74 キミカ先生のよくわかる美少女講座 3

「『美少女』を受け入れていただけたかと思います。それを前提に話を進めます」って一人だけ受け入れてなさそうな奴(ユウカ)がいるけど強引に話を進めましょう。
「さて、みなさんに質問です。女性の妊娠適齢期はいくつだと思われますか?はい、早見ビッチさん」
「だからビッチじゃないッツぅの!」
「んも、別に言いじゃん」
「よくない!」
「で、回答は?」
「えっと…二十歳?」
「ハズレです」
「えーッ…」
「正解は…15歳ぐらいです」
「え、ちょっ、それまだ子供じゃん」
15歳だから中学3年生ぐらい。または高校1年生ぐらい。
会場がまたもどよめく。
「お、おねぇさま、実際にマスコミでは20歳から25歳ぐらいを適齢期としていますわ、初耳ですわその情報」
と言うのはメイだ。
「後でも説明するけど、早すぎる出産は社会的につらいっていうのがあるし、日本は晩婚化が進んでるから30歳よりも上の年齢の女性への配慮っていうのもあったりする」
「そ、そうだったのですか…」
「話を戻しますと…15歳という年齢は初潮が始まってから少し間を置いたぐらいの年齢。これは身体が赤ちゃんを生むのに適した状態になった事を意味しています…では、次に再び質問です。もう指名するのが面倒臭いから早見さんで。13歳から15歳の女の子が好きになる男の子は正常か、それとも異常か」
「い、異常に決まってんでしょ!ロリコンよ!精神異常者よ!社会不適合者よ!犯罪者予備軍…いや、犯罪者よ!」
こいつ今まで人の話聞いてなかったのよ…っていうか、あんまりそういう事を言ってると隣でオデコに青筋立ててるデブ(ケイスケ)が怒鳴りだすぞ。
「正解は…正常です。ロリコンという言葉は本来なら正常な男性を意味します。異常なのは13歳よりも下の女の子に性欲を出しちゃう人達。それはペドフィリアと呼ばれていますね」
「な、なんでロリコンが正常なのよ…おかしいじゃない」
「だからテレビの見過ぎだってば、ビッチさん」
「ビッチじゃないわよ!」
やれやれ…説明してやるか。
「なぜ正常なのか。それは初潮が終わって安定期に突入した女性を正確に見分ける事ができているからです。自分の子孫を最も健康な状態で産んで、育てる事ができる…それを本能でちゃんと見分けているから男性として正常なのです。もし見分ける機能がまともに動かなくて例えば30歳ぐらいの女性と結婚し赤ちゃんを授かったとしましょう…。その赤ちゃんが健康な状態で産まれる可能性は15歳の女の子と比較すると言わずもがなかなり低いです。仮に健康な状態で産まれたとしても身体に障害がでる可能性もはらんでいます。40歳、50歳となれば…言わなくてもわかると思います。が、マスコミは人権などを考慮しなければならないのでそれは公にしません」
会場がどよめく。
そしてどう考えても30歳ぐらいのババア(外部の人間)がなんか慌てて周囲を見渡してる。
「何故『美少女の年齢』である13歳から15歳までが男性に人気があるのか…それは生物学的に証明されているのです。子孫繁栄の為です。しかし15歳で子供を産んだとしても、まだ学生。日本社会ではそういう人間はDQNなどと呼ばれて蔑まれたりしますね。社会的に未成熟な年齢での出産はたとえ健康な赤ちゃんが産まれたとしても、彼らが健全に育つかどうかは微妙なところですね…」
と俺が補足すると、
「そ、そうよ。子供が子供を産むだとか…。そういうのがあるからロリコンはダメなのよ!」とか負け犬の遠吠えらしきものが聞こえるな。ユウカ犬の。
「ですが、美少女と、若くして出産して子供を育てる社会…云々の話はまったく関係ありませんので、省略します」
「うぐッ…」
「では話を続けます。美少女と定義される年齢が13歳から15歳。ではみなさんが目指す美しさ・可愛さの参考になるのは13歳から15歳の女の子という事になります。可愛ければ男は喜ぶ…というのは浅はかである事を認識してください。男は女よりも出産適齢期を見抜く能力に優れています。可愛さを身につけるという事は、出産適齢期である事をいかにして偽造するかにあります」
と、ここで俺はサポーターであるコーネリアさんとユウカを並べて見ることにする。
「では、コーネリアさん、ユウカさん、壇上へ」
「あ、はい…。って…なんで私がコーネリアと並ばなきゃいけないのよ!それなんていう拷問?!」
「んもー、並んでも並ばなくても差は歴然としてるんだからいいじゃん。本当にユウカは細かいなぁ。別にビッチだとかブスだとか言うわけじゃないんだからさ」
「…てぇンめぇ…」
おーこわ。
俺と同じく現実にはありえないプロポーションのコーネリアはあの変身した時の黒のワンピースのような、ゴスロリのような、可愛らしい衣装で登場。
いっぽうでその隣には制服姿でシケたツラのユウカが登場。
「では二人を比較してみましょう。お二人の顔は見ないでください。顔での比較はただの誤魔化しです。美少女は顔以外の部分でも既に美少女なのです」
しばらく俺は会場のみなさんの反応を見ながら…少し間を置いて二人の差を評価する。
「まず、コーネリアさんはスタイルがいいです。ウエストは締まっているし、出るところは出ていますし、血色もいいし、痩せているわけでも太っているわけでもないです」
それから俺はユウカのほうをみて、
「では、早見さんのほうは…ん〜…。うわぁ…」
「ちょっ、人を『うわぁ』の3文字で表現するのやめてくんない?」
「『うわぁ・・・』なので6文字です」
「それどうでもいいから」
「では、みなさんに質問です。どちらが年上に見えますか?」
「えええ?」とユウカが言うから「シィーッ!」と俺は人差し指をつきだして黙れのジェスチャー
「早見さんが年上に見える人〜?」
大体会場の8割ぐらいが手をあげた。
ユウカは顔を真っ赤にして俯いてプルプル震えている。
「はい。じつは二人は同じ学年です。ちなみに同じクラスです」
「クラスは関係ないじゃん!」
恥ずかしさと怒りで顔を真っ赤にしているユウカ、まさに赤鬼。その赤鬼ユウカがキレそうに俺に怒鳴る。
「さて、なぜ早見さんのほうが年上に見えたのでしょうか?顔が老けてるから?肌がちょっと水々しくないから?腰が引き締まってないから?ビッチだから?」
「…あとでコロス…」
うひぃッ!!
…それは無視して。
「微妙な差はありますけど、それは近づいたり光のあたる角度でみたり、とにかくぱっとみただけではわかりません。皆さんとコーネリアさんの間は数メートルの距離がありますから、肌が水々しいとかそんなのはわかりません。では何が決定的に若く見えたのか?」
俺はコーネリアの頭と肩の幅をそれぞれ手で測って見せた。そしてユウカにも同じようにした。
「頭の大きさと身体の大きさのバランスです」
ここで会場から感嘆の声がでる。
「人間は生まれてから頭がまっ先に大きくなり、それから後で身体が大きくなっていきます。つまり、若い人は頭が大きいけど身体はそれに反して小さいです。若ければ若いほど。この頭と身体の大きさのバランス比率が13歳〜15歳の女の子ぐらいの場合を美少女と定義し、男性は可愛いと認識します」
「ちょっ、ちょっと待ってよ。骨格形成に文句言われても…どうすりゃいいのよ、それ。っていうかアメリカ人みたいなだったら8頭身とかじゃん。美少女とか無理じゃん。コーネリアだってアメリカ人なんだからこれから身体がどんどん大きくなるかもしれないじゃん。そうなったら美少女とか目指せなくなるでしょ?」
などと言うユウカ。
コーネリアは、
「私ハ、アメリカ人デアル前ニ美少女デスカラ大丈夫デース!」
とか意味不明な事を返してる。
一方でユウカは「…あたしどうやって美少女になればいいの…。骨削るしかないの?」ってかわいそうな顔してるな。
「まぁ、遺伝子が悪いかカルシウムとりすぎって事で…」
「えーッ!!!」
「まぁ、ちなみに、日本人の場合っていうかアジア人全般では頭と身体の比率が美少女になったまま大人になる女性が多いです。そういう意味で白人や黒人から見れば、アジアの女性は子供か大人か区別がつかない、という現象が実際に起きています」
「ちょっ、スルーしないでよ、どうすればいいのよ?!頭を大きくすることはできないじゃん?やっぱ骨削るの?」
「骨でもなんでも削ればいいじゃん」
「回答になってないわよ!」
「えー、では…ユウカさんみたいな人がいますのでこれから骨を削るとかそんな事以外に可愛さをちょっとした工夫で作るという手法をご説明いたします」
と俺が言うと、女子生徒達が再びキリリとした表情になり、手に握るボールペンに入る力が強くなったように見えた。