154 ハナガ…サイタ…ヨ… 1

その日、俺とメイリン、マコト、そしてコーネリアの多国籍クラスメート4名は近所の商店街へと学校の放課後、足を運んでいた。
「なんだか、ワクワクする」
とその巨乳な胸を躍らせるのはメイリンである。
何がそんなにワクワクするのかっていうと、俺が昼ごはんを食べてる時に財布の中のレシートを整理していた時だ。
「なんだこれ?あぁ、期限切れそうなチケット発見」
とテーブルの上にソレを置いたのだ。
商店街の『福引』券だ。
第4の首都に山口県が選ばれてから、俺達が住んでいる街は一変して、様々な県外企業がビルを立てて駐車場を造り、モールを造り、文字通り、既にそこにあった商店街を有無を言わさず駆逐してきた。
その急激な成長に殆どの市民は追いつけず、外国人やら県外から来た人はモールなどを利用し、もともとここに住んでいた人は商店街を相変わらず利用しているという2形態の客が存在する状態となったのだ。
で、俺もその中の一人で、スタバなどがある旧市街地の商店街を利用している。ある団子屋で購入した夜食を購入した際に福引券を貰ったのだ。
たぶん、普段お世話になっている旧市街地を利用してくれてる市民達への感謝を込めた、って意味での福引だろう。
でも俺はそんなのすーーっかり忘れて財布の中の肥やしにしてた。
「おい、そのチケット要らないのならくれ!」
「くじだよくじ。商品引換券じゃないよ」
「わかってる!それで1等を当てたら1億、貰えるのだろう?」
「どこの世界で商店街のくじで1億出す店があるんだよ」と、あまり期待しないほうがいいと、前置きをした上で俺はメイリンにくじをあげた。
しかしメイリンは見事1等を当てやがったのだ。
「あ、あたった…あた、あた、あたった…(中国語で何か呟いている)」
しばらくしてから、嬉しさのあまり小便をもらすメイリン
「Hey!!!何シテルンデスカァ!!」
「ウヒ…ウヒヒ…」
うわぁ…無関係を装いてぇ…。
「ちょっ、メイリン勘弁してよォ…また僕達が変な目で見られちゃうよォ…クラスメートとかアンダルシア学園の生徒いないよね?」
キョロキョロしてるマコト。
「Holy Shit!!」
その場を離れるコーネリア。
「あららら、お嬢ちゃん、大丈夫かい?!おしっこ漏れてるよ」
「あぁ、気にしないで、いつもの事ですから」
とにかくマコト案でこの場からメイリンを連れてさっさと離れ、人気がないところまで移動するべきだという結論に至る。そして10分程度で商店街の裏手にある公園へと放心状態のメイリンを連れてきたのだ。
メイリーーーン!!!起キナサーイ!!!」
コーネリアがメイリンを揺さぶるが一向に放心状態から解放される気配がない。顔は赤らめてはぁはぁと息を荒くし、口から涎を溢す、まさにマジキチな状態。しかたがないので俺達はメイリンをコーネリアの膝の上に乗せて、その白いケツをマコトと俺の二人で交互にペシンペシンと叩いた。
これで起きないわけがない。
「ンハァァァァァァァァァアアァァァァ!!!」
苦痛に顔を歪ませてメイリン目を覚ました。
「私の、一等、どこだ!!」
「ここだよ、これ」
一等ってなんだったんだ?
メイリンはゆっくりと正確に一等の商品であるダンボールの開封の儀を行なっていた。まるで俺がMappleに注文したMapが家に届いた時のように。
すると…そこに現れたのは…。
「なんだこれはァァ!!!」
メイリン発狂寸前だ。
「落ち着きなよ!」
「一等…なのに、なんだ…この、意味、わからない…日本、嫌い」
ポロポロと涙を流して言うメイリン
ある意味笑える…。
「ん〜…商店街で売れなかった品で高そうなのを1等にしたっぽいね。だから言ったじゃん、こういう福袋系って売れないものを詰め合わせるもんだよ」
「ちょっと待て、これ、高いのか?」
「高いんじゃないの?」
そう、メイリンが当てたのは盗聴用の小型カメラのセットだ。セットってことは様々なバリエーションがあるのだ。
ペンライト形式やら遠隔操作形式、小型ドロイド形式などなど…これでもかっていうぐらいに盗聴マニアにはうってつけの…。
よくまぁこんなの売ってたなぁ、警察に文句言われてもしょうがないぞ。
「凄いよキミカちゃん!これ、お医者さんが使う胃カメラって奴じゃないの?!凄いよ!!」
「何が凄いんだよォ…だいたい胃カメラなんてどこで使うんだよォ」
「どこでって、フフフ…これをキミカちゃんのアソコにそっと入れて処女膜がどういう形をしているのかを…」
「まず自分に入れてみて試してよォォォ!!!」
俺はマコトの首を締めながらそう叫んだ。
それからメイリンを振り返って言う。
「オークションに出せば売れるんじゃないのかな?でも、アキバでも同様のグッズを扱ってるだろうから、原価よりは安く買い叩かれると思うけど」
「ふふふ…それよりももっと、面白いことに使える」
「え?」
俺もマコトもコーネリアも、その時のメイリンの怪しげなほほ笑みが何を意味しているのか…既にわかっちゃったけどね。
「Hey!!コノ盗聴マニア!!」
ペシンとメイリンの尻を叩くコーネリア。
「エロいもの、金になる!」
「は、犯罪だよゥ!!」
「ちょっ、あたしは映さないでよね。あたしの盗聴は既にあの馬鹿(ケイスケ)がしこたま繰り返してるんだから、今はそこら中にあたしの盗聴映像がばら撒かれてるよ、価値ゼロだからね」
「フッ…私の盗聴センス、市販ビデオと一緒にするな」
俺の盗聴映像が市販ビデオだとゥゥゥ?!