91 ガード・ユア・アヌス 4

まぁ色々とあったけど(俺の作ったチョコでドロイドバスター4名が意識不明になりかけたり)幼馴染のユウカの手作りチョコを食べれたからよしとしましょう…。
バレンタインにチョコを食べる…世間一般ではそれが当たり前のようにされているなかで俺は生まれてこのかた初めて本来のバレンタインの過ごし方を達成できたんだ。
いやぁ、よかったよかっt
「はぁぁぁぁぁぁぁッーーーーんッ!!」
クソ…クソがァァ!!
クソ…ッタレ…ガァァァ!!
俺はこの感触を覚えているぞ。
突然叫び声を上げて床に転げる事となった。
何故そんな事になったのか、それはこのおぞましい感触を、このケツの穴に滑りこんでくるおぞましい感触を俺は知っているからだ。
安心して気を抜いていた時に襲われた。安心して気を抜いていたからケツの筋肉も緩くなっていた!!クソが!
にぃぁが俺のケツの穴からウンコ…いや、チョコを舌と口で思いっきり吸い取っていきやがった!!なんでかって?理由は一つしかないだろう。ケイスケにチョコをプレゼントする為にチョコを集めてるんだよ!俺のケツの穴から!!
「き、キミカちゃん、どうしたの?」
心配そうに俺に聞いてくるマコト。
「敵ィ襲ゥゥゥ!!!」
俺は素早く背中に壁をくっつけた。俺の背後は誰にも近寄らせない。これでにぃぁも俺のケツの穴からウンコを採取できないはずだ。
「キミカちゃん?お、落ち着きなよ、大丈夫だよ敵はどこにもいないよ?ほ、ほら、刀をしまって」
「ガルルルルルルルル…」
「ほら、怖くない、怖くないから」
「Hey、キミカ?What's Happen?」
「どうした?頭ウジ沸いたか?」
などとのんきな事を言ってるドロイドバスターども。お前らそうやって壁を背にしてないでぼーっとマヌケ面で突っ立てるとケツの穴をかっぽじられるぞ!!それは男としての死を意味するんだぞ!!!
「いいから!みんな早く壁を背にして!!」
「な、なんだよ?一体何が起きてるの?」
「HeHeHe…」
「ゴルゴの真似か?」
するとナノカが俺の隣に来て壁を背にする。
「こうでいいの?」
「ナノカはやらなくていいから!」
「ええ?!」
「とにかく、マコトとコーネリア、それからメイリンは壁に背を当てて!隙間は絶対に作らないで!襲われても知らないよ?!」
俺の慌てっぷりを見てしぶしぶこの外国人どもは俺の真似をして教室の後ろの壁に背中をぴったりとくっつけた。
「何やってんのよアンタ達…」
壁に背をくっつけてるマヌケなドロイドバスター4人に向かって呆れた顔でユウカが言う。いいよな…普通の人間は。ケツの穴に舌を突っ込まれてウンコ…じゃなかったチョコレートを搾り出されるという可能性が皆無なんだからさ。
「キミカちゃん、いったいなんなんだよ…?」
とマコトが言う。
「家ににぃぁっていうのが居たでしょ?」
「ああ、うん」
「そのにぃぁが今、一瞬、あたしのお尻の穴の中に舌を突っ込んできたの!それで、その…アレを…取っていくわけ」
と、俺が恥ずかしそうに言うと、メイリンはニタァ…と俺のほうを見て笑って嬉しそうに「フフフ…お尻の穴…フフッ」と怪しげな笑みをこしらえやがる。コイツは…。
「えぇぇぇぇぇ?!ちょっ…意味がわからないよ?!な、な、な、ななんでそういう事をするんだよォォ?!」
「なんでそういう事をするのかはわかってるよ…今日はバレンタインでしょ?バレンタインのチョコをケイスケにプレゼントする為なんだよ。そのチョコを作る材料を集めてるんだよ!!」
「ちょ、チョコを作る材料ゥゥ?!だってお尻の穴からでしょ?」
さすがに俺の話はまだまだ信ぴょう性に欠けるのか…クソ…この緊急事態をここにいるドロイドバスター全員に理解して欲しい。
「あ〜…あれですわね」
と突然助け舟が。
ナツコだった。
「ど、ど、どういう事なの?」
「以前にも同じ事がありましたの。にぃぁがお兄様にプレゼントする為にチョコを集めたという…ちなみにチョコっていうのはキミカさんの…アレですわ」
「えええ?!ええ?!え?!意味がわからないよ?!だって、その…アレって…ウンチ…でしょ?」
「キミカさん…いえ、キミカさんと同系列の方々は(と、ナツコはコーネリア、メイリン、マコトを見る)その、お尻の穴から出るのですわ、アレが。チョコの原料が」
「そそそ、そんなァ…」とマコト。
「食うのに困らないな」とメイリン
「He…HeHe…」とコーネリア。
「そしてにぃぁは弾丸よりも速いスピードですわ…余程の高速な動体視力でも無い限りは…それは捉えることはできませんわ」
「えーッ!!」
マコトは俺とナツコの話を聞いてにぃぁの所業についてちゃんと理解してくれたようだった。さっきから掘られまいとお尻の穴をぴったしと教室の後ろの壁に貼り付けたままだ。
しかし、こういう話を絶対に信じない馬鹿がいるわけだ。
「HaーーーーHaHaHa!!」
その馬鹿ことコーネリア様は大笑いしながらそのケツを壁から放して、俺の肩をパンパン叩いてまた大笑いしている。笑いすぎて苦しくて苦しくて肩を叩くぐらいしか出来ない程に。
「コーネリア!!早くお尻を…お尻の穴を壁にくっつけないと、奴が来るよ!奴が!お尻のバージンを奪われたいの?!」
「HaHa!Ha!!キミカ!ケツノ穴!HaHa!掘ラレルトカ!!HaHaHaHa!!!ホモデスカァー!!HaHaーーーーーHaHa!」
相変わらずこの馬鹿、全然人の話聞かないな!
「お尻のバージン奪われるってば!」
とマコトもコーネリアに警告する。
「HaHa!!Haーーーー…(呼吸が止まる)…HaHaHa!!」
よほどツボにハマったらしい。
特に「お尻のバージン」とかいうところが。
「Haーーーーーー!!」
(ドスン)
一瞬だった。
一瞬だけ、コーネリアのスカートがふわりと宙に舞い上がったのだ。風もないのに。その一瞬だけでコーネリアの表情は一変した。
しかし何が起きたのか、俺はコーネリアが笑い転げそうになっていた時から奴の背後に神経を集中していたからわかった。
影が…銃弾ぐらいの速度で影が動いていた。
にぃぁだった。
こんなのは変身後のドロイドバスターぐらいにしかわからない。とてつもない高速な動きであまりに高速過ぎて空気が摩擦して周囲の温度が10度ぐらいあがったんじゃないかって思えるぐらいだ。
「ファ…ファ…」
コーネリアが震えている。
「ファーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーック!!」
コーネリア、ぴったりとお尻の穴を壁にくっつける。
ったく、何がファックだよ…あれだけ警告したのに。ファックされたのはアンタだよ、って言う。
「と、とにかく、ここはヤバい。どこか密閉された空間へ逃げよう。このまま壁を背にしてね。一瞬でも壁から背中を話せばまた…わかってるよね?お尻の穴に辱めを受けるよ?」
「イ…イエス…」
「わかったよ」
「このまま移動するのか?」
お尻の穴に辱めを受ける前に十分に恥ずかしい事をしているような気もするけど、俺達は小学生が「カニさんごっこ」でもするかのように家庭科室から壁に沿って横歩きで移動した。