76 Mapple vs サムチョン 2

Mappleストアを飛び出す俺。
そこは既に戦場だった。
Mappleストアのヨーロッパの美術品を思わせるような建物の面影が、ドイツ軍侵略によって銃弾の雨に晒され穴だらけになったような状態になっちゃってる。
許さない。
「はははははは!!!死ぬニダァァ!!」
ソンヒはMappleストアから出てきたマヌケ(そうにみえる)俺に向かってチェインガン(ミニガン)を向けて撃ちまくる。
だが俺にはそんなものは通用しない。
俺は通常状態よりも怒りによってさらに神経回路の処理が高速になっているようなのだ。
グラビティーブレードはまるで獲物を待ちわびているように、襲いかかる銃弾の雨を斬っては弾き飛ばし、斬っては弾き飛ばし、次の弾はまだこねぇのか?おい?って勢いで突き進んでいく。そして、俺の周囲にははじき飛ばしたソンヒのチェインガンの銃弾が飛び散ってアスファルトを削っている。
戦闘開始からわずか1秒で俺はチェインガンを添えつけていた脚立をブレードで斬り刻んでついでにチェインガンも切り刻んだ。もうここまで来るといちいち説明はいらないだろう。
「超スーパーダイナミックド級ウルトラアルテミットアポカリプスキミカヘビーグラビティパァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーァァァアアアアアアンチッ!!」
俺の強烈な一撃はそのパワーゆえ光さえもねじ曲げて真っ黒い煙となって一直線にソンヒの左頬に向けて伸びた。そして周囲に勝手に作動したエナジーフィールドの障壁を一瞬で粉砕して貫通し、ソンヒの左頬に俺のパンチはめり込む。
と、同時に、俺の放ったパンチによる衝撃波は一瞬で道路にクレーターを作りだし、周囲の車や店舗などのガラスを吹き飛ばして、エネルギーはアスファルトを熱で溶かして火を吹き上がらせた。
「ぶべらッ!」
ソンヒはクソみたいな叫び声を上げてクソみたいな瓦礫とクソみたいな火を放ちながらクソみたいな小さな身体を吹き飛ばしてクソみたいなっていうかクソそのもののNappleストアのクソそのもののaiiiinPhoneの宣伝窓をぶち破ってまだ開店前(っていうか開店時間になってるのにクソ店員が来てねぇ…)のクソみたいな店内を貫通し反対側のビルの中へと突っ込んだ。その衝撃波でクソみたいなNappleストアのあったビルの1階は吹き飛んだ。辛うじて露出した鉄骨のみでビルが支えられている。
「ニィィィィィィィダァァァァァァァァァッ!」
なんというクソ早い復活だ。クソみたいに早い。まさにクソ。そのクソ(ソンヒ)は周囲にバリアを張り巡らせたまま俺に向かって走ってくる。そのクソバリアでクソ瓦礫が粉々に粉砕されていく。
「超スーパーサムチョンダイナミックチョニーウルトラニンテンドーアルテミットエリクソンアポカリプスニダニダヘビーフレイムオブカースパァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーァァ、ブベラッ!!」
クソがァ!!
俺が最後までセリフを言わせると思ったかクソがァ!!
「これはMappleストアの分ンンゥ!!」
「プギュッ!」
俺のパンチがソンヒの顎にヒット。
「これは亡くなったジョブズの分ンンッ!」
「ピギャァッ!」
俺のフックがソンヒのミゾオチに命中。
「これはMappleストア前の道路の分ンンンゥ!」
「あぅッ…」
俺はツンッと指でソンヒのオデコを弾く。
「そして…これが…既にこの世にはいない(ここで悲しい顔をする俺)相棒である『aiPhone4Super』(頬を涙が伝う俺)の分だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
…。
…。
強烈なエネルギーは俺とソンヒを精神と時の空間へと誘ったのだろうか。俺とソンヒは全裸で座禅を組んでいたのだ。
「んんん?ここはどこニカ?」
「…ここは精神と時の空間…」
「という事はウリは全然平気という事ニダ!キミカのクソパンチを喰らってもピンピンしてるニダ!ニダニダァ(笑」
「ここは現世での罪を悔い改める空間…」
「ハァァヘァ?何を中二病臭い事言ってるニカ?」
「お前にもう一度チャンスをやろう」
「チャンスゥ?アハハハハー」
「お前はまだマンドロイドを望むか?まだaiiinPhoneという紛い物がaiPhone4Superよりも優れていると世迷言を言うか?」
「はははは!!あったりまえだのクラッキング講座ニダッ!」
「…」
「そもそもaiiinPhoneがスマートフォンの起源にだ!全てのスマートフォンはサムチョンから始まったニダッ!Mappleは著作権料をウリに払うべきニダッ!ニダダダー(笑」
「…くぇ、おち…ぉ」
「にだぁ?聞こえないニダ」
…。
「地獄へ…堕ちろ!!」
…。
…。
「ニィィィィィィィダァァァァァァァァァァァァァァ!!」
地面からロケットでも発射されたかのように突き上げる俺の怒りはアッパーとなってソンヒの身体に命中し衝撃波でソンヒのバリアはあっさりと砕け散り、予備のバリアエネルギーが発動するもそれすれもあっさりと消費し、バリアは切れて、変身も切れて、服も破けて全裸になったソンヒの身体は衝撃波で空へと突き上げられて、その背後にあるNappleストアのあったビルもまるで火山の噴火のように木っ端微塵に粉砕されて瓦礫がそら高くへと跳ね上がり、晴れた空きの空にわずかにかかっていた雲は一瞬にして高エネルギーにより蒸発し成層圏まで光の柱が飛んだ。
その瓦礫に混じってソンヒが空高くへと飛び上がっている。
言うまでもない。奴はそのまま地球軌道上を回るのだと思う。