53 ダービー・ザ・ギャンブラー 2

一方のダービーはというと…。
「私はこのままでいい」
…。
どういう事だろ?
ダービーは配られたカードを何一つ見ていない。自分でも何のカードが配られたか知らないのに、このままでいい?このままで勝てるって事?イカサマしているしか考えられないじゃん、そんなの。そして案の定、この2名も興奮した顔で、
「このままでいい?頭おかしいかお前!」
と白い乳をプルンプルンさせてダービーの襟首掴んで吠えるメイリン
「頭ハ大丈夫デスカァ?!(自分の人差し指で自分の頭をツンツンと叩きながら)『コノママデイー』?!カード見テナイジャナイデスカー?!見テナクテモ私達ニ勝テルトイウ事デスカァァ?!」
とコーネリアも吠える。
ダービーはドヤ顔でメイリンの手を振りほどき、乱れた服の襟首をただし、
「Exactly!(そのとおりでございます)」
と言った。
それから続けて、
「さぁ、どうするね?君たちが勝てると思うのなら賭けたまえ。さっきも私は言った。君たちの熱意が見たい…と。ギャンブルに賭ける熱意とは、ひょっとしたら勝てるかもしれないと心のどこかで思い、それが次第に確信へと変わる時に現れるものだ。君たちの熱意が見たい。私に勝てるという確信に迫る熱意が。私は自分のカードを見ていないのだよ。つまり、これは、私の『運』への挑戦でもあるんだ」
確かに。ここでメイリンは少しは手が揃えてあるような顔をしていた。
コーネリアはダメっぽいけど。メイリンなら今は賭けれるんじゃないか?
俺はメイリンの顔を見てみたんだけど…。
…。
(アヘ顔)
…。
メイリンは極度の緊張の為か完全にアヘ顔。
80パーセント白目で顔中の筋肉を緩めて舌をだらんと垂らし顔を真っ赤にして「はぁはぁ」と言っている。それからカタカタと震えだして今にもお漏らししそうな勢いだ。あ、漏らした。
メイリンの座っている椅子は小学低学年の子どもが教室でおしっこを我慢出来ずお漏らししちゃったみたいな感じで尿でびしょびしょになっていく。
「Oh…My…God…」
とコーネリアが真っ青になっている一方でダービーは澄ました顔で「君はどうするね?メイリン君はもうギブアップみたいだね」とドヤ顔だ。これがポーカーか…なんという熾烈な戦いなんだ!
「コレデ勝負デス!!キミカノブラウストスカートヲ賭ケマーッス!」
なにぃぃ!!一気に二つもかよ!
「Goooooooood!!!」
コーネリアが5枚のカードを表にして叩きつける。そしてダービーも同じく叩きつけた。二人がカードの中を公開しあい、どちらの目が強いかを競うらしい。
「ンンノオォォォォォォォオオオゥゥゥウウウ!!!!!」
コーネリアが椅子から転げ落ちる。
えっと…これはダービーの勝ちなの?
「これは、どういう…」
と俺は説明を誰かに求めると、上の観客席のほうから、
「ぶたじゃん…」
ぶた…。
あー、聞いたことある。どれにも勝てない目だ。
一方、ダービーはツーペアらしい。
っていうか、ぶたなら勝負に乗るなよ!アホか!
っていうか、メイリンはどうなんだろ…。
俺は気になってメイリンのカードを表にしてみた。
「…フォーカードじゃん」
観客席からそう聞こえる。
「えっと、つまり、メイリンは勝ち?負け?」
「勝ちだよ!」
ドヤ顔でダービーが言う。
「そう、メイリン君は勝っていた…勝負にはね。しかし、自分が勝っているという熱意は無かった。それが彼女の敗因なんだよ。これがポーカーだ」
すっげぇ!ポーカーすっげぇ!
メイリンを失禁させたぞ!