120 第1次マカー vs ドザ闘争 6

その日は結局、ドザの写真をとってホログラム・モデリングを行う人に向けて送信した後、そのまま家に帰った。
そして家に帰ってからの食事。
「…という事があったんだよ」
と俺はみんなに話した。
「ボクはパソコンとかわかんないからなー。そういう派閥争いみたいなのがあるっていうのは聞いたことあるけど」
とマコト。
「マカーとドザ闘争は昔からありますわね」
とナツコ。
「昔ってどれぐらいから?」
「そうですわね、コンピュータの歴史とほぼ同じぐらい…100年ぐらいは誤差がありますわ。西暦2000年ぐらいから続いていますわね」
「へぇ〜…」
「その頃は名前も今とは違うものでしたけれどもスタンスは今と同じだとWikipediaには書かれていますわ。つまり〜…Mac社が開発してNicrosoft社がパクるという…」
「その頃からそうなの?!」
「ですわねー…」
「Nicrosoftって独創的な考え方が出来ない人間が集まってるんだろうな。コンビニでいうところのイレブン・セブンのような」
「な、なんですの?イレブン・セブンの陳列商品とかでも特に他のコンビニと違いがないような気もしますけど…」
「イレブン・セブンの扱ってる商品って『無難に売れてる』商品ばっかりなんだよね。どの年齢層にも売れてるものばっかり並べてるからイレブン・セブンがあればとりあえず生活に困ることは無いかもしれないけど、じゃあ、そんなところで買い物して楽しいのかって言われたらそうじゃないんだよね。例えばふぁみまとかは一週間おきぐらいに初音ミンクキャンペーンとかやってたりして、ミンククジ引きに行列とか出来たりするし、ロウソンとかはアニメ特集をいつもやってるし、そういうコンビニってとりあえず入ってみようかって気分になるんだよ。それがコンビニとしてどうなのかって言われると『コンビニ』の名にそぐわないことはわかってるけど、やっぱり人生はただ生きてるよりも楽しく生きていたいじゃん?そういうコンビニで買い物してる人達ってみんな、目が輝いてるよ。『来てよかった。売り切れだと思ってたとある魔術のレールガンのフィギュア、まだ余ってたし。はぁ、これさえあればまた生きていける気がする』って感じてるのが顔に出てる。でもイレブン・セブンの場合はさ『腹減ったなぁ、今日は何にしようかなー。あーめんどくせぇ…とりあえず何か腹の足しになるもの入れときゃいいかー。あー生きるのめんどくせぇ』って感情が顔に出てるんだよね。みんな疲れたような顔してさ。ま、イレブン・セブンが目指すところは国民の生活を支えるコンビニになりたい、っていうことだから、別にそれはそれでいいけどさ」
「確かにそうですけれども、ふぁみまとかは初音ミンクキャンペーンの時は『みくま』に店名を変更したり、上場名すらも『ふぁみま』から『みくま』に変えて株主を混乱させたり、店内に初音ミンクの歌がキャンペーン中以外でもずっと流れてたりするし、店員に初音ミンクのコスプレさせたり、バイト採用基準に初音ミンクのコスプレが似合う人をあげていたりとか、どう考えてもふぁみま上層部には濃厚な初音ミンク信者がいるんだなーって思わせて一般客からはちょっと距離を置きたいコンビニになっていますわ。それにロウソンにしたって『ロウソン限定グッズ』が出るからそれを目的にロウソン加盟店になるアニヲタも居て、客にグッズを売らずに全部自分のものにするって店長もいますし、それが問題になってロウソン本社ともめたりしていますし、中国人がオークションに出して一儲けする為に全国のロウソンに長蛇の列を作って、あるロウソンでは店舗の前にコミケ行列なみの列が並んで途中でラーメン一郎の列を混ざって勘違いした中国人がラーメン一郎でラーメンを買ってネットオークションに出品したりして、何故かそれが落札されたりするトラブルも発生したり…よくも悪くも、個性的であればいいというわけでもないとは思いますわ」
「ふぅ〜ん…そういえばナツコも使ってるパソコンはMapなの?」
「今はそうですわ。前まではNicrosoft社のOSが搭載されたPCを使ってましたけれども、やっぱりUIがちょっとダメダメですわね。なんだか『こんな感じにMapをマネときゃ騙された馬鹿が買うだろう』感が漂ってきてて安くても使うものじゃありませんわね」
「ほほぅ。マコトは?」
「ぼ、ボクはキミカちゃんのノートとかMapProを貸してもらうぐらいしか…そもそもパソコンとかあんまり興味なくて」
「へぇ〜…。ケイスケは?何を使ってるの?」
「Vnixですぉ」
「…」
「…」
「…」
「な、な、な、な、なんですかォ?!Vnixの何が悪いんですかぉ?!優れたパソコン・サーバじゃないですかにぃ」
「いや、Vnixってなんなのかも知らないし…マイナーなパソコンなの?っていうかそれってOSの名前じゃないの?」
「VnixOSが搭載可能なパソコンをVnixと呼ぶ文化があるんですぉ。まぁ、どんなパソコンでも搭載可能だけれども」
「ふぅ〜ん…」
「VnixOSってどんなの?」
「パソコンの処理能力を120%引き出せるOS…かな(ドヤ顔」
「それだったら他のOSだってそうだよ?」
「それは宣伝文句として書いてるだけにゃん!」
とケイスケは「ムキーッ!」とでも言い出しそうに興奮して鼻息を荒くして顔を真っ赤にして言う。そして、
「例えばMapOSとかはUI(ユーザーインターフェイス)が優れているけれどもそのユーザーインターフェイスを実現する為に搭載されているCPUの処理能力を食い潰してるにゃん」
「え?別にいいんじゃないの?」
「ダーンメ!!ダメダメダメダーーーーーァァァンメ!」
「だってUIが無くなったらMapじゃなくなるじゃん…」
「Vnixは極力UIを削って削って削りまくってCPUの処理能力を純粋に処理のみに当ててる究極に『処理にこだわっている』OSにゃん」
「それって…どうなの?どんな風になってるの?」
「ふっふっふ…見たみたいですかぉ?」
「う、うん。興味本位だけど」