116 ヲタク・ロックンロール 6

ネット端末を開いてマスコミ関係のサイトを見る。
犯罪者へインタビューをしてくれ、しかもそれを湾曲しないで放送してくれる局を選ばなきゃダメだな。
T豚Sはダメだな、ニッポンテレビもオタクを嫌ってるし、NNKはそもそもオタクを金に利用しようとするだろうから良くも悪くも自体は悪化すると思う。
ここはオタク達の総本家となる放送局、東京テレビだ!君に決めた!
「東京テレビ…でも、東京テレビってこういう犯罪が起きても緊急ニュースに移行しないって有名だよ」
「チャンネルを変えてみましょう(ピコ)」
『すごぉぉーい、これ、全部でたったの一万円?!』
やっぱり通常運転だ。
どこのテレビ局もそろって緊急ニュースで秋葉原立て篭り事件を放送してるのに東京テレビだけはお昼の1万円均一のショッピングチャンネルを放送してるよ。
「よし、電話をかけてみましょう」
「え、ぼぼ、ぼぼぼ、僕が話すの?」
「だってほら犯人だし、あたしは人質だから」
「でも、その、あれだよ、僕コミュ障だからうまく話せないし、それに人質に代わりに話させるっていう犯人もいるし」
「んじゃ、あたしが話そう」
電話をかける。
『はい、東京テレビです』
『あ、えっと、今、秋葉原立て篭もり事件のアレで人質になっているんですが、犯人さんがテレビ局にインタビューをして欲しいって言ってるんですよ』
『え?え?』
『え?』
『はい?』
『東京テレビですよね?』
『はい』
『えっと、誰か上司の方は…話のわかる方はいますか?』
『しょ、しょうしょうお待ちください』
(2分後…)
『はい、はい、秋葉原立て篭もり事件?ですか?』
『あ、はい。それでですね、いま犯人がインタビューを…』
『インタビューっていうのは?今からですか?』
『あ、はい。テレビ見てます?』
『いえ、見てませんが』
『テレビ見てください、どこの局もやってますよ』
『あ、はい、つけました』
『立て篭もり事件をやってます?』
『えっと、全部でたったの一万円〜ってやってますね』
『それおたくのテレビ局のチャンネルですよね』
『あ、はい』
『それじゃなくて、えっとT豚Sとか…』
『はい(ピコ)』
『どうですか?』
『あ〜。はい、やってますね、戦場になってるとか言ってますね』
『それです、それ、それの犯人さんが、おたくのテレビ局にインタビューをしてほしいって、』
あーすいません、うちはそういうのやってないんですよ』
『え?』
『そういう緊急ニュースなんとかっていうのはやってないんですよ、よほどの事がない限り』
『でもほら、他のテレビ局じゃなくて東京テレビにだけ犯人が出演しますよ、って言ってるんだから、』
『あーはいはい、はい、そういうことね。はいはい、はい、じゃあ、夕方からでいいですか?』
『え?』
『うちは余程の事がない限り番組の調整は出来ないんですよ。前はほら、大震災の時にね、番組を途中で中断したことがあったでしょう?あの時アニメの放送中でねぇ、もうクレームクレーム。なんでアニメ中断したんだー!!大震災よりもアニメのほうが大切やろうがー!って電話が嵐のように鳴ってねー。それで余程の事がない限りは番組は中断しないように、アニメは特に中断しないようにしてるんですわ。夕方は視聴率の低い野球とかやってますからねー、あれを調整できるかなー?夕方に生中継でいいですか?スタッフ行かせますんで』
『あ、はい…じゃあ、それで。夕方って何時ぐらいからです?』
『19時かなぁ…』
それ夕方ちゃうやん。夜やん。
「どど、どうだった?」
「19時から来てくれるって」
「19時?!今、事件が起きてるのに?!」
「なんか途中で番組を中断させるとアニヲタが怒るらしいから、野球がある19時から野球中断させてニュースを放送するらしいよ」
「そ、そうか…17時からアニメ枠で19時までだから、そうか…そういうことか。わかった」
「んじゃ、時間がちょっとあるからもうひと暴れするかなー」
「もういいよ!!」
「え?もうひとりの警官をジオングにするんじゃないの?」
「もうジオングいいから!ガンダムネタはいいから!!」