47 これが日本のBUKATSUです 6

「ちょっと待ってよ、どうしちゃったのよぉぉ?!」
ユウカが全裸で痙攣したメイリンをさすって起こそうとする。
「Oh、メイリンガ、ヘヴンニイッテマーッス…」
俺とコーネリアもメイリンの変態度合いを見てみようと、いや、間違った。メイリンが心配になったので様子を見るために近づいた。と、その時である。
「うううおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
ずっと向こうのほうから凄い叫び声をあげてこっちに駆け寄ってくる影がある。かなりの巨体だ。最初熊かと思ったけど二足歩行だったのであれは人間、しかも豚系だろう。
よく見たらケイスケじゃん。やっぱり。
「何してんだァァァァ!!!!こおぉぉぉぉんのおぉぉぉリア充どもがあああぁぁぁぁぁぁぁあああーッ!!!」
とマジキレモード。
「(何でキレてるんだよ?)」
と俺は小声でケイスケに言った。案の定やっぱり周囲のギャラリーやユウカに向かって言ってるみたいだ。
「キレてないにゃぁぁん?」
と明らかにキレてる。
ケイスケが顔を引きつらせながら笑顔になる時はキレてる。
「…な、何って、テニスしてんのよ」
遅れてユウカが答える。
「ペニス?」
「テェ・ニィ・スゥ!」
「コレはテニスじゃないおおおおおおおお!テニスじゃないおおおおおおおおこのクソビッチがぁぁぁぁ!!!!!」と吠えるケイスケ。あー、きちゃったね、また怒っちゃったね〜。
「だ、誰がどう見たってテニスじゃないの」
いや…それも違うと思うぞ。半裸が一名、全裸が一名いるテニスは世界中探してもなかなかないな。きっとそれはテニスっていう名前のアダルトビデオの撮影会だと思うよ。
「違う!違う!違っがーーーう!!!」
と、吠えるケイスケ。
「テニスじゃなかったらなんなのよ」
「ペニス?」
「いや、もうそれいいから」
「転校してきた可愛い女の子2名をテニスって理由でイジメて、周囲のギャラリーはそれをみてニィヘラニィヘラしながら『パンツ脱げねぇかな』とか『あの可愛い女の子のおっぱい見てみたいぉ、フヒヒッ』とか言いながら写真撮って家で卒業まで大切に取っておくんだぉぉぉぉぉぉ!!!先生にチクられても『合意の上で遊んでただけです。ほら、お前だってこんなに濡れてるんだろ?身体は正直だな!』とか言って、先生がどこかに消えたらアダルトビデオも真っ青なセックスしてるんだぉぉぉ!!あぁぁぁあ!!羨ましい!!」
なんか最後ケイスケの欲求が入ってるんですが…。
「いいか!お前たちは腐ったバナナじゃない!」
いや、誰も腐ったバナナだなんて言ってねーし、お前か?お前がそう思ってるのか?っていうか、金八先生を微妙に真似ててすごいムカつく。俺はあのドラマそんなに好きじゃないから余計に。
「ビッチ!お前はお母さんにに『娘さんはレズビアンです』って報告してやるからにぃ!」
「ちょっ、マジでやめてそれだけは勘弁」
さすがに今回もユウカが可哀相だ。
確かに勝負を挑んできたのは認めてやるが明らかに変態1名とバカ1名のせいでこんな事になった。罰ゲーム受けるのはこの2名のはず。ユウカが退学とかになったら嫌だしな。
「先生、落ち着きなよ、本当にテニスをしてただけなんだから」
と俺は苦し紛れのフォロー。
「テニスしてて服が脱げるわけないだろうがにぃぃぃ!!!」
ごもっともです…。
「(さっき仲良くするとか言ってたばっかりじゃん。ユウカが退学にでもなったら、関係者のコーネリアもメイリンも困るよ?)」
とコソッとケイスケに言う。
「ふぅっふうっ…ま、まぁ今日のところはイジメっ子は見逃してやるにゃん…またイジメ見かけたら今度は容赦しないですぉ…」
かくしてケイスケの仲介もあって、この変な勝負は終わった。
あーめんどくさ。