127 魂と英知のドロイドバスター 2

「おっぱいが当たってる!おっぱいが!」
俺にチョークスリーパーをキめていたキサラはそのおっぱいを離してから言う。
「例えばあんたはUindowsパソコンは使う?」
「使うわけ無いじゃん?!」
「じゃあUindowsパソコンに興味がないわよね?」
「もちろん興味なんてこれっぽっちも無いよ?!」
「もしあなたがアカーシャクロニクル・ライブラリの能力が使えたとして、だからと言ってあなたはわざわざUindowsパソコンについて調べようと思う?」
「あぁ…なるほど…」
「わかってもらえたかしら。アカーシャクロニクルは興味がある情報だとかキーとなる情報がなければアクセスできないのよ。あんた、そんな事も知らないの?小学生でも知ってるわよ?」
「さすがに小学生は知らないでしょうに」
「とにかく。アカーシャクロニクルは言わばキーとインデックスが張り巡らされてるデータベースのようなものね。どんな知識も入ってるけれど先頭から順番に見ていくとかそんなのは無理なのよ。知識に紐付くキーがあって初めてデータにアクセスできるの。何しろ中身には地球外生命体のデータも入ってるんだから。他の生物の概念がまったく違うものを突然読み込めたら、そりゃ頭がおかしくなるわよ」
へぇ〜…。
信じられないような話だけども、どうやら地球外生命体がいるらしい。じゃなくて、地球外生命体の知識もアカーシャクロニクルには含まれているらしい。生物全般なのか。
「つまり、キリカはキミカに興味があったからキミカの事を調べたわけね…んまァ!いやらしいわね!」
なんでだよ。
しかしキリカは俺の顔を少し見てからすぐに顔を赤らめて目を逸らしt…えぇ?ちょっ…マジで?!ええぇぇぇえぇ?!
マコトが俺を心配そうに見つめてから言う。
「き、キミカちゃん。リアクションとる為にフリスクいる?」
「いらない…炭酸とセットじゃないと意味がないよ…」
「そうだね…」
しかしさっきからキサラは何が楽しいのか満面の笑みだな。
その満面の笑みのまま、
「本当に、凄いわね!ドロイドバスター戦隊組めそうじゃないの?もし戦隊組んだら私はセンターだからね!レッドがいいわねぇ…そう!レッドよ!レッドでセンターが一番目立つんだから!」
「そっかぁ…レッドはあたしが狙ってたんだけど、取られちゃったからもういいや。戦隊には入らないね…」
「え、ちょっ、何腑抜けた事言ってんのよ!」
「いいよいいよ、みんなで楽しんで」
そうもいいつつ俺はうるさい犬を追っ払うように手で「シッシッ」とやってみる。その意味を察したのかキサラは、
「がるるるるるるるるる…」
と唸り声を上げた。
「キサラが戦隊モノに出てくるのならイエローだね」
「あぁ、そうねぇ、私はカレーが好きだしイエロー丁度いいk」
と途中まで言ってから俺の頭にチョップをかまして、
「なんでやねん」
「あとイエローはお菓子やお茶が大好きで最後は主人公たちに戦うことの厳しさを教えて、モンスターに頭齧られて死ぬんだよ」
「なんなの?巨乳繋がりってこと?」
「…」
俺はゲス顔でキサラのおっぱいを睨んだ。
これはDか?
いや。Eだろうか。
しかしEと見せておいてFとかGとかありうる。むしろFとかGは大きすぎてホルスタインとか乳牛とか呼ばれたりするから本人は絶対にブラを買う時にEを買ってはみ出んばかりの勢いでおっぱいをその小さな地区へ凝縮させてしまうのだ。
俺のゲス顔…いや、いやらしい視線に気づいてか気づかずかキサラはジロリと俺を睨んだ。それから、
「大切にしなさいよ?」
「へ?」
「あら…てっきりお二人はお似合いかと思ってたけど」
「え、ちょっ、」
「ほら、なんとなく雰囲気もぴったしあってるし…ねぇ、マコト。あんたもそう思うでしょ?」
突然キサラはマコトに質問を振る。
「えぇ?ぼ、ボクにその話題を振るの?!」
「うんうん。アンタはキミカとずーっと一緒にいるからわかるんでしょ?私よりも詳しくわかってるんでしょ?」
え?何?なんなの?
なんか嫌な予感がしてきたぞ。
マコト、何も言うなよ?
「え?ま、まぁ…その…」
言うな…言うな!!
「ほらほら、言ってごらんなさいよ?キミカだってまだ気づいてないかもしれないんだから!二人がお・似・合・いってところに!」
やめろォォ!!!
「うーん…まぁ確かにキミカちゃんとキリカちゃんは…雰囲気が似てるねぇ…なんとなく」
やめろォォォォォォォォォォ!!!
「どう似てるの?どのあたりが?」
「たとえば…ひとりぼっちのところとか…」
「やめろォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
俺はマコトのか細い肩を掴んで血走った目で言う。
「ぼっちじゃないよ?…ぼっちじゃないよ?」
「う、うん。ぼっちじゃないよ。キミカちゃんの側にボクはずっといるよ…そう、キミカちゃんの心の中に…フリスクいる?」
心の中かよ?!
それぼっちじゃね?ぼっちになってね?
フリスクいらないよ?!
何俺のリアクション期待してんだよ?!
それを横で見ていたキリカはクスクスと笑いながら、
「大丈夫…私もキミカの側にいる…」
(いつも心の中に)
…。
こ、こいつ!!直接、俺の脳に語りかけてきた!!