51 メイド・イン・ヘヴン 1

今俺はメイド服を着て大きなお屋敷で家具を拭いている。
正確には「俺達」である…。
このメイド服は海外の映画の中にあるような色気のない作業着のようなものとは違って女性のいや、訂正しよう、「女の子」のセクシーな部分を思いっきり露出するように作られた特別製である。
スカートは太ももよりも短く、足には黒のストッキング、腰にはガーター、ちなみに黒のパンティーで、上は辛うじて白のエプロンでブラの紐が隠される程度に肩の部分が露出する黒のドレス。見せブラを主張するタイプの服ではないにも係わらずのこの露出。気が狂っているとしか思えない。それでいて袖は付いている。頭には髪留め?が。この格好はケイスケが好みそうな格好ではあるが、ケイスケが着せたものではない。ちなみにこの屋敷の主人が着せたものでもなく、俺の後輩であるメイが着せた物である。
おフランスの料理店でメイリンがぶっ壊した皿の弁償はメイがするという事になり、ではメイに何かお詫びをしなければならないね、という事になるとメイは俺達に…つまり、俺とコーネリアとメイリンの3名にメイド服を着せて写真撮影をしたのだ。
ちなみに写真撮影のカメラマンはメイ。
ある意味、男のプライドをズタズタに傷つける行為である。が、メイリンもコーネリアも、拒絶するわけでもないが喜ぶわけでもない。そりゃあいつらが原因なんだから何か言える立場じゃないしさ。でも俺には拒否権があるはずだ!あるんだ!くっそぉ…。
…。
最初に撮影されたのは俺。
テーマは「可愛いメイドさん
何が可愛いメイドさんだよ!
俺だけ何故か頭にお花の飾りをつけて登場させられ、スカートをめくろうとするメイに「いやーん」と言いながらスカートを抑えつけたり、掃除しているところでバケツをひっくり返すようなおちゃめなミスをしたり、転んでおっぱいの谷間を披露したり、最後は主人公(メイ)と正常位で合体しているところを上からハメ撮りというやり方で撮影されたりした。なんというか…予測はしていたけど色々なプライドが音を立てて崩れた気がした。
次に撮影されたのはコーネリアで。
テーマは「セクシーなメイドさん
コーネリアはアメリカのプレイボーイも真っ青なセクシーポーズを恥ずかしげもなく公開する。プレイボーイ誌にはちょっと肩幅の広い大人の体格の外人女がでるのに対して、コーネリアは日本のアニメに登場するようなロリボディ。肩幅が小さく頭はそれほど小さくなく、それで居て他のアメリカ人と同じで鼻は高く、いやらしくもセクシーでありながら子供のようなあどけなさが残っている美少女。それが尻を空に向かって突き出したような格好をしたり、パンツの中に指を突っ込んでちょっと捲って今にも具が見えそうにしたり、しっかりとしたボリュームのある胸を両手で持ち上げて谷間を強調したり、もう海外のロリビデオでも撮影してるんじゃないかと疑う光景にメイも顔を真っ赤にしてハァハァ言いながらシャッターを押しまくっていた。
最後に撮影されたのはメイリン
テーマは「変態なメイドさん
まず最初っから亀甲縛りで登場し顔を真っ赤にしたメイリンがシャッターに収められ、次に椅子に縛り付けられ足を大きく開脚させられたメイリンを主人(メイ)が激しく座位で突付くところでパシャリ。次は何故かメイが押し倒されてメイリンがムチを持ってサドっぽく微笑みながら叩こうとしているところをパシャリ。最後はメイが縛られて今にもメイリンにキスされそうになっているところを俺が撮影…っと…。
一体何をやっているんだ俺達は…。
で、撮影が終わったらもうお金は支払った事になって終わりかと思ったらそうじゃなくて、何故か俺達は泊まりこみでこの屋敷でしばらく働く事になってしまっているのだった…。
あれ?なんで?おかしいよね?
メイはそんな話は一言もしてないのに、なんの行き違いがあったのか知らないけどメイド長っていうおばはん(メイとメイリンが居る寮の寮長によく似てる)の指示で色々と仕事をさせられているのだ。