70 ニダニダ 3

「邪魔ニダ」
それがその女の子の第一声だ。
甘ったるい鼻にかかるような声は俺やコーネリアなどのドロイドバスター特有のアニメ声なのだが(ケイスケが2次元の女の子をコンセプトに作ったのを、コンセプトだけ真似て作ってる)目の前の女の子も同じ…。なんか嫌な予感がするぞ。
ようやくウドの大木のような不良たちの間から出てきたその女の子は、髪は柔らかそうな茶色で前髪以外は頭のてっぺんで結んでいて、まるで玉ねぎのように天に向かって束ねた毛が伸びてる。目はどちらかと言えば鋭い眼ではあるけども他が可愛らしいのでアンバランスさが際立っている。
そしてメイリンと同じく瞳の奥は真っ赤である。
俺やコーネリア、メイリンと同じく、現実の世界には存在しないような黄金比な顔やスタイルを持っている。
これは…嫌な予感がするぞ。
それからその女の子はビシッと俺を指さして、
謝罪と賠償を要求するニダ!」
と言った。
ニダ?
まぁそれはともかく…。
謝罪と賠償?何に?」
「ウリの部下にした事の報いニダ!バカ!」
「あたしが何をしたっていうの」
「お前がウリの部下の頭に犬とか書いた!犬は朝鮮では軽蔑の意味を持つ!!お前はウリの部下を軽蔑したニダ!!」
どおりでさっきから変な日本語だと思った。コイツは朝鮮人じゃないか。やれやれ、不良だのなんだの来たからいずれは朝鮮人も出てくると思ったらやっぱりいたか。
それにしてもなんでこんな可愛い女の子がコイツらの…いや、そこは疑いを持つまい。だってほら、雰囲気からするとわかるよ、コイツは朝鮮版ドロイドバスターだ。
どっから技術をパクってきたんだ?
「あんたドロイドバスターなの?どっからパクったの?」
「パクッ…?なんでお前、ウリの名前知ってるニカ?」
「いや、パクじゃなくて、パクリ」
「ウリの名前はパク・リじゃなくて、パク・ソンヒ」
しらんがな。
「とにかく。ここはうちらのシマ。うちらの縄張りなの。あんた達朝鮮人が来る場所じゃないの。わかったら早く自分達の小屋に帰りなさい(手をシッシッと振る」
「お前、命が惜しくないみたいだな、死ね」
その瞬間、ソンヒは彼女が着ている制服の長袖の中から滑り落とすように何か小さなものを出して、それを手に装着した。それは一見するとおみやげ屋さんや祭りの出店で撃ってるような銃の形をしたキーアクセサリのようにも見える。
手のひらに収まるぐらいの小さなハンドガン。それを右手、左手の手の中に納めていつでも撃てる状態にしてるのだ。
案の定、ソンヒは俺に向かってハンドガンの弾を放った。
もちろん、俺はブレードでその弾を弾いた。
やったね?
やってしまったね?
親父にも撃たれた事がないのに!
…じゃないや。俺の中では発砲は戦闘開始の合図であり権利であり、そして撃った奴が殺される事を自覚している証なのだ。
さぁ、始めましょうか。
Show Time!!