52 賢いお金の使い方 3

色々とあって疲れたけどまだ学校は始まったばかりだ。
ケイスケが朝のホームルームの為に教室に入ってくる。
教室の中を見渡してからドアを締めて廊下に出て行く。
それから廊下で首を傾げるケイスケ。
再び教室のドアを開けて中を見渡し、またドアを締める。
そんなのを2回ぐらい繰り返した後、
「な、なんか変な人がいるぉ…」
と泣きそうな声で言う。
分かってる。分かってるよ。
いるね、いますよ、2名ほど馬鹿な外国人が。
一人は、眩いばかりの金ピカの制服を纏って時々自慢するかのように金ピカの携帯を出してケイスケの目を失明させようとする悪趣味な装備の中国人のメイリン
もう一人は、ここをバーか何かだと勘違いしてドンペリらしきシャンパンを飲んでる黒のドレスを着たアイドル気分のコーネリア。隣にいる男は執事か何かなのか?名前はやっぱりセバスチャンなのかな?
とりあえず、二人が変なのは置いといて、ケイスケが何か話そうとクラスメートのほうを向くたびに光がケイスケの目に当たってまぶしそうに目を瞑ったり避けたりしているので、真っ先の注意のターゲットはメイリンになったようだ。
「携帯は禁止ですぉ、眩しいから」とケイスケはメイリンに近づきながら言う。が、メイリンはキラキラと携帯を光らせてケイスケの目を狙う。「あ、ちょっちょ、ダメ。ダメですにぃ!こら!」と手でその光を遮りながらゆっくりとメイリンに近づくケイスケ。しかもその光が時々焦点を合わせてきて、それが色々な光を一点に集めてしまうのか、ケイスケの服の黒い部分に当たると「しゅーっ」という音を立てて火が出そうになる。いよいよケイスケはメイリンを射程距離に捉えると、携帯を奪おうとする。が、携帯はスポッとメイリンの制服からのぞく白いおっぱいの谷間に収まった。
まだ諦めないケイスケ。
今度はおっぱいを揉もうと手を伸ばし、メイリンがそれに気を取られた時に携帯を取り上げた。
「何をする、返せ、和豚」
「だーんめッ!」
「仕方ない」
ん?メイリン諦めるのか?
と思ったら、メイリンは懐から札束を取り出すと、それでケイスケの頬を叩く。満面の笑みだ。今までクールな顔「だけ」が魅力だったメイリンがヘラヘラしている。そして頬を赤くして涎を垂らしてる。
いらつくケイスケ。そりゃそうだ。ケイスケはなんだかんだいってお金持ちだからな。札束程度でおとなしくならないだろうね。そんな意外なケイスケを目の当たりにしたメイリンは困惑した表情で急いで札束を財布に収め、あれやこれやと考えてから結局ケイスケにおっぱいを揉ませて、普通に立っていられないようにした。その隙にキンキラキンの携帯を奪い取る。
「ふんッ!和豚!」
ってキミ、金で操れてない!金で操れないから色気つかったね!
「あぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁ!もう!この外人さん二人はなんなんですかぉ!朝っぱらから眩しいしバカだし!頼むから普通に授業を受けて欲しいにぃ!先生にいっつも苦情が来て毎週毎週日曜日の夕方のころから不安で仕方なくなるんですにゃん!」
はぁ…お察ししますよ。
ケイスケは日曜の夕方のサザ◯さん当たりからドンドン欝になっていくね。月曜日が足音だして近づいてくるような感じでさ。