117 コミュニケーション障害 5

それから後は間髪入れずにキャプテンから話掛けてきた。
これぐらいのタイミングで次から次への話してくれるのはコミュニケーションが苦手な俺からすると助かるなぁ。
「そうか、好きな人はいないかー。でも、藤崎は選びたい放題だよなぁー。ほら、その、それだけ可愛いんだからな」
「え…うん、まぁ…」
でも男を選びたい放題っていうのは悲しいだろう。食べ放題のバイキングレストランに行ったら並んでたのが全部ウンコで「どれを食べても90分1000円です!」って言われてるようなもんだしな、っていうかウンコ食わせてしかも金もとんのかよー!っていう。
「えっと、その、勘違いするなよ?勘違いするな?」
「ん?」
「別に俺がそう思ってるってわけじゃないんだけどな、俺の知り合いである人が藤崎の事が好きらしいんだが、で、その人がもしチャンスがあったら…聞いて欲しいって頼まれてたんだよ。勘違いするなよ?俺のことじゃないからな?」
「う、うん」
「どういうタイプの男性が好みなんだ?」
「え〜?」
どういうタイプって…俺はホモじゃないからどういうタイプだろうがお断りなんだけど…ま、まぁ、真剣にキャプテンが俺に質問してるんだから俺も真剣に考えないとな、
「ん〜…っと…」
「難しいか?」
逆転の発想だ、逆転の。相手が女の子だとしようか、どんな女の子が好きなのか?って言う質問だったとして返そうかな。
「えっと、まず…女の子に気軽に話し掛けるタイプはダメかな」
尻軽女はダメって意味だな。
「ふむふむ」
「あと、童貞じゃないとダメかな。結婚するまで童貞を貫いてるって感じの。一度でも他の女の子とセックスしたような男の人とは、ちょっとエッチはできないかなぁ…」
つまりビッチな女はNoってことさ。
「そ、そうか…。ふむ…。それで、顔とかはどうなんだ?顔はやっぱりイケメンじゃないとダメとか?」
「顔は…」
そりゃぁ美人なら美人がいいに決まってるんだけどもこれから結婚したりしてずーっと一緒にいるような関係だからなぁ、やたらと顔がよくて顔に自信があって…そういう人間って結婚してから浮気とかしそうだしなぁ。いつ浮気されるかとドキドキしながらの結婚生活は精神衛生上いやだなぁー。尻軽女じゃない場合でも「自分が美人である」事に気づいたらあっちゅうまに尻軽になる例もあるし。
「まぁ、顔は、モテモテな顔じゃないほうがいいかなぁ…かといって、見えるに耐えないお化けみたいな顔はちょっと」
「ふむふむふむ!」
「…自分の事を熱愛してくれる人はちょっとダメかな、ちょっとだけクールな面もあって自分の趣味とか主義主張とか仕事も大切にしているようなタイプな人がいいかな(これはストーカー避けだけどね)」
「ふむふむ…なるほど」
「もし自分が女だったらそういう人と結婚したいね」
「お、女じゃん…」
「あ、あはは、そうだね」
そうじゃん、俺、今、女じゃん…。
「キャプテンはどういう女の子が好きなの?」
「ええ?!お、俺は…」
とチラチラと俺のほうを見ている。
ん?おっぱいを見てるのか?
「おっぱいが大きな女の子が好きなの?」
「ち、違ッ、そういうんじゃねーけど…その…」
「ノーブラの女の子が好きなの?」
「違うって、違う!べ、別にそういう表面的なものじゃなくてだな…その、アレだよ、もっと内面的な、」
「内面的…膣の締まりとか、」
「ちがーっう!!!…んんんッ?!」
突然、アキラはどこかへ視線をあわせて驚いている。
「どしたの?」
俺がそっちを見ようとした時、目の前が真っ暗になった。
っていうか思いっきりアキラが俺の目を手で塞いだんだが…。
「な、なに?なんなの?!」
「いや、なんでもない、ここはちょっとアレだから他の場所にいくか!そうだな!そうだそうだ!たこ焼きとかたい焼きを買ってあげるから」
「なに?すっごい気になるんだけど?」
そうこうしているうちについにアキラの手は外れて、俺の視界にはとんでもないものが広がっていたのだ。
視線の先、そこにはカップルが。カップル、カップル、カップルの嵐。カップルエリアかここは?!
ったく、リア充どもが死ねばいいのに。
ん…?
んんんんん?!
おいおいおいおい!!
これはただのカップルじゃないぞ!青姦だ!青空セックス教室だよ!!そこらじゅうのカップルというカップルがセックスをしてるじゃないか!しかも服を着たまま…ゴクリ…。
男の上の女が浴衣姿で乗っかって、セックスをしているのだ。
これは凄い。
アダルトビデオには出会って5秒で合体などというシリーズがあるが、まさにどこでもかしこでも二人が存在すればセックス場になってしまうというアレなのか。っていうかこうきょうりょうじょくだっけ?アレに反するんじゃないのか?!おまわりさーん!!
もし俺が男だったらこんなシーンを魅せつけられたら言わずもがな真ん中の卑猥な『棒』が起立してしまって立っていられない、いや立ってはいるんだけど、立ってはいられないっていうアンビバレンツな状態に陥ってしまうところだったが、今は女の子なのだ。クリトリスが勃起したところで対して問題ではない、よかったよかった…。
いや、全然良くない。
俺のオマタの間からは男性のアレを受け入れるに十分なほどの愛液が垂れていたのだ…。
「やばい、またの間が…」
「え?!ま、股?!」
俺はダメもとでハンカチを探してみたがあるわけがない、男の時からトイレから出たら服でゴシゴシと水を拭く習慣があるのだからハンカチなんて最初から俺のストレージには格納できないのだ。そんなものが入る余裕があるのならポーションとか回復系のアイテムをびっしりと入れてですね、戦利品の様々な武器や装備などをダンジョンから持って帰って競売に掛けたりしてですね…(白目)
「く…くぅ…」
早く家に帰ってからたっぷりと時間を掛けてオナニーをしたい。
久しぶりにピンクローターの乳首とクリトリスと膣攻めをやってみたい。この興奮が冷めやらぬうちに!!
でも今はこの溢れんばかりの愛液を何とかしてせき止めねば。
汗でパンツがびっしょりだから吸収できるエリアをオーバーしてるんだよね、太ももに温かいものがツラーツラーとたれてくるのが分かってきてつらい。透明だから暗闇からは見えないんだけど、明るい場所に出たら浴衣の股間の部分がビショビショでオシッコ漏らしたんかこの女って思われるのが嫌なんだよね。