、コンピュータルームのな」と返す青井。
「あ、」
「警察の人って事で参加OK貰ったよ。よろしくな」
「よ、よろしくお願いします」