7 石見圭佑先生の兵器説明会(リメイク) 2

視界に展開されてる武器リストを俺は眺めていた。
どれも普段テレビやネットでは見たことがないようなデザインタイプの武器が並んでいる。マスコミが放送する大戦時の映像では歩兵に焦点はあてられてない事が殆どだから実は裏では武器も発達していったのかもしれない。
とりあえず名前は見ないで片っ端から引っ張りだしてみることにした。
まずは…FPSで俺が好きな武器である『アサルトライフル』と似たような形状の武器。ただ発射口の部分はライフルに比べると口径が大きくヘリなどに搭載されてるミニガンと同じぐらいの大きさだ。
色は真っ黒で、これもコスチュームに同じく黒を基準としたデザインのようにも見える。今のこの身体(女の子)ではこの大きさは大きい部類ではある。
「それは『レールガン』だにゃん」
「れーるがん?」
超電磁砲。電気の力で銃弾を高速に連続して撃ち出すものですぉ。軍艦とかについてるファランクスっていう、ミサイルや砲弾を弾幕で防ぐ時とかに使われてるマシンガンの一種ですにぃ」
「すっげ…。カッコイイなぁ…でもやっぱり、戦車とか装甲が分厚いのを貫通するにはちょっと辛いのかな?」
「ん、まぁ…(とメガネをキリと上げる)対人戦闘になったら十分に使える性能でもありますにぃ…しかも一般人でも使えるぐらいの重さ、サイズですにゃん。あぁ〜つまり、変身前でも使えるっていう」
「なるほどなるほど。あ、それであたしが取り出した時は手に持てたんだ」
「ですにぃ」
「んじゃ、次は…」
一番気になっていたのは、弾丸の射出口がかなり派手に凹の形になってる武器。まるでカタパルトみたいな形。それでいてかなりの長身で、これもまた女の子が持つにはちょっと大きい。っていうか、これを持って戦車の周りをウロウロするのは身動きが取り辛そうだな。
なんとなくだけど長距離狙撃をする為の武器って感じがする。
「それは『プラズマライフル』ですにゃん。レールガンが高速に弾丸を撃ち出すのに対して、プラズマライフルはプラズマエネルギーで高速かつ長距離でも威力が落ちないように弾を撃ち出して、弾と周囲のプラズマエネルギーごと対象にぶつける事が出来る銃だにゃん」
「な、なるほど、この凹の部分はライフル弾を加速する滑走路の役割をしてるんだね、いやぁ、最近の技術は進んでるなぁ…」
「まだ未発表の実験段階の狙撃銃ですにゃん」
「…まじでェ?!え?もしかしてレールガンもそうなの?」
「そうですにぃ」
「凄いじゃん!」
俺はそのライフルを構えてスナイパー気取りになって、ケイスケの向かいの家のあのオッサンがタバコを吸ってるのを遠目に見ながら狙いをつける。
そして、
「射程ってどれぐらい?」
と聞いてみる。
「有効射程は5000メートルですにゃん」
「5000メートルゥゥ?!5キロ…撃たれてもどっから撃たれたか全然わかんないぐらいの距離じゃん…」
「スナイパーライフルっていうものはそもそもそういうものですぉ…」
「まぁそうだけど」
「貫通力が弱くなってもいいのなら最大で10キロの射程距離がありますにぃ。まぁ、こうなってくるともうコリオリ力とか考慮して弾道計算を行う必要がありますので、発射までのタイミングはかなりズレますけれども」
「凄い!凄すぎる!10キロぐらいで人は殺せるぐらい?」
「ですにぃ。5キロでは30ミリの非バリア装甲は貫通できますにゃん」
「…これがあればあんなに近づいて刀ブン回さなくてもよかったじゃん!危険な事させて…ちっくしょう…」
「ま、まぁ、通常の戦車は対戦車ライフル除けとしてほぼバリア武装してるし、特殊な防弾加工施された装甲を貫くには装甲の弱い部分を狙うか、同じ箇所を狙うかしなきゃいけないから知恵使わないとアレですにゃん」
「…」
さぁ、次だ次。
その隣にあるのは、これはわかるぞ。
以前の戦闘でも使ったことがあるからね。
『ショック・カノン』を取り出した。
「それはショックカn」
(バキッ!!!ズゥゥン…)
俺が取り出したバズーカ砲のような形状の武器、ショックカノンはテーブルを真っ二つにへし折って床を突き破って地面にめり込んだ…。
「なんでそれを取り出すんですかォォォ!!!」
「取り出さないと説明できないじゃん!」
「外でやって欲しいですにぃ!あーあ!キミカちゃんのせいでテーブルが木っ端微塵になってしまいましたァ…ロシアから取り寄せた白樺の木で造られた非常に高価なテーブルが…キミカちゃーん、弁償ゥゥ〜」
「ショック・カノンだけにショーック」
「面白くないですにゃん!!!」
「それよりどういう内容の武器なの?」
「え、ちょっ、テーブル壊したのはスルーですかぉ?!」
「もー!人の命とテーブルとどっちが大切なんだよ。この武器は人の命を助けることもあるんだよォ…テーブルなんて白樺の命でしょォ…」
「…それは『ショック・カノン』ですぉ!!前に説明したから先生は二度も三度も説明はしませんですにぃ!!」
「名前はいいから、内容だよ、内容」
「まぁ、ようやくすると波動砲とかいう部類の武器ですにぃ」
波動砲!!そうか…これが宇宙戦艦ヤマトに搭載されていたという…」
「…ち、違いますぉ。なんでそんな白亜紀に放送されてたようなアニメの話をするんですかぉ…ドロイドバスターのエネルギー衝撃波に変換して放出してるにゃん。だから(重力波による)波動砲。だから、キミカちゃんが変身した後にしか使えない武器ですにゃん」
「あぁ、重いしね」
「いや、そうじゃなくて!!!まぁ、確かに重い武器ですけれども…(と床下にめり込んだショックカノンを見て)。ドロイドバスターのキミカちゃんのエネルギーを使って撃っているわけですにぃ。つまり変身後じゃないと使えないですぉ。だから弾の装填の必要は無いですにゃん」
「凄いじゃん!」
ふむふむ。
それじゃ次にいくか。