154 ハナガ…サイタ…ヨ… 2

結論から言うと、メイリンはそれから、学校に盗撮用カメラを密かに仕掛け、台数は限られているので翌日、それらを確認してはまた別の場所に移す、というのをやっていた。
そしてクラスメートの変態外国人と俺の4人でその映像を見ている。それだけではクラスの女子に気づかれてしまう可能性があるため、クラスの男子もそれに混じっている…傍から見たら異様な光景だ。
最初は着替え中の盗撮だ。
「ふふふ…これが私の、コレクションで、一番」
などとニヤついた顔で体育後の女子更衣室の動画を俺のaiPadで放映するメイリン
しかし、俺達は身体が女の子で心が男の子なわけで、女子更衣室で女子が着替えているものは確かにエロいとは感じるものの、見慣れた光景なのだ。
メガネ掛けてからなぁ、やっぱ盗撮だったのかよ、っていう。あのメガネの中に小型カメラが仕込まれているんだよね。今は視聴覚デバイス内に超微細なカメラ仕掛けて電脳内のメモリに録画っていう警察でも絶対に気づかない方法でやってるからな、本職の人は。だからメガネに仕込むっていうのは古典的なんだ。
「ここからが面白い」
メイリンの盗撮カメラは一人の美少女が着替えている様を捉える。
クラスの男子ども(肉壁)から歓声があがる。
出るところは出ているDカップの柔らかそうなおっぱいにスレンダーな腰、そこからスラリとのびた白い足…そしてピンクのシースルーなランジェリー。髪はツインテールの初音ミンクを思わせる2本の金髪。そう、コーネリアだった。
それをガン見している。
ガン見だ。
もう誤魔化す素振りも見せない。
固定カメラじゃないのかっていうぐらいに、ガン見。
さすがに違和感に気づいたコーネリアは「Heeeeyy…」と言いながらブラウスの間からピンクのランジェリーを覗かせ下はパンツ一丁というハレンチ極まりない格好でメイリンに詰め寄ってくる。メイリンのほうが背が高いので見下ろす目の前には白い胸の谷間。
どうやらコーネリアはメイリンのメガネにカメラが仕込まれているのはわかっていて、それを手で奪いとろうとしているようだ。だからカメラには白いおっぱいがチラチラと見える。
英語で何か言ってるが雰囲気からすると「おいカメラで撮るのをヤメロ」
「「「おおおおおぉぉぉぉ!!!」」」
再び男子から歓声があがる。
なんとメイリンは…って「なんと」って付けなくてもありきたりなわけだけれど、メイリンはコーネリアの白いおっぱいをもうブラの中に手を突っ込んでダイレクトにモミモミしたのだ。その清い程にスマートなモミっぷりと急展開に男子は全員前屈みになる。
「Hey!Oh…Ahhhh!!Shiiit…」
アメリカのAVにもありがちなシーハーシーハーっていうエロいため息を吐くコーネリア。でも声がアニメ声なので、本当に声を聞くだけでも自分が犯罪を犯しているんじゃないのかって疑ってしまうレベルだ。
「やばいやばい!メイリン!音小さくしてよ!」
「そうだった。フヒヒ」
声が漏れる。
クラスの女子の何人かがこっちを見てるじゃないか!
それからだ。
映像の中ではいよいよコーネリアが本気になり、グラビティコントロールを使ってメイリンのメガネを取り上げた。メガネの映像は床などを映しながら、叱っているコーネリアの声だけを拾い続けた。
「あーあ。取られちゃったね」
「これから、面白い」
「え?」
ニヤニヤと笑っているコーネリアを見て、なんだかこれから何が起きるのか察しがついた…案の定、さっきまで床を映していた映像はメイリンの姿を映し始める。
体育が終わった時の体操着とブルマの格好、そんな姿の黒髪の美少女(デカ乳)であるメイリンの姿が映されたのだ。
「おい、何をする!やめろ!ああああぁぁぁぁ!!」
エッチな声がaiPadから漏れる。
「やばい、音が大きくなってるよ!」
「私の声、大きくなっただけ」
「小さくしてよ、バレちゃうよ!」
「あんたち、さっきから何やってるのよ?」
「「「「うわぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」
俺達4名のドロイドバスターと、クラスメートの男子が一斉に声をあげて完全にaiPadの周囲を封鎖する。しかし音だけは、喘ぎ声だけは響く。
クソッ!クラス委員長のユウカの野郎が嗅覚を尖らせていやがった!
「あッ!あッ!!!アアァァッ!!」
「何よ、イヤラシイビデオを見てるんじゃないでしょうね!!」
アタリです…。
「あッ!!!あああああ!!ヤメロ!コーネリア!ああああ!!」
「いまコーネリアの名前が出てきたわよ!」
慌てて俺はストップボタンを押してから、aiPadをキミカ部屋(異空間)へと吸い込んだ。こんな時に便利なんだよなー。異空間は。
「女子は関係ないでしょ!どっか行ってよ!シッシ!」
犬でも追い払うように俺は手でシッシッシッ!というジェスチャー
「アンタも女子じゃないのよ!」
まぁ見た目はな!見た目は女子だけどな!
証拠が何もないとわかると渋々ユウカはその場を離れた。
「行った行った!」
「続き見ようよ!」
俺とマコトが鼻息を荒くして言う。
再びキミカ部屋から取り出す。
いちおう、ミュートで。
「ふぅ…」「これは家で一人で見たいですね」「なかなか良かったよ…一人で見たい」などと、感想を男子が言う。
「特にメイリン嬢の尻をペシンペシン叩くシーンが…」
「「「(生唾を飲み込む音)」」」
と、そこでメイリンが一言。
「このビデオ、コピーして欲しかったら500円、持ってくる」
「売るんかい!!」
俺はすかさずメイリンにツッコミの一撃を加えた。