155 デス・ノート・オブ・ネクロノミカン 8

気がつけば俺も男性化していた。
その俺の日本人としても一般的な175センチぐらいの身長よりも高い位置から白くか細い腕が身体を抱きしめてくるのだ。そして男性向けのコロンの香りが漂ってくる。
「どうして逃げるんだい?何やら急いでいるようだけど」
…え?
どなたですか?
俺が振り向くと…そこには金髪の『美少年』が居た…身長は俺よりも10センチかそこら高い、いかにも女性向け漫画に出てきそうな青い目をした美少年…コーネリアの男モードが!
えぇっと…やけに流暢な日本語ですね…。
って言おうと思った俺から出た言葉は、
「お前には関係ないことだ…」
いや、まぁそうなんですけどね!なんで顔を赤らめた感じで言ってるんですかね!ツンデレなんですか?!さっきの責め系キミカとは全然違うキャラじゃねぇか!どうなってんだよ腐女子の描いてる漫画は!キャラがシーンごとに性格変わってんよ!!
俺はコーネリア(男性版)を振りきって歩こうとする…一瞬、俺は少し期待した。これでコーネリアと離れられるからだ。腐女子的な展開になると思ってたけど肩透かし展開なのか?続きは次週で!って奴?だとしたらいいのに!
と思って踏み出した一歩…の前に、コーネリアの身体がグイッと割り込んでくるのだ。
そして、いつの間には俺の身体は廊下の隅に追いやられた。
ダンッ!
と、コーネリアの腕が俺の左右に伸びて、牢屋のように出入りさせなくする。俺はコーネリアによって壁の隅に追いやられて逃げ場を失ったのだ。
「そこを…どいてくれないか…」
「顔が赤いよ、キミカ」
なんでやねーん!!!
なんで顔が赤くなってんねーん!!
「そんなわけは…クッ…」
青い目のコーネリアの顔を見つめてしまっている俺。というか俺はフルパワーでコーネリアから視線をずらそうとしてるんだが、さっきから身体が自由にならないのだ。
「話すときは人の目を見て話すものだよ…キミカ。いや、訂正しよう…『僕のキミカ』」
いつからお前の所有物になったんだよ!!
っていうかヤバさ10割増だよ!さっきから鳥肌がバンバン立ってるよ!!
「別に、そんな…意図はない…」
「どうしたんだい?顔を赤らめて…そうか。わかったよ。忘れられないんだね…キミカ。その身体が僕の味をすでに覚えてて、僕以外の男では満足出来なくなりつつある…」
おいおいおいおいおいおい!!!
俺は一回でも男モードのお前とエッチしたことないよ!
っていうか俺以外の男ってありえねぇだろお前もありえないのに!
なんで俺はホモ前提なんだよ!!
…え?
えぇぇぇぇええぇぇ?!
なんかこの人(コーネリア)、俺の下半身触ってんですけどォ?!
思いっきり俺のポコチンをマッサージしてるんですけどォォ?!!
それを周囲の女子が立ち止まって見てんですけどォォォ?!!!
「もう、こんなにしてるね…」
いやいやいやいや!ありえねぇっつぅの!
男にチンコ触られて立つとかありえ、
立ってるよおいおいおいおいおいおい!!!
なんで?!
俺、全然興奮してないのに立ってるよ?!
おかしくね?!
その時だ。
コーネリアの細く長い指が、ズイッと俺の口の中に入ってきたのだ。もう強制フェラチオ状態だ。後ろから抱きかかえるようにして掴んだ腕、そのもう片方の手で俺の口に強制フェラしている。手で!!
「んはァ…」
熱い息を吐きながら俺の口から吐き出されるのはコーネリアの指。
コーネリアはその指をそっと俺の…肛門に、
おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!!!
どこに入れてんねん!!
そこ一番入れちゃダメなところだろ!
ウンチが出てくるところだよ!決して入り口なんかじゃないんだよ!
「ん…ぐ…はぁ…あぁ…」
「感じてる時のキミカの顔が一番愛おしいよ」
やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
すると、コーネリアの唇が俺に唇に重なりそうになる。
うわぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!
うわぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!
…。
ん?
寸前で止めてるぞ?!
俺はストーリー展開の中で必要だから止めてるけど、コーネリアの場合は全身の筋肉が何かに抵抗してる。まるで悪者によってコントロールされた見方が最期の力を振り絞って、その洗脳に抵抗しているかのように、全身の力を振り絞って、もう血管とか浮き出て、筋肉ピキピキ動かして、目の下とかピクピクピクピク痙攣しながら。
(んちゅ…)
おいおいおいおいおいおい!!!
関係無かった!耐え切れなかった!
よく頑張ったなコーネリア…(涙)
結局コーネリアの唇は俺の唇を塞いで、その断面で漫画のコマ的には終了したのだろう、周囲の空間は黄昏カラーが解除されて、現実の世界へと変わっていった。
そこには美少女コーネリアが美少女キミカにキスしてるシーンが…。
お互いがお互い目を見開いて、キスを解除する。
「「ゲェェェェッ!」」
美少女同士でキスしてたからヨシとする声もあるが、一瞬でも男のキスしていたという記憶があるので俺もコーネリアも生理的に受けつけず、ゲロがこみ上げてきそうになる。
…。
そしてコーネリアの指は俺の、
おいおいおいおいおいおい!!!
やっぱ肛門に入ってるヨォオォオッ!!!
相変わらず違和感があるんだけどォォ!!!
コーネリアの細い指がピクピク動いてるんだけどォォォォ!!!
(ビュボッ!)
肛門から涎まみれの指を引っこ抜くコーネリア。俺の腰から力が一気に抜ける…。
「ンンンノォォォォォォオォォォオオオオゥゥゥゥウウゥゥ!!!」
コーネリアが俺の肛門から引っこ抜いた指を空高く掲げて叫ぶ。
っていうか、それはこっちの台詞だよ!
いいよな、お前は入れられる側じゃなくて!
「モウコチラノ手ヲ使ッテ食ベ物ヲ食ベル事ガデキマセーン!!」
「そ、そっちは、お尻を拭く時の手に使うといいね…」
「利キ手ナノニーッ!!」
泣いているコーネリアをよそに、俺はふらふらしながらも更衣室を目指したんだ…。