120 第1次マカー vs ドザ闘争 1

夏の間はスターバックスカフェの「フラペチーノ」ドリンクは非常に美味しさを増す。
一方でドドールの「ヨーグルン」も味だけで言えばフラペチーノに匹敵するインパクトを備えているのも事実だが、ドドールはお店に来る客層がちょっと多種多様過ぎて、MappleのMBAなどを使う俺にすると居心地が悪い空間である。あぁ、ドドールのヨーグルンを購入してスタバで飲めればいいのに。
なんて思いながらも今日もスタバ。
夏休みも終わって、スタバですらちらほらと見かけた小学生・中学生の連中は殆ど見なくなったのでいつものスタバに戻りつつある。実に素晴らしい。静かで、清楚で、美しい店内である。
「今日は何になさいますか?」
と店員に聞かれるので、
「いつものやつで」
と俺は注文する。
「いつものやつで」が通用するのは常連さんだけだよね。
俺の注文するフラペチーノはトッピングが多すぎて言い切ったら注文だけで原稿用紙1枚は軽く超えるんだよね。これは口の筋肉を無駄に動かしているってことになるし、もし俺のセリフが音声データとして記録されているとすれば、他の注文よりも遥かに多い量のデータ格納領域を使用するのでコストパフォーマンス的に悪いであろうと、本当にあるかもわからない音声データと、それを扱うシステムエンジニアまたはプログラマを気づかって「いつもの」ということにする。
さて。
俺は空いている席へと座りMBAを広げる。
至高の瞬間。
生きているというその意味を問われるのであれば俺は今、MBAを使えているという事がそれだと素直に話すであろう。
そういえば最近、俺はドヤリングのなかに新たな要素を組み入れようと考えていた。あ、ちなみにドヤリングっていうのは「自分が好きな物を人前で使っていてドヤ顔になるほど楽しむ」という行為であり、MBAの楽しみ方の一つである。
ドヤリングの新たな試みっていうのは、俺は今まではMBAの背面から視線が来て「お、MBAを使っているな!凄いな!」と見た人が思うであろうストーリーを想定していた。しかし、いざMBAの正面、つまり俺の背後からディスプレイを見ればそこには「キミカの部屋」っていう俺のブログがあるだけであって、あとは2chとかニュースサイトだとかが時々広がっているに過ぎない。
何か珍しいものがあるわけでもなく、見た人は「なんだ、MBA使ってると思ったけどやってることはブログ更新とか2chかよwwwwっていうかブログの来場者数すくねェwww寂しいなおいおいwww」って思ってしまう可能性もある。いや、この可能性はかなり高い。
何故なら日本人はやたら出る杭を打つ民族であって、その原動力は悲しいかな相手への僻み妬み以外の何物でもないのだ。
特にMBAとなれば学生では簡単には手を出せない金額だし、使うにしてもUindowsとは結構インターフェイスが異なるので慣れが必要だから、MBAが使えるというだけで十分に僻み妬みの対象になりうる。
では、そんな中でいかにしてソイツ等が「ぐぅの音」も出ないような状態に持っていくのか?
MBAなどのパソコンやらネットワーク端末やらの上だの下だのの話になれば以前、俺がスタバでキサラと繰り広げた闘争が新しいわけだが、結局キリがないし「資金力」の差になってしまう。金さえあれば素晴らしいマシンを手に入れる事はできる、が、それは結局、金だけで築きあげられたマイノリティに過ぎない。それが相手に伝わる時、とても惨めな気持ちになるのだ。
そこで俺は外見だけではなく「中身」も重要視するべきだと考えていた。MBAを持っている、というところまではOK。それだけではなく、MBAで何をするのか?が重要だ。
かと言って俺はマルチメディアクリエーターではないし、絵も描けないし、論文なんて持ってのほか。っていうか論文は「すげぇ!」ってならないよね?ブログ書いてるのとあんま変わんないし。
そんな俺でもできることがひとつだけあった。
まぁ、それが決して他の『専門家』よりも優れてるわけじゃぁないけども、それでも一般人には出来るものではない。
そう、プログラミングである。
実はまだ男だったころは友達も居なく…。いや、友達も少なく…ごめん、友達も「居なく」、人間以外の友達といえばネット端末…いわゆるパーソナルコンピュータだった。
ソフトウェアが自分が思ったとおりに動いてくれるという感動を覚えて俺はプログラミングの世界へと足を踏み入れ、Basic、C、java、そしてPascalなどなど…様々な言語を知識として手に入れた。本当にコンピュータ言語は美しい。人が人とコンピュータの間でコミュニケーションを行う為に創りだした言語だけれども、それがさらに特殊な言語へと成長させてしまっている。
コミュ障な俺でも扱えるコミュニケーション…それがコンピュータ言語だった。…あれ、なんだろう、自分で言ってて悲しくなってきた。
まぁ、いいとしよう。
そういえば俺はMBAをメインノートとして使うことに決めてからこの中でプログラミングをしたことがなかったっけ。いや、正確には、女の子の身体になってからプログラミングのプの字もやってなかった。これは恥ずべきことだ!
というわけで、さっそく俺はMBAでプログラミングを始めるための準備として開発ツールのダウンロードとセットアップする。
こんな(家の外の)貧弱な通信速度で大丈夫か?と言われるかもしれないが、大丈夫だ、問題ない。
そう、スタバならね!!
スタバにはスタバで仕事をする人達の為に無料で通信回線がオープンされていて、ネット端末さえ持っていれば使いたい放題なのだ。それが理由でスタバ経由でハッキングをしたりとかスタバ経由で違法なデータをダウンロードしたりとか、そういう結果にはなっているのだが、それでもスタバを経営する会社(なんていうんだっけ、忘れた)は笑顔で回線をオープンしてくれるのだ。
さて、Mappleのサイトへ接続して…ダウンロード…(0.00125秒)…終了!インストール…(0.0000000001252秒)終了!
本当かよ!?
本当です。はい(真顔)
もうすぐだ…もうすぐ俺のドヤ度がアップする!