150 天上TENGA唯我独尊・IROHAにほへとちりぬるを 6

終わりの会。
それは今日の授業が終わる最後に行われるホームルーム。明日何か行事が行われるのかだとか今日の反省とかをユウカ学級委員長様の元で行われる。
教室の端の椅子にはケイスケがそのデブの身体を横たわらせている。
「はい、今日はこれまでです。先生、何かありますか?」
とユウカが担任であるケイスケに話を振る。
「ありますにゃん!」
「は?はい。」
ケイスケが壇上にあがる。
そして教卓の上にコトン、コトンとプラスティック形状の親指大のそれを置いたのだ…紛れもなく、それらは俺とコーネリアのIROHAだった。
「最近、学校でこのようなオナニー道具を持ってきてオナニーしてる破廉恥な女子高生がいるという話を聞いておりますにゃん!!っていうか、アラフォー先生からまた苦情がボクチンに来てしまったニィ!!(睨」
とケイスケは俺とコーネリアを交互に睨む。
「ったく、先生はあの後、キミカちゃんのエロい姿を思い浮かべてトイレで3回もオナニーして『石見先生、早く出てくれませんか、私もそろそろ限界なんですよ、お腹のほうが…』とか教頭先生に叱られてしまったではありませんかぉ!」
しらねーよそんなの!!
「というわけで、このローターは没収しますにぃ」
「ファッ?!」
「なんでー?!」
俺とコーネリアが同時に叫ぶ。
そんな光景を見てクラス委員長であるユウカはウンウンと頷いて、
「久しぶりに先生がマトモな事を言ったけれど、まさにそのとおりよ!学校にこんな卑猥なものを持ってくるなんて、ありえないでしょふつぅ!」
「そうですにぃ!没収ですにぃ!」
間髪入れず俺はケイスケに問う。
「ぼ、没収して何に使うんだよォ!!」
「もちろん、味噌汁の出汁に使うニィ…。二人の愛液が染み込んだこのローターはさぞかしエロティックな出汁が出ると、」
「うわッ!最ッッ低ッッ!!」「キメェ!」「やっぱりやると思った」「毎回毎回発想がいちいちキモイんだよね」「いちいち言うなよ…」
クラスメートからブーイングの嵐。
「だまらっしゃい!!」
怒鳴るケイスケ。
いつもの光景だ…。
はぁ。
俺のIROHAが。
クソ…ケイスケは変態の癖に俺達が学校でオナニーするのがそんなに嫌なのかよ?…いや、待てよ。待て待て。よくよく考えると俺達がオナニーするほうが後々ケイスケにとっていいと思うんだけれど、奴は目の前にある『味噌汁の出汁に使う』っていう短絡的な欲望を叶えるためにローターを奪い取ったのだ…だとすると、
「先生!」
俺は手を上げて立ち上がった。
「な、なんですかぉ?」
「先生は…それで本当にいいんですか?」
「へぇぁ?!」
ダンッと机に手を叩きつけて迫真の演技で迫る俺。
「先生がそれを没収したとしましょう。あたしたちが学生だからもう一台余分にIROHAを買うだけのお金なんてあるわけがない…。すると、先生はもう二度と、あたしたちがIROHAを使ってオナニーしている瞬間を見ることはできなくなるんですよ?それが本当に先生が望んでいる事なんですか?!」
言ってて自分が恥ずかしくなってきた…。
でも、これもケイスケの心を入れ替えてもらうためである。
女子達はこの俺の訴えに黄色い悲鳴(悪い意味での)を上げ、男子達は歓声を上げた後、俺を応援するような言動を発する。
「むしろ先生はオナニーさせたい女子にIROHAを購入して配るべきだと思います!」という俺の提案にはメイリンが目を輝かせて手を上げた。
「くれ!」
と。
俺はうつむいて顔を真っ赤にして時間が過ぎるのを待っているキリカにも言う。
「そう思いませんか!キリカさん!」
「なんで私をそこで呼ぶゥゥ!!」
顔を真っ赤にして涙目で俺に叫ぶキリカ。
ケイスケは目を瞑り、眉間にシワを寄せて悩んでいる…そして悩んで悩んで悩んだあげくに…。
「ふっ…」
爽やかに笑った。
「先生…」
「わかったにゃん…これは、君達に返しますにぃ。そして、クラスの女子全員に先生からIROHAをプレゼントするにゃん!」
「いるかぼけェ!!」「アホか!!」「変態!いや、デブ!!」「ちょっ、既に先生としての意見じゃないじゃないのよ!」「欲望丸出しじゃんか!」
結局、ケイスケのクラスの女子全員にIROHAをプレゼントするという件については、女子はおそらくは心のそこでは欲しかったんだろうけれども公に(メイリンの様に顔を高揚させて『欲しい!』とは)言えないので、拒否。
俺とコーネリアのIROHAは返却。で、メイリンとマコトにはIROHAをプレゼントするという結末になった。
さて。
無事、俺の元に戻ってきたIROHAと共に、その日の夕方はお風呂にじっくりと浸かった。『こと』を終えてからハイボールジンジャーエール割などを飲みながらテレビでも見ていると、マコトもよそよそしくもIROHAの仕様書やら本体を持ってお風呂へと入っていく…あぁ、オナニーをするんですね、と俺は満面のゲス顔でそれを見送った。
それからケイスケも帰宅。
今日の料理当番はケイスケだ。
キッチンで肉を焼いたり煮たりする音が聞こえるなか、ナツコも2階から降りてきて「あら、夕食はまだですのね」と俺とマコトが今でゴロンとしているのを見届けて「ではお風呂にでも入りますわ」と言ってお風呂へ向かった。
小一時間してナツコもお風呂から出てくる。
「「「「いただきます」」」」
食事の前の挨拶をしてからさっそくケイスケの作った料理を楽しむ。
が、そんな中、1人だけ様子がおかしい人がいる。
ナツコだ。
顔を赤らめてホワホワと湯気を頭から出している。お風呂上りだからと言ってももう結構な時間は経ってるはず。
「ナツコ、熱でもあるの?」
「わ、わかりませんわ…身体がなんだかポカポカしてて、なんだかムズムズするというか…とにかく何か変な気分ですわ…」
俺とマコトは顔を見合わせてから、
「風邪でも引いたんじゃないの?」
などと言ってみる。
しかし、様子がおかしいのはナツコだけではなかったのだ。
にぃぁがいつの間にかお風呂に入ってて、今しがた上がったようなのだが、いつもの4足歩行ではなく2足歩行で現れたのだ。しかもバスタオルを1枚ほど身体に巻きつけただけで普段ならそんなセクシーな格好はしない。
「にゃぁ〜ん…」
2足歩状態での「にゃーん」は違和感がある。
まるで挑発するかのように、ケイスケの側に寄ってくる。そしてケイスケの太ももの上に腰を下ろしたのだ。
「…」
「…」
俺とマコトは一体何が起きるのだろうかと顔を見合わせて、またにぃぁの次の行動を見張った。当のケイスケなんてのはドギマギして鼻息を荒くしている。
普段なら掌なんてのは人間様のように5本を器用に使うことはないにぃぁなのだが、今は何故か人間様のそれと同じく、ケイスケがナイフとフォークを持つ手をそっと触れて、それからそれらを奪うと机の上に置いた。
まるで「食べてる場合じゃないでしょ?」とでも言いたげに…。
「にぃぁ…な、なんですかォ?!」
そのケイスケの手をそっと取ると、自らの豊満なおっぱいへと近づける。そして、むにゅむにゅむにゅとケイスケの手を押し付けて柔らかいおっぱいを楽しませてあげてるようなのだ…!!
俺とマコトは目ン玉が飛び出るかと思うぐらいに驚いた。
ナツコなんて赤面したままうつむいてそっちをみないようにしてる。
「えぇぇぇ?!一体何事ですかォォォォ?!」
鼻息を荒くしてケイスケが驚いている、その唇を思いっきり、
「(んちゅ)」
にぃぁの唇が塞いだ。
「「!!」」
側で見てる俺とマコトは驚いて食事どころではない。
そしてにぃぁが…。
「きなさい」と…ニッコリ微笑んでケイスケの手を引っ張って2階へと上がっていったのだった…。ちなみにケイスケは返事として「はい」と素直に答えていた。
二人がこの後、2階で何をしたのか…それは伏せておこう。とにかく、俺とマコトはそれを含めて妄想しながらもIROHAを楽しんだのだった…。