149 簀巻きラバー 3

その後、俺達はユウカの家のユウカの部屋に居た。
妹はシャワーを浴び、タオルを首から垂らしておっぱいを辛うじて見えなくさせるという高等テクニックを俺達の前で披露している。まぁ、女の子同士だからこの程度のエッチな格好でもいいのだろう。俺は男だけど。
しかしその頭にはたんこぶが2個ほど出来てて、
「おねぃちゃんのぐーぱんがまだ痛いよゥ…」
と言っている。
「いぃ?!アンタはやっちゃいけない事をやってたのよ?!」
などと怒っているユウカ。
「やっちゃいけないの?」
「そうよ!!」
俺は今だに「足や太ももにバターを塗って犬に舐めさせてはダメ」というのを教えられてる女子中学生というのは見たことがない。
「大体誰に教わったのよ、こんな卑猥な事!!」
「自分で探求した」
「余計悪いわ!!」
凄まじい探究心だ。この姉がいてもこの妹か…もしかしたらユウカも変態の素質があるんじゃないのか?なんて目で俺はユウカを見ていたら、すかさずグーパンが俺の鳩尾に狙いを定めて飛んでくるではないか。
「あッぶな!!」
座りの姿勢だから簡単には回避できなかったが心眼道の受け身で力点をずらすことでダメージを回避した。
「ユウカ妹には変態の素質があるとすると、ひょっとしてユウカっちも変t」
「ありません!」
ナノカの一言を一蹴するユウカ。
さらに言う。
「オナニーをするって発想がそもそも変態よ!女はオナニーなんてしなくてもいいのよ!生理がそれを賄ってるんだから!」
妹はすかさず、
「オナニーって?」
さすがにこれには俺もユウカもナノカも目をまん丸くして今にでも目玉が飛び出そうになるぐらいに驚いた。コイツ、オナニーを知らずにその『域』まで達したというのか?!俺は目の前に今まで見たことがない仙人の域に達した『何か』がいるのを今更気付いたかのような神々しさすら感じてしまっていた。土下座すらしそうになる勢いである。
「お、オナニーっていうのは…その…まぁ、なんていうか、アレよ。アレ。自分自身で自分の性感帯をアレして…まぁ、気持ちがいい事をする事よ。でも普通、女子はそういうのはしないもんなのよ?」
「自分の性感帯をアレ…犬に舐めさせる?」
俺とナノカは同時に飲んでいたお茶を吹き出した。
「犬に舐めさせるとかハイレベルな事はギャグ漫画ぐらいでしかありえないわよ!っていうかその域を自分で開拓するとか、奇跡よ奇跡!!」
「ギネスに載るかな」
「載せるな!」
空気を読んでかナノカも間に入り、
「でもさ、でもさ、角オナとかしてる人いるよね」
すかさず俺は、
「誰がしてるの?!誰が誰の机で?!」
ナノカの両肩を掴んでガクガク震わせながら問いただす。
「って、雑誌に書いてあったァ」
「クラスの中で誰かやってたのかと思ったよ!!」
間髪入れずにユウカ妹が言う。
「角オナ?」
「アンタは知らなくていいの!」
臭いものに蓋でもするかのように封じ込めるユウカ。
「机の角にアレを擦りつけて1人エッチする奴だよォ…。まだ性の知識がない女の子がよくわかんないけどなんだか気持ちいいっていうので始めちゃうんだよね。小学生ぐらいからそういうのはあるのかな?」
などと言葉で説明するだけではわからないだろうから、俺はスカートを捲し上げて股間をユウカの机に擦りつけながら、
「こんな感じで…あッ…あぁ〜ん…気持ちいぃ…」
ジェスチャーで説明する。
「ちょっ、妹に変な事吹きこまないでよ!」
とにかく性の知識を妹に与えまいとする姉…しかし、好奇心はそんなものでは封じ込めることは出来ないと思うんだけれど。変に性の知識を得るのを阻害させてしまうと偏屈な変態が生まれてしまうっていうのは昔から言われてる事。
「そうやって情報封鎖するのはよくないと思うけどなー」
「な、なによォ…学校で習うからいいじゃないのよ?」
「学校では角オナなんて習いませんンン〜!」
そんな事を言ってる俺達をよそに、ユウカ妹は茶菓子を食べながら、頭をゴシゴシとタオルで拭いて、
「なんだか気持ちいいなぁ、っていうのなら、キミカおねぇちゃんとお風呂はいってる時にオマタの間を擦ってもらってからなんとなく、」
と言い出すではないか!!
おい!やめろ!!
すかさずユウカのチョークスリーパーが俺の背後からキマる。
「アァンタァ…なんて事してくれてんのよ、人の妹に!!」
「ギブ…ギ…ヴ…」
「コーネリアねぇちゃんとマコトねぇちゃんも混浴した」
「アァァ?!」
さらに締め上げるユウカ…オシッコが…オシッコが、
「漏れちゃゥゥゥ!!!」
素早く手を放すユウカ。
「ふぅ…ふぅ…」
「人の部屋でオシッコ漏らさないでよね!」
「ま、まだ寸止め…」
助かった…。
「とにかく!」
ユウカは妹に向き直り、指をオデコにツンツンと当てながら、
「そんな『破廉恥』な事してたら彼氏に嫌われるわよ!」
と怒る。
「か、彼氏じゃないもん…」
興味津々でナノカも質問する。
「返事はしたの?!」
「してない…」
「付き合っちゃいなYo!」
なんて身勝手な…。
「デートに誘われた…」
俺もナノカもユウカも急展開に再び目ン玉が飛び出そうになる。
「え?マジで?」とナノカ。
「返事も貰ってないうちにデートに誘ってくるの?」とユウカ。
「いや、これは…評価を上げたいと願う男心かな」と俺。
二人は俺を向いて、
「「なにそれ?」」
と聞く。
「そりゃぁ、ユウカ妹が返事を返さないから嫌われちゃアカン!って今、必死になってるんだよ。自分をアピールしないとね。あのキモぃ…失礼、心が入り過ぎちゃってる手紙だけでは本物の自分を伝えきれてないって思ってるのかも。または、あまりにキモ…失礼、心が入り過ぎてる手紙を今更後悔してるのかも」
「なるほど。確かにキモい手紙だったわ」
おい。
「んじゃ、まぁとりあえずデートに行ってお互いの事を知るってのが必要なのかもね。もしかしたら性格が合わないかも知れないしさ。中学生だからお互い嘘は言わないだろうし、いい機会だと思うよ」
と俺はまとめてあげる。
「おやぁ?キミカっちが建設的な意見を」
なんだよそれは!俺はいつも卑屈な意見ばっかりみたいに聞こえるぞ!
「あたしはいっつも建設的だよォ?(ゲス顔」
「あ!キミカっちめぇ…簀巻き好きの男の子に妹さんの変っぷりがご披露されてドン引き・尻尾巻・逃亡を見届けようって魂胆ですねぇ?(ゲス顔」
「アンタ達!!人の妹をなんだと思ってんのよ!デートは成功させますゥ!まずはお布団ファッションから遠ざからないとダメよ!徹底的にレディとはなんたるかを叩きこんでやるわ!」
などと言い出す。
「ダメダメ。ユウカが叩き込んだらおばさんファッションになるよ」
「ンだとゥ?!」
「あたしのファッションセンスじゃないとダメだね」
鼻で笑う俺。
認めざる得まい…なにせ俺のファッションセンスはケイスケ直伝のエロゲファッション。可愛い女の子を決定的に可愛くして敵を寄せ付けないほど突き放すレベルなのだ。まさに男の子の心を射止める意味での『殺人的』ファッションだ。
ご理解いただけたようで、やっぱ俺とユウカとナノカで明日、ショッピングモールへ行くことになった。