12 ゲーマー 6

家へ帰った雄二は廊下でパートの仕事から戻った母親と出会った。
「ゆう君、どこ行ってたの?」
「んなことテメェには関係ねーだろ」
通り過ぎようとした時、
「ゆう君、さっきおじいちゃんから連絡があってね、」
と母親は言いかける。
「はぁ?ジジイが俺に何の用事なんだよ」
「ゆう君にしか出来ない仕事があるって…なんだったかしら?」
「は?」
「ロードオブなんとか…」
雄二はもうそれ以上の続きを聞かなかった。
彼の祖父に詳しい事情を聞きたくなった。もしかしたらLOSシステムの件で彼の祖父が何かしら関係しているかもしれないと思った。自分にしかできない仕事が何なのか知りたくなった。ひょっとしたら友達を救えるかもしれないと思った。生まれて始めて誰かの為に何かをしようと思った。
すぐさま彼は2階の自室へと駆け上がった。
部屋に祖父の連絡先が書いてあるメモが残されている。
そしてすぐさま祖父へと電脳通信する。
祖父は電脳化はこそしているものの、電脳通信などはあまり利用しているとは思えない。だから半ば通信は繋がらないと諦めていたが、何故か繋がった。
『ジジイ、俺だよ。雄二だよ』
『おぉ、雄二か、どうした?』
『どうしたじゃねーよ!なんだよ用事って』
『おお、そうじゃったそうじゃった。あのな、今わしが担当しておる事件でな、ゲームに詳しい人が欲しいんじゃが、雄二、ゲームに詳しくなかったかの?』
『ロードオブシャングリラ?』
『うん、それじゃの』
『事件って何が起きてんの?』
『ん〜…わしはあんまり詳しくないんだ。どうだ?やってみるか?』
『ん、ああ。やるよ』
『そうか!それじゃあ、今から迎えに行くから、待ってろよ』