47 これが日本のBUKATSUです 1

メイリンがケイスケをたたき始めて前に進まなくなるので、俺とコーネリアがメイリンを縄で椅子に縛り付けておとなしくさせた。何故かコーネリアは亀甲縛りを知っていたのでそのように縛るとメイリンは虚ろな目で俺とコーネリアを睨んで「もっと、きつく…」と言ったのでそれはスルーしておく。
昼。
結局、外国人留学生の一人であるコーネリアと仲が良いのが俺という事で、おまけでメイリンもくっついてきて後はいつものメンバーで食堂へと向かう。
メイリンは何故か財布の中身を気にしてさっきから何度も見てる。
「どうしたの?金が無いの?」
まぁ、学食ではお金いらないんだけどさ…。
「私、日本に着てまだ働いてない。ノーマネーでフィニッシュです」
「学食は学生書があればお金はいらないけど」
「本当か?!」
「本当本当」
学食に着くと、並ぶという概念が無いのかメイリンは列を割りこんで行こうとしたので俺とコーネリアが「ヘイ!ストーップ!!」「とまれこのバカ」という感じで、メイリンの黒いストレートの髪を引っつかんで止める。
テーブル席に継いたら皿に山盛りという俺の食欲を軽く凌ぐ量の食事をもっさりと乗せたメイリンと、それに挑戦するかのように同じ様に皿に盛っているコーネリアの姿を目の当たりにした。
「さすが外人ね…よくそんなに食べれるわね」
いつでもダイエット中のユウカは二人のそんな姿を見ながら、ちょこんとお皿に盛られている豆料理のスープにスプーンを入れる。
「ジャパニーズノ料理ハ美味シイデースッ!!」
と言いながらガツガツ食っているコーネリア。
ちなみにそれはジャパニーズの料理ではなく、イタリアだかの料理だったような気がする。案の定、
「刺身トカ天プラハ何時デルノデスカーッ?」
と聞いてくる。
「多分出ないんじゃないかなー?」とナノカ。
「Oh!No!毎日イタ公ノ料理バカリヲ食ワセラレルノデスカァ!」
「まぁおしゃれな校風を前面に押し出すのに生徒も協力してるからさ、和食はおしゃれじゃないって判断が入ってるんじゃないかな?おっさんが食べるモノとかそんな感じで」
「Noooooo!!!」
そんなに嫌がらなくても。
「キミカ、私、これ、持って帰ってもいいか?」
たんまり積んできた皿を既に平らげて2回目行ってきたらしい。それを指さしてメイリンが言う。
「だめじゃないかなぁ…?」
「そうか。残念」
全然残念そうじゃない勢いで片手に白米を入れた皿、後はテーブルに置かれた料理を箸でつんつんとつつくようにつまんでは口に運んで口に放り込んでまたご飯を食べる。あの中国人食事スタイルを早送りで見ているような錯覚。
そして食堂の箸は使わずに「マイ箸」を持ってきてるところも凄い。
中華料理ではお馴染みの日本の箸よりも長い、先端が鋭い箸。そしてその箸は、一度に沢山のものをいっぺんに掴めないのか掴まないのか知らないけど、まるで鳥のクチバシの如く料理を汁系を覗いて全ての小さな欠片もつついて挟んで取って口に運ぶ。普段俺はドロイドバスター変身前の身体能力は目立たないようにしているが、メイリンのその「ツツキ」は明らかにドロイドバスターとしての身体能力を十二分に発揮していた。つまり、常人の目ではその動きを確認するのは難しい。
あんまり意味ないけど…。