78 未だにサンタクロースとか信じてる人って… 1

連休初日がクリスマス・イヴ。
俺は街を徘徊せずに済むし家に閉じこもっておかなくてもすむよ!今年はね!なぜなら…クリスマス会に招待されたからだよ!
と、いうわけで、ナツコと俺はユウカの家の前にいる。なるほど作りは普通の家ではありますけども、ちょっと古い感じはするね。古いって言っても田舎の田んぼとかに囲まれてる家って感じじゃなくて都市型の家が随分と時間が経過しちゃったみたいな。センスがちょと古い家。
玄関から入ろうとするとユウカが出てきた。
そして人差し指を唇に当てて、
「いま皆リビングにいるからさ」
と言った。
「んじゃ、お邪魔しm」
と言いかけた俺をユウカが身体を使って止める。俺の背はユウカよりも低いので俺の肩に思いっきりおっぱいが当たる。
「んんふ、なんだよ…」
「なんだよ、じゃないわよ!」
「はぁぁ?」
「キミカはサンタなの!サンタは玄関から入らないの!」
「え、うちの家では玄関から入ってきたけど」
「それは親がサンタだからじゃんか。そうじゃなくて本物のサンタは屋根の煙突から入ってくるのよ」
「えぇぇぇ?!」
「と、いう風に本には書いてあったわ」
「煙突から入って言ったら身体が炭まみれになるじゃん!汚いし!虫とかいそうだし!下手すりゃ一酸化炭素中毒で死ぬよ?」
と俺はユウカの家の屋根を見てみる。
「っていうか煙突ないし!」
「だから、特別に私の部屋から入ってもいいわ」
「あったりまえだよ!!」
と俺はユウカの部屋がある2階を見てみる。
「…ってどうやって2階の部屋から入るんだよ!!」
「んもぅ、うるさいわねー。いちいち細かい事を」
「いやいやいや、全然細かくないから!」
「あの雨樋から伝ってるパイプに足をかけて登ってきてよ。部屋でサンタクロースの格好に着替えるのを忘れないでね。その格好(私服)で現れたらもう目も当てられないからね」
あーはいはい。
っていうか、また酷なことを…!
雨樋のパイプだとゥ?客人を何だと思ってるんだ!
俺が渋々庭のほうから雨樋から伝ってるパイプの側に行くと、家のほうから談笑する声が聞こえる。クソッ…俺はクリスマス会に参加するのは後になるのか!!許せない…リア充どもめ!!
「えっと、この雨樋に足をかけて…と」
確かに登れなくはない。そして運動神経が良くなってる俺は腕の力だけでスイスイとパイプを登っていった。と、その時だった。
(メリメリ…)
嫌な音がしたと思ったよ。
次の瞬間、
(バリッ!)
「おおおおおおお!!!」
パイプが外れた!俺は空に投げ出されて地面へと落下。と、その時、俺は全神経を背後に集中させてグラビティーコントロールを出すと身体をそれで支えた。ギリギリセーフ…。
「ふぅ…。っていうか、最初からこれで登ればよかった」
地面を蹴り上げてグラビティーコントロールでも身体を浮かせて空へと飛び上がってユウカの部屋の側のベランダへと着陸。
さて、部屋に入りましょう。
(ガチャッ…)
って、鍵閉まってんじゃん!!!
「ふざッ(グラビティーブレードを引っ張り出して)けんッ(窓の鍵の部分を切り取って)なッ!(ブレードを引っ込める)」
俺は優雅に、そして華麗に、部屋へと侵入したのだった。
「ふむふむ、ここがユウカの部屋かぁ」
なんかなんの変哲もない部屋だなぁ。
机の上には宿題とかが散らばってたりして。目に覚えのある教科書とかノートだと思ったら宿題じゃんか。
ここが幼馴染の部屋…。
と思うと、俺はちょっとドキドキしてきたぞ。
取り敢えず…まずは…男なら下着だな。
居酒屋で「とりあえずビール」っていうぐらい簡単に「とりあえず下着」って言う感じで俺はユウカの下着やら着替えが入ってるであろうタンスの引き出しを開けてみる。
「うへへへへへ…」
カラフルな下着がいっぱい。
とりあえず全裸になる俺。
「ほほぅ…これがユウカさんの下着なのですね、ふむふむ、なるほど〜、ふんふん、うんうん」
とか言いながら俺はユウカのブラを装着。
「うおぉぉぉ!!」
大きい。
Eか?Fか?それとも…。
とにかく俺のDカップよりかは明らかに大きい。カップだけじゃなくて胸囲も大きい。うん、明らかに大きいな。
「パンティーは…っと」
俺はユウカのパンティーを頭に被った。
「っと、こうじゃないな。うん。場所を間違った」
パンティーは頭に被るものじゃないな。
俺は自らの紐パンティーを脱ぎ捨ててユウカのパンティーを履いてみる…が、う〜ん…これはまた…。
「おおきい…」
ケツがでかいのか?パンティーって伸びるものだから少し大きくても俺の身体にジャストフィットするはずなんだけど…。
まぁいいっか。
「他には面白いものはないかな?」
おおお!
これはユウカのスクール水着じゃないか。
俺はニヤニヤしながらそれを装着してみる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ぶかぶかやん…。
もう全体がぶかぶか。駄目だ。なんだよこの締りのない身体は。時は残酷だなおい。ウエストとかもう…なんだよこれは、お父さんこんな女に育てた覚えはないぞ。もぅ…。
俺はそのちょっとブカブカスクール水着を着たまま、部屋をウロウロと散策してみる。が、めぼしいものはそこには見当たらない。後は普段着とか制服とかだよ。本当にツマラナイ女だなぁ。初音ミンクのコスプレ衣装とか出てきたら面白いのに。
と、俺の目に止まったのはユウカの普段から寝起きしているベッドだ。うん、ここでユウカが寝起きするわけだよ。ん?待てよ?待て待て…。たしかユウカはみんなで東京のホテルに行った時も寝る時は下着だけになって寝てたな。そのほうが健康に良いからとか言って、別に影響は誤差程度だろうがって思ったけど。
つまりユウカはこのベッドに下着だけで寝起きしてるわけで…。
俺は静かにベッドに寝転がって、布団の中にモゾモゾと入る。
「うへ…うへへ…」
これが俺の幼なじみの女の子のお布団か。
ぬふふふ…。
と、その時、俺は部屋の中に殺気を感じた。
「むッ!殺気ッ!なにやつ?!」
そこには…。
鬼の形相のユウカがいた。
「うわあぁッ!!」
素早くユウカは俺の背後から首に腕を回してきてギリギリとアームロックをしながら「あんたは人のスクール水着着て人のベッドで何やってんのよおぉぉぉぉ!!!!」と額に青筋を立てて言う。
「ぎッ…ギヴアップ…」
失禁寸前で俺はギブをした。