47 これが日本のBUKATSUです 5

最初はユウカのサーブ。
俺は凄まじい眼力でその弾道を見切り、グラビティコントロール全開でスマッシュに変換してお返しした。ボールは相手のコートに入る。俺の放った周囲の空気の塊の衝撃波で穴を開けながら。
「ちょっ!何よそのマジックボールは!!」
俺はラウンドに立ったバッターが投手に向かってホームラン予告でもするかのようにラケットをユウカに向けて、
「当たると死ぬよ?」
と言う。
メイリン、あれ、打ち返せる?」
「撃ち返す?了解」
ユウカのサーブ。
またワンパターンな事を。俺はどんな玉だろうとスマッシュで打ち返せるんだぜぇ?ひゃっはー!!と、俺は全力でグラビティコントロールでスイングして、ボールの周囲に空気の回転をつけて殺傷力を上げて相手のコートに叩き込む。と、その時、メイリンが通常の人間の動体視力では追えないような速度で武器である矛を引っ張り出すと、そのままボールに野球でもやるかのように叩きつける。
ボールは周囲がプラズマでも纏ったかのように光り輝き、レーザーを思わせるその光は回転をしながら俺達のコートへと侵入、そのままコーネリアへと…
「Nooooooooooooooooooooooooo!!!」
コーネリアの叫びと共に、彼女のテニスウェアが脱げて白のレースの下着が下からチラチラと現れる。
「なんで脱げるのよ!!!」
ユウカが叫ぶ。
「っていうかボールどこよ!!」
またユウカが叫ぶ。
ボールはプラズマ化して消えたんじゃないのかなァ…(白目。
「ファアァァァァアアアック!!!」
服を脱がされたコーネリアがメイリンに向かって中指を立てる。
「オ前モ全裸ニシテヤロウカ?!」
疑問形なんだ…。
一方でメイリンは「へ…へへ…えへへへへ」とサドの血が騒ぐのか半裸で悔しがるコーネリアを見て涎を垂らして高揚した表情で言う。
今度は俺のサーブ。
「これが回転ボールだ!」と言わんばかりにグラビティコントロールでボールの周囲の空気を回転させて竜巻でも起こしそうな勢いで敵のコートへと叩き込む。地面についたら最後、俺でも想像がつかない方向へとネジ曲がってしまうのだ。
「あ、ちょっ!…っとマジで?!」
ギリギリでその超回転ボールの弾道を運だけで当ててラケットで打ち返すユウカ。マヌケめ。もう素人がプロに挑んだ時みたいに返すだけが精一杯状態じゃないか。アホみたいなフライで俺達のコートへと入ってくるアホボール。
「Yyyyyyeeeeeeaaaaaahhhhhhhhhh!!!」
さっきの仕返しとばかりにブルーの目を輝かせながらコーネリアはボールをラケットに命中させる。と、同時に何かコーネリアの背後に光るものが飛び出て一瞬で地面の中へと消えた。一方、コーネリアがボールを命中させた後のそれは、凄く普通に、いや、普通よりもひょろひょろと相手のコートへと入っていくもんだから、俺はついつい「ちょっ、コーネリアさん?」って言おうと思ったぐらいだ。こんなひょろひょろボールは普通の人間でも簡単に打ち返してしまうじゃないか。
案の定、サドのメイリンはここぞとばかりにさっきのプラズマシュートを炸裂させようとしてる。舌なめずりでもしようかって勢いでニヤニヤした顔でコーネリアの放った普通ボールをラケットに当てようとするまさにその刹那。
ゴウッ!
と、メイリンの周囲の地面が光り輝いて、まさに爆風というレベルの風と衝撃波がメイリンを襲う。こ、これは…。
「足元ニ気ヲツケナ!!」
コーネリアさん…っぱねぇっす…さっき地面の中にミサイル(ってどういう仕組なのかわかんないけど)をぶち込んだのがもぐらみたいに土の中を進んで今、メイリンに命中したのね。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
メイリンのマゾっ気たっぷりの歓喜の悲鳴が聞こえ、テニスウェアが吹き飛んでおっぱいもパンツも全部一般公開されてしまった。
「だからどうして脱げるのよぉぉぉ!!」
ユウカが叫ぶ。無理はない。
そのままメイリンはコートに転がると身体のビクンビクンと怪しげに痙攣させて昇天した。