150 天上TENGA唯我独尊・IROHAにほへとちりぬるを 4

教室に戻る俺とナノカ。
そしてユウカ。
「大丈夫なの?」
とアラフォーの奴はユウカに聞くと、
「多分、大丈夫です」
と答える。てめぇ…。
「本当?なんか、さっきは菅原さんだけがアヘ顔だったけど、今は藤崎さんもアヘ顔になってるわよ?」
「自業自得です。ミイラ取りがミイラになっただけ」
「保健室で休んでおいたほうがいいんじゃないの?」
「洗い落としたから大丈夫だと思いますよ?」
大丈夫じゃねぇッつぅの!!
「ならいいわ。授業を再開します。では、藤崎さん、PDFの69ページから」
ン…だとゥ?!
「ふぁ…ふぁぁぃ…」
産まれたての子鹿のように足をガクガクさせて俺は立ち上がる。
もう顔はアヘ顔通りすぎて『ヘラヘラ顔』になっている。その状態で震える手でPAD(教科書用のパネル端末)を手に持って、69ページまでスライド…。ん…。69ページ…シックス・ナイン…シックスナイン…。
「ちょっ、どうしたのよ?何をヘラヘラ笑ってるの?いい加減にしなさい」
コォ…んの野郎ゥ…。
シックス・ナインの体位を妄想しただけだろうがァ!!
突然クラスの男子の一部(キミカ・ファンクラブ)が立ち上がって、
「姫?大丈夫ですか?」
と言い出すのだ。さすがに立っているのも精一杯な俺のガクガクブルブルの足を見ての事だろう。
「支えますよ、姫!」
などと言いながら俺に近寄ってくるのだ。おいやめろ!
「こ、こないれェ…」
「し、しかし、今にも倒れそうじゃないですか?」
「らぁぁぃじょうぶ、らからぁ…あッ」
倒れる…。
ってところで、見事にファンクラブ団員が俺の身体を抱きかかえるようにキャッチ。と、その時、案の定、全身性感帯状態な俺は、
「ひゃぁぁぁあぁぁぁッ!!」
(ビクンビクンッ)
…。
(ビクンッ)
…。
(ビクッ)
…。
イッてしまった。
なんてこったい、男の腕の中でイッてしまうとは。
「ひ、姫?」
「はぁ…はぁ…(涎」
「?!」
クラスメート全員が注目するなか、俺はファンクラブ団員の腕の中でエクスタシーを迎えた…男子は全員、それが何を意味するのかを動作だけで理解してしまい、理解できずとも女子は全員、何が起きてるのかを大体わかっていた…本能で。
「れ…れったぃに…ゆるしゃない…」
「え?!」
俺はスカートの中に手をツッコんで自らの股間から溢れ出る愛液を手にとって、そのまま団員の口の中に濡れ濡れになった指を突っ込んだ。
「ふぁごォ?!」
「ふぅ…ふぅ…」
ニヤリと俺は笑ったあと、ハンカチを取り出してパンティーにそれをくっつけ、震えながらゆっくりと着席。
壮絶な光景にさすがのアラフォーも目を点にして、そして「えっと、次の人…PDFの69ページから」と話を逸らす。
小一時間で授業は終了した…。
その間、ナノカのほうを見てみると、顔を真っ赤にして前の席の女子の頭のほうを睨んでいるのが見えた。耐えているんだな…ってのが見て取れた。
一方で俺がIROHA汁を口に無理やりつっこんだほうの男子は悔しい事にキョトンとしてた。が、俺がそいつのほうを真っ赤な顔をして睨んでいるのに気づくと顔を赤らめて勘違いしていた。クソッ…どうやら男にはTENGAのほうしか効かないらしい。どういう構造なのかわからないが男と女で興奮細胞が違うのか?
俺は俺で授業中はずっとパタパタとうちわで顔をずーっと仰ぎっぱなしだったよ。クソが!!アラフォーの奴が俺に当てなければ男の腕の中でイクなんて失態をすることはなかったのに!!ぁあんの野郎ゥ…覚えておけよォ…。
休み時間。
ナノカは変態のソレのイッちゃってる目のまま廊下に飛び出てトイレの方へと走っていった。おそらくはオナニーをするのだろう…。俺は俺ですでにイッてしまってるからスッキリとした顔をして団扇で仰いでいる。
「姫、さっきは一体どうされたんですか?」
団員の1人が顔を赤くして聞いてくる。
「がるるるるるる…」
睨む俺。
危険を察知したのだろう、団員は聞いてきたソイツを含めて俺の射程範囲外へといそいそと逃げ出した。
次に集まってきたのは変態、いや、外国人3名だ。
「さっきはどうした?」
と鼻息を荒くして話しかけてくるのは中国人のメイリン
「ナノカの身体にIROHAのナノマシンが付着してたみたいで、それがあたしにもワケあってくっついちゃって、興奮しまくってしまったよ」
「お、おい!私にもつけろ!」
何を言い出すのかと思えば…。
「ちょっ、」
メイリンは俺のスカートを捲し上げてIROHAを奪おうとする。が、俺はさっきのアヘ顔キミカではない、素早く身体を宙へと持ち上げて半回転してメイリンの手を払いのけると、そのままバックターンして着地。カンフー映画も真っ青な回避行動をとってIROHA奪還を阻止した。
「ちぃッ…」
コーネリアはコーネリアで、
「私モ、ハマゾンデ先ホド購入シマシタァ」
とニンマリ顔。「今日ノ夕方ニ届クソウデス」と笑った。
メイリンも買えばいいじゃんかよ!」
「金がない!」
切実な顔だ。
「だからと言ってあたしのは貸せない!!これは歯ブラシとかパンツとかと同じ位置づけなの。他人に貸し出せるようなものじゃないよ。ほら、プラスティックに見えるけれど微細な穴が空いてるんだから。水で綺麗に洗い落とせないし、なんか気分的にも嫌なんだよね、他人が使ってたものをオマンマンにくっつけるの」
「私は構わないぞ!」
いや、お前の事は聞いてねぇし!